関節あそび検査や、その延長上にある関節モビライゼーションは通常、直接法で行われます。
マッサージやストレッチ、筋筋膜リリースやASTRも、ほぼ直接法で行われます。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/body_stretch.gif)
これに対して、間接法という方法があります。
これまで 「ひとりでできる!!」 シリーズでは、直接法の練習が中心でした。
今回は間接法の練習法を、筋筋膜リリースを用いてご紹介したいと思います。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/rabi_smile.gif)
はじめに、直接法と間接法の違いについて少しお話ししましょう。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/rabi_right.gif)
「直接法(direct technique)」とは、かたい方向、抵抗の強い方向、制限のある方向、動かしにくい方向に動かしていく治療手技です。
かたく縮んで制限を起こした組織を、直接伸ばしていくというものです。
縮んだ組織を伸ばすわけですから、刺激を加えるときも抵抗を感じます。
反対に、やわからい方向、抵抗が弱い方向、制限のない方向、動かしやすい方向に動かしていく方法が「間接法(indirect technique)」です。
かたく縮んだ組織をさらに縮ませて組織をリラックスさせ、それによって間接的に組織の伸張性を回復させるというものです。
縮んだ組織をさらに縮ませるわけなので、刺激を加えるときも抵抗はあまり感じません。
そのため間接法は、直接法に比べて刺激がたいへん緩やかで、組織にかける負担もより少ないのが特徴です。
ちょっとシンプルに書きすぎたかもしれませんが、実施する上ではこのように捉えておくほうがわかりやすいと思います。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/rabi_shy.gif)
直接法・間接法のいずれも、関節モビライゼーションなど関節面に沿った刺激を加える方法にも、筋筋膜リリースなど筋筋膜に対して刺激を加える方法にも用いることができます。
直接法と間接法の特徴をもう少し付け加えますと、組織にストレスを加えた後の、二次的な反応としてリラックスさせるのが直接法です。
これに対して、組織にストレスをかけることなく、一次的な反応としてリラックスさせるのが間接法といえます。
または、「関節機能障害の表記について」でもご紹介した、変位(病変)という考え方を用いると、関節機能障害によって生じた変位(病変)から、より正常とされる方向に戻すように刺激を加えるのが直接法です。
変位(病変)をさらに誇張・強調する、変位している方向に動かす方法が間接法となります。
作用機序の比較としては、直接法が機械的な刺激によって短縮した組織を直接伸ばす、あるいは、神経系の抑制(たとえばⅠb抑制)により組織を弛緩させ、伸張性・可動性を回復させます。
これに対し間接法は、固有受容器や中枢など神経系の抑制(たとえば伸張反射の抑制)により組織を弛緩させると考えられています。
なかには直接法が熱力学モデル、間接法が流体モデルに則っていると解説しているものもあった記憶があります。
こうなると私はお手上げです。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/abanzai.gif)
いくつか並べましたが、何となくイメージできたでしょうか。
ところで、先ほどお話した『変位している方向に動かす』ということを聞くと、「変位を強めることになるなら、状態はより悪化するのではないの?
