手技療法の寺子屋

手技療法の体系化を夢みる、くつぬぎ手技治療院院長のブログ

フックの角度

2008-08-16 19:52:16 | ASTRについて
ASTRでは、フックの角度によってその強さを調節します。


組織に対して鋭角にフックすると強いASTRがかかり、鈍角では弱くかかるという具合に。

(このあたりはテキストを参照してください





角度調節の判断はそれ以外に、組織中の制限がどの位置にあるかによっても変わってきます





制限が浅い位置にある場合は、鋭角のフックを用います


        ≪オレンジ色が制限です≫


例えば、皮膚や皮下組織に残った瘢痕をとる場合などはこれがよいでしょう。








制限が深い位置にある場合は、鈍角のフックを用います




深層にある筋は、こちらで行う必要があるかもしれません。








理屈でいうとこうなるのですが、実際の臨床では瘢痕を取るから鋭角のフック、深部だから鈍角なフックと、はじめからパターン化したものを当てはめているわけではありません。


あらかじめ必要な評価を行ってから、触診して制限をみつけたときに、頭側か尾側か、外側か内側か、鋭角か鈍角かなど、どの方向に最も動かないのか調べます。

そのうえで、この手ごたえを与えている組織は何なのか? どういう状態なのか? というように、知識や経験に照らし合わせます



そして手技療法を適用してもよいか最終的な判断をしてから、触診によって導かれた方向に向かってフックをかけASTRを行う、というふうに私は使っています。






触診の大切さについてはくり返し述べてきましたが、こういうところでも生きてくるわけですね