ノンクロスハンドテクニック、つづいて伸ばす練習に入ります。
≪伸ばす≫
「押さえる」では手根部を使い、膝を曲げて腰を落とす力でベッドを押さえたわけですが、「伸ばす」で はその状態を保ったまま腰を後ろに引いていきます。
このとき重心が後ろに移動してしまい、「押さえる」力が緩んでしまわないよう注意しましょう。
緩まないようにすることが難しいなら、前脚を少しだけ浮かしてみてください。
これで手の力は緩まないはずです。
この感覚をつかんだら、前脚を軽く床に着けておきましょう。
腰を後ろに引くにしたがい、手には前方へ動かそうとする力が徐々に加わっていきます。
このように、力を「加える」のではなく力が「加わる」、「伸ばす」のではなく勝手に「伸びていく」ように操作するのがポイントです。
腰が後方へ移動するにともなって膝も曲げ、腰を後下方に落としていきましょう。
ベッドに対する前腕の角度が、鈍角から鋭角になるほど、圧迫する力が弱まり、前方に伸ばす力が強まります。
使い分け方としては、深層の筋筋膜をリリースしようとするとき、もしくは筋緊張が強い場合は鈍角に力を加え、圧迫する方向への刺激の配分を多くします(緑矢印)。
浅層の筋筋膜をリリースしようとするとき、もしくは癒着や線維化をのぞく場合は鋭角に力を加え、伸ばす方向への刺激の配分を多くするとよいでしょう(赤矢印)。
私の経験では、深層に癒着や線維化が存在する場合は、肘など強い部位を用いてリリースすると、セラピストの身体的な負担も少なくなります。
腰を引いていって手根部がすべり出しそうになったら、再び元の位置まで戻ります。
徐々に前方へ伸ばす力が減っていき、押さえる力が増えてくる感じがつかめるはずです。
この往復を何度も繰り返し、力まずに方向をコントロールしながら、刺激を加えることを学んでください。
くれぐれも三角筋などの力に頼って、腕を前に押し出そうとしないように注意して下さいね。
慣れてきたら、腰を入れる(骨盤を前傾させる)、後ろ脚で床を蹴るなどして、さまざまな力を加えていく方法も練習するとよいでしょう。
ここまでできれば、次は肘を曲げた状態で練習しましょう。
手の触れ方、肩の位置、背中の状態など、身体の使い方はこれまでと何も変わりません。
注意点として、リリースする力を加える時も、肘の力はあくまで曲げた角度を保つ程度にするということです。
肘を伸ばそうとすると、腕に不必要な力みが生じ、シリーズのはじめにお話しした3つの問題が起こりやすくなるからです。
肘を曲げながらリリースするという、コンパクトな身体の使い方ができるようになれば、臨床でもさまざまな局面で筋膜リリースを用いることができます。
私はASTRのフックも、今回ご紹介した力の加え方で行うようにしています。
続くクロスハンドテクニックも、ここまで練習した形がそのまま生きてきますよ。
≪伸ばす≫
「押さえる」では手根部を使い、膝を曲げて腰を落とす力でベッドを押さえたわけですが、「伸ばす」で はその状態を保ったまま腰を後ろに引いていきます。
このとき重心が後ろに移動してしまい、「押さえる」力が緩んでしまわないよう注意しましょう。
緩まないようにすることが難しいなら、前脚を少しだけ浮かしてみてください。
これで手の力は緩まないはずです。
この感覚をつかんだら、前脚を軽く床に着けておきましょう。
腰を後ろに引くにしたがい、手には前方へ動かそうとする力が徐々に加わっていきます。
このように、力を「加える」のではなく力が「加わる」、「伸ばす」のではなく勝手に「伸びていく」ように操作するのがポイントです。
腰が後方へ移動するにともなって膝も曲げ、腰を後下方に落としていきましょう。
ベッドに対する前腕の角度が、鈍角から鋭角になるほど、圧迫する力が弱まり、前方に伸ばす力が強まります。
使い分け方としては、深層の筋筋膜をリリースしようとするとき、もしくは筋緊張が強い場合は鈍角に力を加え、圧迫する方向への刺激の配分を多くします(緑矢印)。
浅層の筋筋膜をリリースしようとするとき、もしくは癒着や線維化をのぞく場合は鋭角に力を加え、伸ばす方向への刺激の配分を多くするとよいでしょう(赤矢印)。
私の経験では、深層に癒着や線維化が存在する場合は、肘など強い部位を用いてリリースすると、セラピストの身体的な負担も少なくなります。
腰を引いていって手根部がすべり出しそうになったら、再び元の位置まで戻ります。
徐々に前方へ伸ばす力が減っていき、押さえる力が増えてくる感じがつかめるはずです。
この往復を何度も繰り返し、力まずに方向をコントロールしながら、刺激を加えることを学んでください。
くれぐれも三角筋などの力に頼って、腕を前に押し出そうとしないように注意して下さいね。
慣れてきたら、腰を入れる(骨盤を前傾させる)、後ろ脚で床を蹴るなどして、さまざまな力を加えていく方法も練習するとよいでしょう。
ここまでできれば、次は肘を曲げた状態で練習しましょう。
手の触れ方、肩の位置、背中の状態など、身体の使い方はこれまでと何も変わりません。
注意点として、リリースする力を加える時も、肘の力はあくまで曲げた角度を保つ程度にするということです。
肘を伸ばそうとすると、腕に不必要な力みが生じ、シリーズのはじめにお話しした3つの問題が起こりやすくなるからです。
肘を曲げながらリリースするという、コンパクトな身体の使い方ができるようになれば、臨床でもさまざまな局面で筋膜リリースを用いることができます。
私はASTRのフックも、今回ご紹介した力の加え方で行うようにしています。
続くクロスハンドテクニックも、ここまで練習した形がそのまま生きてきますよ。