」と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
はじめは私もそのように感じたのですが、実際に学んでみるとそうとは限らないということがわかります。
もちろん、例えば頸椎5番が左に側屈変位していて、明らかに神経根を圧迫しているようなサインがみられるとき、変位している方向に動かすことはよくありません。
このような器質的変化の影響による症状なら禁忌ですが、筋肉が伸び縮みしないなどの機能的な変化なら、間接法は組織に無理をかけることがほとんどありません。
ですから、組織がどのような反応を示すのか、よく観察しながら用いる必要はあります。
次回は、間接法はどのようなときに使えるのかをお話したいと思います。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/rabi_smile.gif)
寺子屋DVD発売のご案内![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/star.gif)
手技療法の寺子屋でご紹介しているような手技療法の基本が、医療情報研究所さんよりDVDとして発売されました。
私が大切にしていることを、出来る限りお伝えさせていただきました。
どうぞよろしくお願い致します。
医療情報研究所
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/70/b6c45918cc102cbfe2beae5ef128119d.jpg)
☆ブログの目次(PDF)を作りました 2014.01.03☆)![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/star.gif)
手技療法の寺子屋ブログを始めてから今月でまる6年になり、おかげさまで記事も300を越えました。
これだけの量になると、全体をみたり記事を探すのも手間がかかるかもしれません。
そこで、少しでもタイトルを調べやすくできるように、このお休みを使って目次を作ってみました。
手技療法を学ばれている方、興味を持たれている方にご活用いただき、お役に立てれば幸いです。
手技療法の寺子屋ブログ「目次」
マッサージやストレッチ、筋筋膜リリースやASTRも、ほぼ直接法で行われます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/body_stretch.gif)
これに対して、間接法という方法があります。
これまで 「ひとりでできる!!」 シリーズでは、直接法の練習が中心でした。
今回は間接法の練習法を、筋筋膜リリースを用いてご紹介したいと思います。
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はじめに、直接法と間接法の違いについて少しお話ししましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/rabi_right.gif)
「直接法(direct technique)」とは、かたい方向、抵抗の強い方向、制限のある方向、動かしにくい方向に動かしていく治療手技です。
かたく縮んで制限を起こした組織を、直接伸ばしていくというものです。
縮んだ組織を伸ばすわけですから、刺激を加えるときも抵抗を感じます。
反対に、やわからい方向、抵抗が弱い方向、制限のない方向、動かしやすい方向に動かしていく方法が「間接法(indirect technique)」です。
かたく縮んだ組織をさらに縮ませて組織をリラックスさせ、それによって間接的に組織の伸張性を回復させるというものです。
縮んだ組織をさらに縮ませるわけなので、刺激を加えるときも抵抗はあまり感じません。
そのため間接法は、直接法に比べて刺激がたいへん緩やかで、組織にかける負担もより少ないのが特徴です。
ちょっとシンプルに書きすぎたかもしれませんが、実施する上ではこのように捉えておくほうがわかりやすいと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/rabi_shy.gif)
直接法・間接法のいずれも、関節モビライゼーションなど関節面に沿った刺激を加える方法にも、筋筋膜リリースなど筋筋膜に対して刺激を加える方法にも用いることができます。
直接法と間接法の特徴をもう少し付け加えますと、組織にストレスを加えた後の、二次的な反応としてリラックスさせるのが直接法です。
これに対して、組織にストレスをかけることなく、一次的な反応としてリラックスさせるのが間接法といえます。
または、「関節機能障害の表記について」でもご紹介した、変位(病変)という考え方を用いると、関節機能障害によって生じた変位(病変)から、より正常とされる方向に戻すように刺激を加えるのが直接法です。
変位(病変)をさらに誇張・強調する、変位している方向に動かす方法が間接法となります。
作用機序の比較としては、直接法が機械的な刺激によって短縮した組織を直接伸ばす、あるいは、神経系の抑制(たとえばⅠb抑制)により組織を弛緩させ、伸張性・可動性を回復させます。
これに対し間接法は、固有受容器や中枢など神経系の抑制(たとえば伸張反射の抑制)により組織を弛緩させると考えられています。
なかには直接法が熱力学モデル、間接法が流体モデルに則っていると解説しているものもあった記憶があります。
こうなると私はお手上げです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/abanzai.gif)
いくつか並べましたが、何となくイメージできたでしょうか。
ところで、先ほどお話した『変位している方向に動かす』ということを聞くと、「変位を強めることになるなら、状態はより悪化するのではないの?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_maji.gif)
はじめは私もそのように感じたのですが、実際に学んでみるとそうとは限らないということがわかります。
もちろん、例えば頸椎5番が左に側屈変位していて、明らかに神経根を圧迫しているようなサインがみられるとき、変位している方向に動かすことはよくありません。
このような器質的変化の影響による症状なら禁忌ですが、筋肉が伸び縮みしないなどの機能的な変化なら、間接法は組織に無理をかけることがほとんどありません。
ですから、組織がどのような反応を示すのか、よく観察しながら用いる必要はあります。
次回は、間接法はどのようなときに使えるのかをお話したいと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/rabi_smile.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/star.gif)
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私が大切にしていることを、出来る限りお伝えさせていただきました。
どうぞよろしくお願い致します。
医療情報研究所
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これだけの量になると、全体をみたり記事を探すのも手間がかかるかもしれません。
そこで、少しでもタイトルを調べやすくできるように、このお休みを使って目次を作ってみました。
手技療法を学ばれている方、興味を持たれている方にご活用いただき、お役に立てれば幸いです。
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