子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

赤信号

2007-05-07 00:08:11 | 雑記
「赤信号は止まれ」、「青は進め」、「黄色は注意」
みんなが知っている信号機の決まりです。

でも決まりさえ守っていれば安全か?
極端な選択ですが、「信号が青だからといって周りの安全を確認せずに横断する」のと「十分に安全を確認して赤信号で横断する」のではどちらが安全でしょうか?

なぜ規則が決められたのかを理解しないまま、ただ規則に縛られてしまうことは危険なことだと思います。

規則やマニュアルというものは、ある行動にたいして十分な理解をしていない人でも間違いを起こさないようにするための最低限の決まりのようなものだと思います。
規則やマニュアルがなくてもみんながある物事に対して十分な理解があり行動していれば、同じ事に対して十分な理解がないまま規則やマニュアルにしたがって行動しているよりも間違いはないように思います。
ただし今の世の中、規則やマニュアル通りに行動できているかということに意識が偏重していないでしょうか?
場合によっては、規則やマニュアルは何かあった時の責任逃れのための道具に成り下がってしまってはいないでしょうか?

今の世の中、いろいろ複雑で処理しなければならないことが多くなり、規則やマニュアルはなくてはならないものだと思います。ただ、どうしてそのような規則やマニュアルがあるのか理解した上で利用しなければならないものでと思います。

前回の続きになりますが、どうして「親学」といった提言が必要なのか、その理由とその事に対する根本的な議論が必要なのではないでしょうか?

「親学」って?

2007-05-06 18:56:06 | 雑記
内閣に設置された教育再生会議が、親に向けた子育て指針である「親学(おやがく)」に関する緊急提言の概要をまとめたとの報道を目にしました。

「親学」提言のポイントは以下の11項目からなっているようです。
(1)子守歌を聞かせ、母乳で育児
(2)授乳中はテレビをつけない。5歳から子どもにテレビ、ビデオを長時間見せない
(3)早寝早起き朝ごはんの励行
(4)PTAに父親も参加。子どもと対話し教科書にも目を通す
(5)インターネットや携帯電話で有害サイトへの接続を制限する「フィルタリング」の実施
(6)企業は授乳休憩で母親を守る
(7)親子でテレビではなく演劇などの芸術を鑑賞
(8)乳幼児健診などに合わせて自治体が「親学」講座を実施
(9)遊び場確保に道路を一時開放
(10)幼児段階であいさつなど基本の徳目、思春期前までに社会性を持つ徳目を習得させる
(11)思春期からは自尊心が低下しないよう努める

これを見て皆さんはどう感じたでしょうか?

私は、何とも言えない違和感を感じました。
個々の内容に関してもいろいろと問題があると思いますが、それ以前にこのようなことを有識者と言われるような方たちが議論して決めたことに違和感を感じてしまいます。

本当にここまで面倒をみないといけないぐらい今の社会は子育ての能力が低下してしまったのでしょうか?

子育てというものは、このような箇条書きのマニュアルのようなもので規定されるべきものではないように思います。ただし、我々子どもを育てていく親や社会がしっかりしていかなければ、このようなマニュアル的な提言を押し付けられてしまうことになりかねないと思います。

憲法記念日

2007-05-03 15:45:46 | 雑記
今日は、1947年5月3日に日本国憲法が施行されたのを記念して制定された国民の祝日です。

子どもの健康と憲法と関係ないように思うかもしれませんが、子どもの健やかな成長には平和で健全な社会は必要不可欠な要素であり、その社会(国)のあるべき方向性を考える上で憲法は欠かせない要因だと思います。

戦争の放棄を明示した憲法第9条に象徴される日本の憲法は、小学生だったか中高校生のころだったか忘れましたが、世界に誇れるりっぱな憲法だと教わったような気がします。
時代の変化に伴い、改憲が必要なのかもしれませんが、改憲せざるおえないのならそれはそれで残念な気がします。

いろいろな意見があるのだと思うのですが、今の子どもたちの健やかな成長のために、次世代に自信を持って引き継げるような社会(国)を作っていくためにも、子どもを持つ親を含めより多くの人が関心を持ち決めて行かなければならない大事なことだと思います。