デジカメぶらりぶらり

デジカメのほやほやの写真をご覧下さい。

喜寿

2011-10-24 07:10:46 | Weblog
喜寿を迎えられた皇后さまが心境をつづられた文章が紙面に載った。「各地が大きな災害に襲われた。悲しみの多い年でした」という書き出しで紙面には文書の要旨が載った。

要旨では被災地に寄せる深い思いはうかがえるが、全文に目を通すと復興を願う皇后さまの祈りがより伝わる。美辞麗句ではなく、分かりやすい言葉、使い慣れた表現を選ばれている。

だからこそ、読み人の心を打つ。皇后さまからの文章から日本語の美しさを教わる。全文に目を通すと、一カ所難しい言葉が出てくる。「2万人近い無辜(むこ)の人々が悲しい犠牲者となった」とある。

「無辜」と言う言葉は聞き慣れないが、「罪のないこと。辜は罪の意」と簡単に辞書にも出てくる。悲しみと不条理に対する憤りが、重い響きの漢語「無辜」から伝わる。

そんな無辜の一人を、バカ呼ばわりしたとして、また騒いでいる。無礼であると怒る声と、愛情表現の裏返しという言い訳。お粗末な争いである。

為政者の言葉の軽さ、乱暴さには、ため息が出る。いまさらながら、何度繰り返せば済むのだろうか。