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粗忽者

2012-04-23 08:15:16 | Weblog
落語には多くの粗忽者が登場するが、『近日息子』に出てくる息子も相当なもの、父親は息子の愚かさにあきれ、「お前といると体の調子が悪くなる」と言っただけなのに医者を呼び、医者は父親を見てもどこも悪くないので首をひねっただけなのに、もういけないと葬儀社へ走り、表に「忌中」の札まで・・・。

この息子とダブるのが、停止中原発の再稼働をめぐる政府の動きである。大飯原発(福井)3,4号機について、政府が再稼働の方針を決めたのは13日。ところが昨日になって、電力各社の今夏の需給見通しを、専門家ら第三者が検証する委員会を設けると発表した。

電気は本当に足りないのか。足りないとしても節電などで対応できぬほど足りないのか。
そうした点を精査すべきなのは当然だが、需給見通し逼迫も理由に再稼働方針を決めた後で、需給見通しの検証とは、まるで順序があべこべである。

滋賀県と京都府の知事は昨日、共同提言で政府に「脱原発依存」への工程表を示すよう求めたが、本来は、それが第一にすべきこと、次に短期的需給見通しの精査、それから再稼働の判断という順でなくてはおかしい。

それを、「まず再稼働」とは、父親は存命、病気でさえないのに、「忌中」の札を出すようなもの。まったく、こんな政府を持つと体の調子が悪くなる。落語じゃないのだから怖い話だ。