Blog: Sato Site on the Web Side

「幻滅のたびに甦る期待はすべて、未来論の一章を示唆する。」(Novalis)

ヤマタツとサザン

2005年11月23日 | Weblog
の新譜を借りて聴いてみた。

「夏が似合う」という点では共通するかも知れないけれど、だからといって並べて聴かない二組、だとは思う。でも、七十年代末頃にデビューという点では(ヤマタツはもうちょっと前か)近いところもあるわけで、、、そんないまでも元気な「オジサンのロック」の聞き比べ。

で、これが圧倒的に山下達郎がいいんですよ。まず、音が圧倒的にいい。澄み切っていてシャープ。冬の空気すって感じる心地というか、、。『ボクの中の少年』が出た時だったか、このひとがデジタル機材とどう付き合うのか、という課題にある時点から果敢に取り組んでいたのを思いだす。そういうトライアルの結果としてこの音があるのだな。徹底的にアコースティックな音の粒だちが素晴らしい。でも、それはアナログセンスをデジタル機材のなかでどう成立させるのかという試行錯誤がなければこんな風に「鳴ら」ないのだろう。この音は「フレッシュ」だ「若い」。明らかにぼくのipodに入っている音のどれよりも若い。どこまでも抑揚の細部までがすべて「料理人の技」としてデリケートに聴いていける。そうそう、新鮮なネタで握られたスシ。

キンキキッズにあげた曲だったか『KISSからはじまるミステリー』すごい、いい。

それに比べると、サザンは「ブルース」にこだわることでオジサンになった自分をロックに駆り立てようとしているように見える。「ルーツ」へ。でも、それは基本的には自分たちの再生産をルーツに託しているような感じで、新鮮さはない。いままでやって来たことを肯定することに集中している姿勢に取れる。

ということで、いまのヘヴィー・ローテはヤマタツ『ソノリテ』なのだ。