年間500店以上を食べ歩く飲食店プロデューサーの食日記

仕事柄、日本中を飛び回っていて、その出張先での外食を日記にしています
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東京メトロ日比谷線銀座駅:『肉割烹 ゆうざん』 料理の基本である〝見た目〟〝香り〟〝味〟の三本柱を駆使した肉割烹

2018-07-10 23:50:39 | 関東
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パソコン仕事に熱中していたときに着信した一本の電話で救われました
と言いますのは、相手の方が「ギリギリの時間に申し訳ございません」と話し始めましたので、時計へと目をやりますと18:00を過ぎていたのでありまして…
この電話がなければ、19:00に約束していた会食に遅れていたことでありましょう



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電話を終え慌てて出かけた銀座6丁目
交詢ビルの4Fに昨年11月にオープンした『肉割烹ゆうざん』が目的のお店でありまして…
10席のカウンターと個室2部屋という限られた空間にお迎えしたお客さまを、厳選した牛肉と季節のお野菜でもてなしてくださるのであります
食材へのこだわりなどを伺いながら、目の前で盛り付けされるお料理をいただくことがこちらの醍醐味でありますので板前さんを目の前にする特等席をいただきます
何気に棚に並べられた徳利やお猪口は魯山人をはじめとした有名な作家ものだということですが、それらは飾られているだけではなくお客さまのリクエストに応じて実際に使われているそうであります



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いただくのは「肉割烹コース」
お任せでいただく肉尽くしのコースでありまして、まずは食事の準備をということでファーストドリンクとともに〝お凌ぎ〟として「梅粥」が提供されます


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コース最初の一品は「焼き鱧のお吸い物」
たっぷりの鰹節と焼いた鱧の骨でとられたというお出汁はとってもやさしい味わいでありまして、鱧そのものは淡白であることから、この出汁のおいしさこそが決め手なんですよね


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続いては「和牛タン 生ハム仕立て」
生ハム仕立てということで燻製香を楽しむものかと思ったのですが、提供されたものはそれほど香りが強いものではなく…
スダチを軽く絞ったあとに、大根おろしが乗せられた黄身だれでいただきます


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次のひと皿は「牛炙り 万願寺唐辛子の焼き浸し 自家製唐墨 パルミジャーノ」
炙られたお肉はサーロインでありまして、もちろんそのままでもおいしくいただけるのですが、削られたパルミジャーノを塗すようにいただきます
とそのコクと塩味で一層おいしくいただけます
またカラスミの濃厚な風味や味わいもお肉とよく合います


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次のお肉へといく前にちょっと箸休め
メニューには書かれていませんでしたが、秋田産のじゅん菜が出されまして…
そのつるんとした舌ざわりが楽しめますし、何より土佐酢のさっぱり感がお口の中をリセットしてくれました


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続いてのお肉は「牛ホホ肉の小鍋仕立て フカヒレきのこ餡」
お箸で簡単に解せるほどにホロホロに煮込まれたホホ肉とフカヒレ
それだけでも十分に贅沢なのですが、トロミがおいしいきのこ餡に使われるのは秋田産の天然本しめじだとのことでありまして…
〝香り松茸、味しめじ〟と言われる通りのおいしさを堪能させていただきました


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そして「和牛サーロインのしゃぶしゃぶ」
余分な脂をが落とされロゼに仕上がったお肉のしっとりとした舌ざわりは言うまでもなく、添えられた芹の歯ざわりと豊かな香りが実においしくて…
このしゃぶしゃぶ、何とスッポンのスープが使われているとのことですし、芹においては秋田の天然水で育ったものなのだとか
見えないところにまでこだわりを持たれていることには感服であります


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「丸吸い すっぽん大根餅」
先のしゃぶしゃぶ同様のすっぽん出汁でありまして、その滋味深い味わいが染みた大根餅のもっちりとした食感もまた見事でありまして…
添えられるズッキーニはひょうたんの形が抜かれているのですが、これもまた旬を感じていただきたいという想いからだと聞き恐れ入りました


