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天才テノール

2007-09-26 06:29:54 | Weblog
1935年、イタリア北部モデナで一人の男の子がこの世に生を受けた。母親は既にしてその瞬間、わが子の輝かしい未来を予感したという。

「なんてすごい泣き声・・・」。彼女は医者にそういったのだ。オペラ歌手パパロッテさんの話。

美しい高音で知られた、その天才テノールが亡くなった。ほとんど神話的存在。ニューヨークの野外公園では50万人を集め、ベルリンでは165回ものカーテンコールを浴びてギネスブックに載ったこともある。

トリノ五輪開会式での、「誰も寝てはならぬ」の熱唱は記憶に新しい。ナゴヤドームのこけら落とし公演を行ったが、宿泊した名古屋のホテルは巨漢に合わせ、最高級スイートのシャワールームを改造しなければならなかった。ステージは、絶好調。

だが、引き揚げてきた”王様“があまりに汗みずくなので舞台袖にいた関係者は驚いた。もっとも、あるインタビューで本人は「歌うことは汗をかくことだ」と。

友人の本によると、12歳の時に原因不明の症状で死にかけたが、なぜか回復したのだという。

神様が世界に与えた猶予期間もついに尽きた。