子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

麻疹

2007-05-18 22:41:09 | 雑記
首都圏中心に麻疹の流行が広がっています。

今の所、流行の中心は中学生以上から20歳代成人のようですが、幸い?年少者の発生は限られている印象です。
小児科医としては、1歳未満の定期接種対象前の乳児に流行が広がらないかと気になっています。

麻疹の発生拡大状況をみていると、記憶する限り(医師になって約20年)で最も勢いがあるように感じます。
前述した流行の中心となっている年齢層が、幼少者と違って活動範囲が広いことが災いしているのかもしれません。

周りの流行状況から、自分自身も具合が悪く麻疹が疑われると思う様な時には、極力出歩かないように心掛けることも必要ではないかと思います。

予防接種による予防にしても、個人の判断に任せておくのではなく、行政は乳児などに流行が広がらないよう積極的な対応が必要ではないかと思います。
行政の対応を待つまでもなく、1歳未満の乳児(ただし6ヶ月以上)の方も予防接種を考えてもよいように思っていますが、予防接種をしなくても、不必要に人ごみに外出しない、周りの大人(親)が麻疹の罹患歴がなければワクチン接種をするなどの対処を考える必要があるかもしれません。

今までにも何回も繰り返してきましたが、麻疹はワクチン接種を徹底して行う事で痘瘡やポリオと同様に撲滅することが可能な感染症です。麻疹に罹かることでしっかり免疫をつけた方が良いという考え方ま間違いで、とにかくみんなが確実にワクチン接種することが大切なことです。