久野康成公認会計士事務所/株式会社東京コンサルティングファーム(TCF)の 【国際化支援ブログ】

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【家族のように扱っても社員は不満いっぱいです】

2006年07月24日 | 最新ビジネス書評

プレジデント8月14日号にジャックウエルチのビジネス問答のページがあります。毎月、読者からの質問にジャック・ウエルチが回答するものです。

プレジデントの中で私の最もお気に入りのページですが、今回はあまりにも素晴らしいので、皆様にも紹介します。

 

質問者は、14人社員を抱える会社経営者で、社員の為に、誕生日・出産・結婚のなどのときにパーティーを開いたり、可能な限り、面倒をみています。しかし、社員は、管理が多すぎるだの、適切に評価されないだの絶えず不満を言い続けています。

これに対してジャックは、なんと回答したのか?

 

社長は、『甘えの文化』を築いたのみといっています。このような文化の中では、『社長は、社員の為に働くもの』と社員が思うようになるといっています。


面倒見の良い社長は、中小企業の中に沢山います。しかも、その多くの社長は、この質問者のような状態に陥っています。

私も、仕事柄、このような社長の悩み(愚痴?)を良く聞きます。


ジャックは、今すぐやめろといっています。社員を幸せにするのは、会社が成功し、社員にチャンスを与えること以外にないといいます。社員への施しを目的化してはいけません。


そして、このような行為をやめると、『社長のお気に入りの社員も不満をもって会社を去る』といっています。しかし、それを受け入れ彼らの幸運を祈ろうとも回答しています。彼らは直ぐに、隣の芝の方が青いわけではないことに気付くであろうとも言っています。



私が、このブログの中で、何度も言ってきた様に、『会社は社員のものではありません。』『経営者は、社員の為に働いているわけではありません。』

しかし、そのように言っている経営者も社員の成功を心から祈っているのです。

社員を成功させる方法は、『魚を与えることではなく、釣竿を与え、釣り方を教える以外にないこと』を優秀な経営者は知っています。

このような経営者は、一見、社員に厳しいように見えます。しかし、結果的には最も優しいのです。




優しさとは、表面的な『甘やかし』ではありません。
社会の中で生き抜く厳しさを教え、切り抜ける策を与える人なのです。






第四ステージはいった当社では、シニアスタッフの給与水準が、今までになく大幅にアップします。おそらく、この業界では、最短でトップクラスの給与水準になる可能性を秘めています。

しかし、これは個人の自立によるものではありません。組織が時流に乗っているためのものなのです。その結果、『甘えの文化』ができ、経済的に自立できても、精神的自立のできない社員が多く生まれるリスクが生じます。

自立は、経済・精神の両面が必要です。

どちらも自立できる社員になって欲しいと強く願っています。
だからこそ、社員を甘やかし、自立するチャンスを奪い取りたくないのです。