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そして八寸
お品書きには〝ハツ燻製〟や〝レバー燻製〟と書かれていたのですが、臓物が苦手であることを伝えたところ、それらは低温調理された〝ローストビーフ〟と大葉と梅肉のソースでいただく〝豚足コロッケ〟に変えていただけまして…
泡状にしたお醤油でいただく〝牛寿司〟や生うにが乗せられた〝ユッケ〟地辛子餡でいただく〝茹でタン〟のほか、〝白バイ貝〟〝丸十蜜煮〟〝つるむらさきとシラスのおひたし〟といただき、それぞれのおいしさを楽しませていただきます


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「茄子の牛挟み揚げ 自家製トマトソース」
使われる茄子は賀茂茄子だそうで、冷蔵庫から取り出していただいたものにはマンゴーや桃など傷みやすい果物にクッション材として使われるものと同じようなフルーツキャップを被っているではないですか
挟み揚げといえば天ぷらをイメージするところではありますが、こちらではフライでありますしトマトソースが掛けられるなど洋風なものでありまして…
発想の元はハンバーガーだと聞き、これまたびっくりであります


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そしてメインとなる「厳選黒毛和牛炭火焼き」
炭火焼には用意されてたお肉は黒毛和牛のサーロインや銘柄牛のヒレなど5種ほどでありまして、予算と好みでチョイスすることができるのであります
他のお料理にもサーロインが使われていることからヒレをいただこうかとも思ったのですが、同じサーロインでも調理に仕方でおいしさの変化を楽しめますよとのお勧めもあってサーロインをいただきます
目の前に置かれた信楽焼の焼き台で焼き上げられまして、サシが入ったお肉はミディアムで焼き上げるのがおすすめであるとのことで…
焼き串を打たれたお肉は丁寧に丁寧に焼き上げられます
焼きあがったお肉は程よく休ませられて、わさびのほか、生胡椒や石川県珠洲市の塩、そして黒毛和牛でとったブイヨンに玉ねぎやパイナップルを加えて作られるという自家製デミグラスソースなどから好みでいただくことができます
わさびを付けるだけでもおいしくいただけますが、わさび醤油でいただきたい方には熊本のお醤油が用意されていますので特有の甘みが一段とおいしさを引き立ててくれますね


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こちらで提供される「食事」は土鍋ごはんでありまして、長野県産コシヒカリか広島県産ミルキークィーンを選ぶことができます
コシヒカリはいつでもいただくことができるからとミルキークィーンをいただくとに…
これまた信楽焼の土鍋で炊き上げられているのですが、一粒ひと粒が立っていますし、艶々とした輝きを発していて、小粒ながらもちっとした食感がしっかりしていますね
程よくお焦げもいただけるご飯には、汁や香の物のほか、ごはんのお供として〝牛時雨煮〟が添えられているのですが、ごはんのお替わりなどでお供が無くなっているときにはさらに別の一品を提供することもあるそうで…
明太昆布をいただいたのですが、これで更にもう一杯ごはんがいただきたくなりました


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「天然氷のかき氷 季節の果物ソース」
会席のデザートでかき氷が出されたのは初めてのことでありまして、驚きながらもそれをいただきますと舌の上でふわっと消えていくではないですか
ほんのりと後に残る桃のシロップや食べ進めた時に氷の下から出てくる薄くスライスされた桃の果肉が…
最初から最後まで、お料理のおいしさとともにいろんな驚きがあり楽しい時間をことができました


がっつりとステーキをいただくのも良いけれど、大人だから落ち着いた空間で上質なお肉をいろんなお料理でいただきたい
そんな夢を叶えてくれるのが、昨年11月にオープンしたのが『肉割烹 ゆうざん』であります




【肉割烹 ゆうざん】
東京都中央区銀座6-8-7 交詢ビル4F
03-3289-2050