子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

子育てについて(1)

2006-04-06 23:07:45 | 雑記
子どもを一人の自立した人間に育てると言うことは、親だけでなく社会全体の責任であり真剣に取り組まなければならないことは言うまでもないことです。

大前提としてこの社会が健全なものでなければならないし、その為には大人がしっかりしなければならないのは当然のこととして、子どもを育てる過程で、子どもたちをこの社会の望む良い方向へ導いていく為にはどうしたらよいのでしょうか?

子育ての方法として、「怒らない・叱らないで」子育てをするということを耳にすることがよくあります。

子育てに関わる親や大人がその子どもにとって最終的に信頼できる絶対敵な存在であれば、それも可能であると思われますが、
そのような親・大人がそのような存在になる過程で「怒る・叱る」ということは必要なことではないかと思います。
ただ、適切な「怒る・叱る」ということが出来なければなりません。
時にはしょうがないかもしれませんが、自分の都合・感情で「怒る・叱る」ことは極力さけなければなりません。

「怒る・叱る」ことをしないでなんとか子どもを躾けようと苦労し、その結果子どもに主導権を握られてしまってはいないでしょうか?

この限られたブログで語り尽くすことはできないし、かならずしも一つの正解しかないような問題でもないと思います。

ただ、どう子育てしていけばよいのか悩んでいる方も多いと思いますし、親にかぎらず多くの人が真剣に取り組まなければいけない問題です。

最近読んだ本で、『読んで学べるADHAのペアレントトレーニング(むずかしい子にやさしい子育て)』シンシア・ウィッタム著、中田洋二郎 監訳:明石書店 があります。(注:ADHA=注意欠陥・多動性障害)
原著は特にADHAの親のために書かれてものではなく、一般的な子育ての場でも非常に参考になるものだと思います。
一般の方には、ADHAが表題になっているため取り付き難いかもしれませんが、内容は難しいものではなく実践に即した非常に簡潔で分かりやす内容の本ですので一つの子育ての方法論として読んでみるのも良いのではないかと思います。