迷子札

先日、動物愛護週間には格好の話があった。米大陸の中央部で５年前に不明になった三毛猫が、２６００キロも離れたニューヨーク市で見つかり、飼い主と再会することになったという。

猫が自力で大陸を横断したのかは不明で、だれかが車で運んできたのかもしれない。面白いのは、この猫が識別用のマイクロチップを体に埋め込まれていて、それで身元が判明したことである。

米国の「ペット迷子札」はハイテク仕様だ。感動の猫ちゃん物語にも日米の差が見えてくる。この季節になると能登の宝達山でアサギマダラと呼ばれるチョウが話題になる。

渡り鳥のように千キロ以上も空の旅をする。捕獲した羽にインクで「ほうたつ」と書いておくので、鹿児島や沖縄にまで飛んで行くのがわかる。素朴な日本版「マイクロチップ」だ。

最近、記憶力が衰えてきたので、家族と「迷子札」の話になった。もちろん人間用である。