対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
全くの初級者がどう成長していくか、見守ってください。

新刊棋書情報「ひと目の定石」

2009-08-26 22:05:23 | 棋書
私は「定石問題集」なるものを全くの不要と思っているので
MYCOMから「ひと目の定石」が出ると聞いて、内心
「趙先生も(人気シリーズだからって)やっちゃったな
と思っていた。

ところが今日、実物を手にとって見ると
「思ったより悪くない」。
構成は朴道純。

この手の問題集は、
定石の途中図を掲載して
次にどう打つのが正しいでしょう
というような問題をズラッと並べたものが多い。

で、正解として定石の手順がただ示されるといった塩梅。
こういう本は得てして読んでも、
さっぱり定石が身につかない(私だけ?)。

本書も一部の形式は同様なのだが、
序章で「定石が定石たる成り立ち」をまず示し、
その考え方に基づいて、
問題を通して「1手1手の意味を理解する」ことに
主眼がおかれていることに好感をもった。
そのため取り上げた定石は
星20種、小目30種の基本定石と少な目。

また第3章・第6章「定石選択」で、
例え定石でも正しい局面で使うことの大事さを説き、
さらに第7章「未完成の定石を探せ」で、
定石を最後まできちんと打つことの大切さを解説している。
決して「未完成=発展途上の最新定石」の意味ではないので注意。

さすがに有段以上には物足りないとは思うが、
「そろそろ定石のいくつかを身につけよう」
なんて考えている級位者には選択肢の一つとしてアリだと思う。
またキチンと理解すればここに掲載された定石だけで、
十二分に入段も狙える。

「腐ってもひと目」といったところか。
御見それしました。