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バケツ

2013-09-06 07:38:37 | Weblog
「バケツをひっくり返したような雨」というのは、どの程度の降雨量なのか。東京大学の木村龍治名誉教授の近著『天気ハカセになろう』(岩波書店)によると、4リットルバケツの水を10秒かけて地面の一カ所に落としていくと、1秒間で1000ミリの降雨量に相当するらしい。

そんな豪雨はありえないが、では実際の集中豪雨は、どの程度か。昨夏の九州北部豪雨の時、熊本県阿蘇市では10時間の総雨量が500ミリだった。10キロ四方にそんな雨が降ったとすれば、東京ドーム大なら約40杯、ナゴヤドーム大なら約30杯ものバケツが、街の上でひっくり返された計算になるという。

そういう強烈な雨が降りそうな時に出されるのが、「特別警報」だ。大雨だけでなく暴風や津波などで「数十年に一度」のレベルになりそうな場合に気象庁が発表する。

昨年から使用している「経験したことのないような大雨」といった表現も使い、すぐに命を守る行動をとるよう呼び掛ける。経験は身を助けてくれるものではあるが、ドイツの小説家ジャン・パウルは2百年前<経験は良い薬であるが、病気が治った後でしか手に入らない>との警句を発している。

特別警報体制が始まるきょう、本州付近には前線が延び、台風15号も近づいている。空に巨大なバケツが、用意されたと思った方がよさそうだ。