草の葉

高山村にある、緑に包まれたギャラリー

静かな夏の一日

2007-08-08 16:32:03 | 雑感
 今日は朝から、なんだかやさしい空気?

 強すぎない夏の光と心地よい風。
一日、モーツアルトのピアノ協奏曲19番と20番を聴きながら読書___大江健三郎「恢復する家族」

_____いつまでも続くように感じられた家族の情景、その生きいきした勢いの恢復というものはもう決してない。それは過ぎ去ってしまった、という懐しさの感情のこもったペシミズムにとらえられることもある。


     最近、私もその思いにとらわれることが多々ある。

 が、そのあとに続く大江さんの言葉
_____しかしそうした家族の日々の変化のなかで、たえまなくなにものかが壊れているにしても、それと結んで恢復し、再生してゆくものへの思いもあるのだ。
 
 そして、さらに
_____それでも、きわめて長いレインジで見れば、なおかつあの後に恢復があった、自分らはみなそのような恢復のなかで生きてきた、と回想しうる時も訪れるのではないか?その長いレインジのものの見方を学ぶためにこそ、この世で生きている、とさえ感じることがときにはあるのだから、、、、、
 


  
 この前までで一面咲き誇っていたあのラベンダー畑、その時を終えたようだ。
ポプリ用にたくさんくださった。早速、デッキで、、、、風に乗ってふわっといい香り。
 午後には、秋に企画予定の作家さんの布___ご自分で紡いで染めて織った___その端切れの一つ一つをなぎ合わせた手提げが送られてきた。
やさしいやさしい風合い。

                                               
     日々の変化のなかで壊れても恢復し、再生してゆくもの___美しいものへの思い
     淡々と生きる___しなやかさと力強さ
       そんなことを思った

         サアーと通り雨のあった
          静かな夏の一日。