子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

水イボ(伝染性軟属腫)

2007-05-23 16:34:26 | 病気
これからプールの季節を前に、幼稚園や保育園児を中心にプールに入れてもらえないからと「水イボ」で受診する子が増えてきます。

「水イボ」は皮膚にウイルスが感染してできる良性のイボで、ほとんどの場合は半年から数年の経過で免疫が獲得されると自然に消失します。
直接皮膚を接触させたり、タオルなどを共有することで間接的に接触することで感染する可能性がありますが、感染性はそれほど強くなくプールの水を介して感染することはありません。なので、プールだけでなく子どもが集団で生活している以上はある程度の避けられないものなので、プールを制限すること自体はあまり意味がないと考えられています。ただし、まだ幼稚園や保育園では過去の習慣から「水イボ」があるとプールや水遊びを制限されてしまうことが多いようです。
かといって、まったく無頓着でいていいという訳ではなく、タオルを共有しない、プール・水遊び後にはシャワーなどで体をきれいに洗い流すなどの注意は必要です。

「水イボ」があったら必ず治療しなければならないということはないので、治療の適応は症状の程度、集団生活上の問題や親の希望などを総合的に考えて決めています。
治療法は、専用のピンセットで摘んでイボの中身ごと摘出する方法、薬剤(硝酸銀)でイボを腐食させる方法が一般的ですがそれぞれ一長一短があるので、治療の適応を含めかかりつけ医に相談して下さい。(ちなみに、当院ではピンセットでの処置を行っています。)