手技療法の寺子屋

手技療法の体系化を夢みる、くつぬぎ手技治療院院長のブログ

ひとりでできる!!ステップ式筋膜リリース練習法 その6

2013-05-04 20:00:00 | 学生さん・研修中の方のために
☆ クロスハンドテクニック(= cross hand technique)
さて、いよいよクロスハンドテクニックの練習です。

この技法は筋膜リリースで、たいへんよく用いられるポピュラーなものです。

前回までのノンクロスハンドテクニックで練習した身体の使い方ができれば、決して難しくありません。

ここまで来たら、「押さえる」と「伸ばす」を分けずにいきましょう。



クロスハンドテクニックは、両手を交差させて力を加え、組織をリリースさせる技法です。

基本的にはノンクロスハンドテクニックのときの、肘を曲げてコンタクトしたかたちと同じなのですが、肘を外に向けて張り出してコンタクトします。
                        


指先の方向はノンクロスハンドテクニックの縦から、横方向に向きが変わっています。

そして、反対の手を交差させて同様のかたちをつくります。

どちらの手を前に出すかは好みですから、自分の取りやすい方法で行ってください。

これでテクニックを行う準備ができました。



つづいて膝を曲げ、腰を床方向に落としていきます。


このとき、肩と肘の角度ができるだけ変わらないように注意してください。

そうすることで、身体の力が両手に伝わり、外方に向けて伸ばす力が加わり出します(赤矢印)。




腕の力でむりやり「押し広げる」のではなく、身体の操作によって「押し広がっていく」ようにすることがポイントです。

力を「加える」のではなく、力が「加わる」ようにするわけですね。

これによって次のステップ3で学ぶ、リリースの感覚を体感しやすくなります。
  


押し広がっていく感覚をつかむことができたら、今度は肘の角度を変えて練習します。

肘を曲げる角度を浅くして、ベッドに対する前腕の角度が鈍角になれば、押さえる方向への刺激の配分が多くなります(上図緑矢印)。

反対に、肘を曲げる角度を深くして、ベッドに対する角度を鋭角にすれば、伸ばす方向への刺激の配分が多くなります(上図赤矢印)。

ノンクロスハンドテクニックのときと同じですね。



繰り返し練習する中で、手の下で力の方向が変化していく様子を、よく感じ取ってください。

こうして、上手く身体を操作して必要な刺激を加えられるようになったら、いよいよ次は基本ステップの最終段階、変化を感じとる、リリースの感覚を覚える練習に入ります。