種芋を残せば、成長できる。
しかし、多くの種芋を残すためには、今年の食事を我慢しなければならない。
未来の『成長』を選ぶのか、今年の『分配』を選ぶのか・・・
私は、農家の家に生まれ育ちました。私の兄が11代目となります。生粋の百姓の息子なのです。
小学生の頃、母親から「種いもを決して食べてはいけない」と言われました。なぜか、この教えは、今でも鮮明に覚えています。
なぜ、「種いも」を食べてはいけないのか?
例えば、柿であれば、食べる実の部分と植える種の部分は異なります。つまり、実を全て食べても、来年植える種は残ります。
しかし、いもは、食べる部分と植える部分が全く同じです。来年、より多くの「種いも」を植えるためには、今年、「食べない」という意思決定をしなくてはならないのです。
しかし、人間は、お腹が空いてしまうと、ついつい、来年植えるために取っておいた「種いも」まで食べてしまいます。その結果、植える種がなくなってしまうのです。
これに困った農民は、「種いも」を買わなくてはなりません。しかし、お金はないのです。庄屋から畑を担保にしてお金を借り、「種いも」を植えます。
「種いも」まで食べてしまう農民なので、借りたお金を返す能力もないのです。その結果、畑は取り上げられ、自分の畑を持たない小作人になってしまうのです。
今年食べるいもを我慢して、より多くの「種いも」を残した農民は、来年、沢山のいもを手に入れることができます。そして、拡大再生産をしていくことが出来るようになり、畑が広がっていくのです。
小作人になるのか、豪農になるのか?
食べるものがないつらい時に、どれだけ我慢して来年のことを考えられるかが、明暗を分けると教えられました。小作人になるか豪農になるかでは、結果は大きく異なります。しかし、その原因は、ほんの僅かな差にすぎないのです。
当社を立ち上げた時、もちろん十分な資金はありません。担保を持たない小さな会社が銀行に頼ることはできません。急成長するためには、高い利益率を確保し、内部留保で再投資するしかないのです。
しかし、内部留保率を高めれば、社員に対する分配率は下がります。私は、スタッフに対して、この「種いも」の話をしました。もちろん、経営者の詭弁と思う人もいたことでしょう。
しかし、十分な収益を上げ、成長すれば、分配はいつでもできるのです。食べるものにも苦しむ時、来年のことを考えて投資できる人は、多くはいません。
だから、多くの人は小作人になってしまったのです。
「種いもを食べるな」
母は、私に、優れた農家の知恵を授けてくれました。この知恵は、農家だけでなく、経営にも十分応用できるものだったのです。
しかし、多くの種芋を残すためには、今年の食事を我慢しなければならない。
未来の『成長』を選ぶのか、今年の『分配』を選ぶのか・・・
私は、農家の家に生まれ育ちました。私の兄が11代目となります。生粋の百姓の息子なのです。
小学生の頃、母親から「種いもを決して食べてはいけない」と言われました。なぜか、この教えは、今でも鮮明に覚えています。
なぜ、「種いも」を食べてはいけないのか?
例えば、柿であれば、食べる実の部分と植える種の部分は異なります。つまり、実を全て食べても、来年植える種は残ります。
しかし、いもは、食べる部分と植える部分が全く同じです。来年、より多くの「種いも」を植えるためには、今年、「食べない」という意思決定をしなくてはならないのです。
しかし、人間は、お腹が空いてしまうと、ついつい、来年植えるために取っておいた「種いも」まで食べてしまいます。その結果、植える種がなくなってしまうのです。
これに困った農民は、「種いも」を買わなくてはなりません。しかし、お金はないのです。庄屋から畑を担保にしてお金を借り、「種いも」を植えます。
「種いも」まで食べてしまう農民なので、借りたお金を返す能力もないのです。その結果、畑は取り上げられ、自分の畑を持たない小作人になってしまうのです。
今年食べるいもを我慢して、より多くの「種いも」を残した農民は、来年、沢山のいもを手に入れることができます。そして、拡大再生産をしていくことが出来るようになり、畑が広がっていくのです。
小作人になるのか、豪農になるのか?
食べるものがないつらい時に、どれだけ我慢して来年のことを考えられるかが、明暗を分けると教えられました。小作人になるか豪農になるかでは、結果は大きく異なります。しかし、その原因は、ほんの僅かな差にすぎないのです。
当社を立ち上げた時、もちろん十分な資金はありません。担保を持たない小さな会社が銀行に頼ることはできません。急成長するためには、高い利益率を確保し、内部留保で再投資するしかないのです。
しかし、内部留保率を高めれば、社員に対する分配率は下がります。私は、スタッフに対して、この「種いも」の話をしました。もちろん、経営者の詭弁と思う人もいたことでしょう。
しかし、十分な収益を上げ、成長すれば、分配はいつでもできるのです。食べるものにも苦しむ時、来年のことを考えて投資できる人は、多くはいません。
だから、多くの人は小作人になってしまったのです。
「種いもを食べるな」
母は、私に、優れた農家の知恵を授けてくれました。この知恵は、農家だけでなく、経営にも十分応用できるものだったのです。
あなた方を信じています。
お金を持ち逃げしたという「経営者」は聞いたことがない。
持ち逃げされるリスクは、「経営者」より、「従業員」の方が高い。
ただし、経営者が行うのは、持ち逃げではなく、放漫経営である。
放漫経営が原因で倒産させる経営者は、倒産企業の中で10%程度しかない。ほとんどの経営者は、リストラのタイミングが遅い、意思決定能力不足からくるものである。
従業員の立場としては、放漫経営するタイプかどうかは、見ていれば直ぐに分るはず。
意識決定能力の低い経営者か否かは、赤字を垂れ流し続けているかどうかで分る。
ということは、お金を持ち逃げされるというリスクを考えること自体が、杞憂であろう。