久野康成公認会計士事務所/株式会社東京コンサルティングファーム(TCF)の 【国際化支援ブログ】

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安定したいと思う人は、もっとも不安定な人生になる

2007年06月28日 | 所長と熱く語ろう!(久野康成)

みなさん、こんにちは!

昨日から大阪に来ています。
大阪に本社のある公開予定のベンチャー企業の社員研修の講師を行いました。ベンチャー企業だけあって、勢いがありました。




さて、NHKで金子先生は、「最近の若者は、安定を求めている」とおっしゃっていましたが、そのとおりです。
安定を求める人は、ベンチャー企業よりも大企業に就職しようとします。


しかし、企業が求めているのは、安定したい人ではなく、チャレンジしたい人です。

この点、森永先生に、「チャレンジしようとする人は、企業から排除される」と、私の意見は一蹴されてしまいましたが・・・

普通に考えれば、チャレンジする人が排除されたのは、年功序列・終身雇用の時代で、経済が安定していたときです。
少なくとも、当社は、チャレンジする発想を持っていない限り、先には進めません。仕事は、自分の力で創造していかなくてはならないからです。




この先、日本の工場は、ますます、ベトナムなどの海外に移されます。
製品価格に国際競争力を持たせるためには、より安く作らなくてはなりません。そのため、今でも工場で働く人の給与水準は、いわゆるドラッカーがいう知識労働者と比較して、かなり低く抑えられています。

これが、結局、ワーキング・プアの原因になっているのです。



しかし、このような現状は、さらに悪化の一途をたどると考えられます。

日本において、工場自体がなくなっていくからです。
残るのは、開発拠点で、実質的には、研究所と併設される試作工場です。
いわゆる生産工場は、海外に移されます。

このとき、本当に仕事がなくなるときです。



セゾンの林野社長が、2015年までに景気は絶好調になり、すべての問題は解決するといっておられましたが・・・
景気は回復するでしょうが、工場自体がなくなっていくのは加速するので、工場で働く人の雇用問題は、解決するどころか、さらに悪くなります。



これは、人間の力では、どうにもならないほどの勢いを持った流れなのです。
大きな流れである市場原理には、逆らえないからです。

人間の力ではどうにもならないとは・・・・
「政治では解決しない」という意味です。
つまり、基本的に国には頼れません。



かつて、バブル崩壊後、デフレが発生したとき、国は多大な公共投資を行いましたが、無意味でした。野村総研の一部のケインジアンは、このような公共投資を支持していましたが、市場の中でパラダイム転換が起きている時は、流れに逆らってはいけません。



・・・では、今、われわれができることは何か?

ケネディー元大統領の有名な演説があります。
【祖国があなたのために何ができるかを問うより、あなたが祖国のために何を行うことができるか問うてほしい。】


大きな市場トレンドを考えたとき、われわれが行うべきことは、国に求めることではなく、自分たちが何ができるかを考えることです。

なぜなら、国には、ワーキング・プアを根本的に解決する力をもっていないのです。


国ができるのは、かつての公共投資のような対症療法でしかないのです。
政治的には、『やっています』というパホーマンスを示せる程度です。
これを主張する政治家は、票集めがしたいのか、根本的にわかっていないのかのどちらかです。


なので・・・・今、われわれがすべきことは・・・・

ドラカーがいうように・・・
『肉体労働者』から『知識労働者』へ転換することです。
工場で働くなといっているわけではありません。
単に作業をする人ではなく、技術指導者や品質管理者や生産管理者等の工場における知識労働者を目指さなくてはならないのです。

このような人は、たとえ、工場が海外に移されても、技術指導員としての仕事が残るのです。

 

単なる作業者は、工場がたとえ海外に行かなくても、外国人労働者にとって代わられます。
外国人労働者にとって、日本人からすれば安いと思う賃金水準も母国の賃金より高いものになっています。このなかで、働くことは、今後、ますます賃金水準が下がっていくことを意味します。

仮に、法律で最低賃金を非常に高めれば、企業は、工場を海外に持っていってしまいます。その結果、・・・完全に仕事を失うことになるのです

派遣が増えたから、仕事がなくなったなどという発想は、ナンセンスです。



いま私たちがしなくてはならないこと・・・
必死に勉強して、知識労働者としての『技』を磨いていくことしかありません。

これが、私が、賃金格差は、教育によってしか、変えられないといっている理由です。





PS:
ちなみに私の宗教は・・・
実家は、愛知県で11代続く、農家です。
愛知の農民の大半は・・・浄土真宗です。

 

あと、今度・・・
『先見経済』という雑誌の裏表紙に出ます。
他社で使える人材育成について持論を展開しています。

このほか、『経済界』(7月号)、『潮』(8月号)にもでます。








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