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富士山学

2013-08-03 07:37:29 | Weblog
山梨県の都留文科大には珍しい講座がある。歴史、自然、信仰など多角的な視点で捉える「富士山学」。担当する渡辺豊博教授は、世界文化遺産への登録が決まる瞬間を見届けるためカンボジアに飛ぶぐらい富士山を愛してやまらない人だ。

バクテリアでし尿を分解するバイオトイレを山小屋に設置する活動などに取り組んできた渡辺教授が先週、日本記者クラブで語った現状は祝賀ムードに冷水をかける内容だった。

登山者の激増で垂れ流されることになるし尿、大量の産業廃棄物が違法投棄されている森林、枯渇する地下水、ひき殺される動物たち、一元管理ができずその場しのぎの縦割りの行政・・・。

諮問機関のイコモスからは富士五湖の開発制限など数多くの課題を突きつけられている。保全状況報告書の提出を求められている2016年までに条件を満たさなければ、登録を抹消される可能性もある。

例年を大きく超える登山者が訪れている富士山で入出料の試験徴収が始まった。
環境保全対策の名目で、静岡県と山梨県が一人当たり千円の協力金を呼びかける。

使途は登山者へのアンケート結果などで決める。登山者激増でさらに傷だらけになることを危惧する渡辺教授は、5合目に上る道路を閉鎖し、ふもとから歩く山に戻したらどうかと提言する。

究極の入山規制だが、実態を知れば極論とは思えなくなる。