日本百名山 27、巻機山(1960m)
今は、JRの普通線も新幹線も、そして高速道路も『清水トンネル』で谷川岳の下を快適に通過しています。
しかし、その昔(明治の中ごろ)、越後と上州を結ぶため清水峠越えの街道が計画されましたが、雪崩のためポシャてしまい、そのまま放置されているそうです。
それだけの難工事なのに、なぜその都度、別々にトンネルを掘るのでしょうかね?
一緒に工事すればいいのに!
さて、その清水峠越えの拠点に『清水』があり、そのすぐ上に、この辺では、「最も高く、最も立派な」巻機山があります。
「山間の僻村清水はこの巻機山の真下にある。
から少し登ると、巻機山の前に、天狗岩(あるいは黒ツルベ=割引岳)と呼ばれる黒々とした岩峰がニョキと立っているのが印象的である。
その右裏に、頂きの平らな巻機山がゆったりと伸びている。」
設定:カメラ:PRO、レンズ:35mm、風景:春山の追分、高さ強調1.3倍、仰角20度
「巻機山に登ったのは(昭和11年)四月八日であったが、村はまだ深い雪の下にあった。
上越線の塩沢駅で下車して、登川に沿って、最奥の清水までの長い道を歩き、そこで一泊して、翌日、案内荷担ぎを一人雇って登った。
初っぱなから檜穴ノ段(ひのきあなのだん)と呼ぶ急斜面は辛かったが、それを登りきると、思わず歓声を発するような気持ちのいい広々とした雪原に出る。
それからもう一度、上檜穴ノ段の急坂を登ると、間もなく前山(ニセ巻機山)である。」
前山を「ニセ巻機山」とも呼ばれているのは、清水から登ると、巻機山はほとんどこのニセ巻機山と重なり、ニセモノを目指して登るからだそうです。
「前山から巻機山の頂上まで三十分足らずだが、その鞍部は、雪が消えると、お泉水(池塘)が幾つも現われ、ナンキンコザクラの敷き咲く気持ちのいい所である。
頂上は広々としている。・・・」
(新潮社刊、深田久弥著『日本百名山』より引用)
次の山名は、今の地形図とは一致しないが、
天狗山(黒ツルベ)は、割引岳の事か、「・・・黒々とした岩峰がニョキと立っているのが印象的…」とある?
また、「檜穴ノ段」「上檜穴ノ段」とあるのは、六合目への急な取り付け道と、その背後の前山への急な尾根道の事か? このコースは井戸尾根コースといわれています。
その他にもいろいろあって、コースを尋ねるのに難儀をしています。