帰路を辿ると、ざーざー降りの春雨。
明日もつくばで早朝から仕事ナリ。
作りかけの資料に煮詰まり、パソコンを閉じて帰った。
昨日、仕事場の内示があった。山椒魚たる「私」は、山椒魚のまま。
しかし、社会に引き裂かれながら、配慮無き者たちに生活・環境が一変させられる、奴隷的コマとしていじられる仲間に痛みを禁じえない。
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雨が降ってきたから、あそこに行こうよ。
鳥やネコたちは、自然から教わった「感覚」というアンテナで、「森」に向かう。
植物と動物の融合。自然体。
夢の「森」で、良い夢や楽しい春待つ語らいが、聴こえることを祈っている。
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大好きだった河合隼雄さんの笑顔。
トンボ帰りだったが、尼崎まで。
かつて一緒に仕事をしていた、生まれも育ちも岸和田の、巨体で明るいS先輩との同行には、ひさびさに我に帰った。
一緒に朝のコーヒーを飲んで語らった時間は、実に短いものだったが、大好きな関西のヒトの柔軟性に富み・「要はこうやろ?」と表層では無い核心をズバッと見抜く感性豊かな語らいに安堵した。
呼吸する場所を得た、とでもいうのか。。。
形式だらけで、中身のない都市東京の暗黒面。
広告代理店が意図的に創った表層フレームの中で、だまされる人々。
雑誌を頼りに、らーめん屋に行列をする人々。そんな姿。
「バレエ・メカニック(坂本龍一)」として、翻弄され・舞踏病者として踊り続ける宿命。
河合隼雄さんの語り口や文章や対談には、未だに宝がたんまり埋まっている。
かつて、精神分裂や絡まってしまった自我についても、硬直化しがちなじぶんの心に響くものが多々あった。
「・・・多様な中の統一というか、そういうことは誰でも言うんです。
でもいくら早いこと統一しようと思っても、多様はなくならんですよ。
そこのところで、西洋人は多様をインテグレート(注釈:統一・統合)することを考える。
われわれ日本人はハーモニーだと思うてる。
インテグレートはされなくても、ハーモニーがある。
違うんちゃうかと。・・・」
■Ambitious Lovers 「It's Gonna Rain」1991.1■