草の葉

高山村にある、緑に包まれたギャラリー

秋晴れ

2008-10-13 16:05:03 | 山の暮らし
 これは、決して霧ではありませぬ。



    ::::



 青く澄んだ高い空の秋の日の午前9時。
 バッハの無伴奏チェロ組曲を聴きながら床を掃いていた。
 ガァガァ・・・竿に掛けられ天日干されていた稲が、手際よく機械の中に。
 次々にモミの袋の出来上がり。
 まるで魔法のよう。

 優しい暖かさの秋の日の午後1時。
 ショパンのノクターンを聴きながら夏目漱石を読んでいた。
 ムムッ!?突然息苦しくなる。
 さわやかな風に乗った煙が、一気に我が家に襲いかかる。
 その朦々たるや、しっかり閉じてあるはずのペアサッシもなんのその。

 風が冷たくなり始めた秋の日の午後4時。
 田圃の畦道に座って、西の太陽を仰いでお茶の時間。
 その後ろに残るは、モクモクと燻ぶる煙と、真っ直ぐに引かれた幾つもの黒い筋。
 ワタシの前の懐かしさの光景。
 何事もなかったかのようなのどかな風景。

 
 秋の風物詩。


 いやぁ、新参者は、すっかりイヤされました。
 いえ、イブされました。
 洗濯物と干した布団も一緒に、
 秋晴れのよき日に・・・・


    
      ああ、もう、こうなったら、
      ともかく、佐藤眞の「土の歌」を聴くしかないでしょう。
      何も言えないワタシは、
      洗濯物や布団の取り込み、夕方の散歩は後回しにして、
      いつまでものろしのようにたなびく煙を見ながら、
      ウウッむせながら・・・・
      
      
      





    耕して 種子を撒く土 
    人みないのちの糧を
    創り出す土
     耕して種子を撒く者
     農夫らの楽しみの種子
     悲しみの種子
       ともかくも種子がいのちだ
       朝 星をみて 野良に出る
       働いて 額に汗して
       夕星を見て帰るのだ
    種子をはぐくむ土こそは
    種子をまく者の夢だ 望みだ
    そして祈りだ


    花さき みのる 毎年の
    約束の不思議さよ
 
        ___大木惇夫「農夫と土」___

    
 
 
 

 

 
 

ほっかぁ。。

2008-10-13 10:54:43 | 山の暮らし
 昨日は一日、薪運び。

知人からのうれしい知らせ。
大きくなった樫の木を切ったので、要るならどうぞ。って。
もちろん、「要ります。」
枝を払ったりした後片付けは大変らしい。
コレも、もらう人がいなければ、燃してしまうとのこと。
ああ!、もったいない。
たとえ少しでも、薪になるような木があると聞けば、勇んでもらいに行きま~す。

厳寒地でのワタシの冬暮らし____薪ストーブの燃し木は命綱。
原木をチェーンソーで切って、
薪割りして、
薪小屋に積んで
2年間位乾燥させて___
やっとストーブの中へ。

昨年は、初めての冬。
引っ越す前から、少しずつ準備はしていたものの、
やはり、十分な薪の確保には至らず、
急きょ、ご親切な方にすぐに使える乾燥薪を分けていただいたり、
とうとう、既成の薪束を購入したりで、どうにかしのいだ。

365日、薪、薪、薪の算段。
インターネットや造園会社、森林組合から購入したり、
情報網を張り巡らし、
東に廃園の梨の木があると聞けば、2tトラックレンタルして駆けつけ、
西に梅の木剪定と聞けば貰いに走り、
試行錯誤の薪小屋造りに、
天気さえ良ければ、休日は切ったり割ったりの薪作り。
そうして、どうにか、これからの2年分くらいは用意できたかな。
だが、一息ついたのもつかの間、
3年後の薪の準備は全くできていない状態。

そこに今回のうれしい知らせ。
軽トラでは、そんなに積むことができず、往復100kmを2時間半かけて、2往復。
2tトラックが欲しいなあ。

朝から夕日が沈むまでびっちり一日かかった。
ぐったり。
それでも、
こうして積んだモノを見ると、
たとえ、それは小さな山でも、
ニカッ。。
思わず頬が緩む。

ありがとう。

  木の持ち主に。
  知らせてくれた知人に。
  共に作業したKさんに。
  重量いっぱい積んで山道を上ったり降りたりのポンコツ軽トラに。
  少し暑すぎたもののお天気にも。
  そして、もちろん、
  電柱よりも高くなって、ドングリをいっぱいつけてざわざわ枝をゆすらせていた樫の木に。
  (薪としては最高のものらしい。___確かに、とても重かったぁ。)

    ありがとう。。