手技療法の寺子屋

手技療法の体系化を夢みる、くつぬぎ手技治療院院長のブログ

ASTRは痛いもの?

2008-11-15 19:17:23 | ASTRについて
最近、「ASTRって痛い治療法ですよね」なんてことを時々聞かれます。


そんな時、私は「マッサージやストレッチは痛いものだと思いますか?」とたずねています。


「ウ~ン、痛くする人もいますけど痛くないようにもできるし、やり方しだいですよね


「ASTRも同じでやり方しだいなんですよ


「そうかぁ、考えてみたらそのとおりですね






ASTRにせよ、マッサージにせよ、ストレッチにせよ、道具であり手段の一つです


道具は使い方によって毒にも薬にもなるわけですね。

なぜ、このようなイメージを与えてしまっているのか考えてみました






ASTRの特徴のひとつは、ピントのしぼった細かいストレッチが出来るということです。


それによって、従来の方法ならリリースの難しかった局所的な線維化や瘢痕へのアプローチも可能になりました


ところが、線維化を起こした部分への治療というのは多かれ少なかれ痛みを伴うものです


だからASTRは痛い手技だという誤解を生むことにもなったのだろうと思います。






それから、もうひとつの理由は私たちの責任でもあります。


セミナーでは、「まずしっかりASTRをかけてみてください」とお話ししているからです。


ASTRはピントのしぼった刺激を送ることができるため、局所に大きな力がかかりやすいです。


セミナーで練習する時は、しっかりASTRをかけるとその力がどのくらいのものかよく体験しておく必要があります(セミナーならお互い恨みっこなしですから)。


知らないで患者さんに、負担をかけるようなことをするわけにはいきませんので。






また、はじめのうちは大きなフォームで練習する必要があります。これはスポーツなどでも同じですね。はじめからコンパクトな動きの練習はしません。


大きなフォームでしっかり練習してコントロールが不十分だと、どうしても痛い刺激が入りやすくなります。


そのため、セミナー参加者の方にとってはASTRとの初めての出会いが「痛い」ところからスタートするので、そのような印象を持ちやすいのかもしれません。


大切なことはフックした部分がきちんとストレッチできていることなので、痛いかどうかなのではないですよ






ただ、どうしても通常のストレッチやマッサージではリリースしにくいガンコな制限にASTRは使いやすいので、痛みを伴うことが多いというのも事実なんですが…


そうなると、「コリャ痛い治療法だ」といわれても仕方ありません。


このあたりは私も複雑な気持ちになるところです