東アジア歴史文化研究会

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『馬渕睦夫が読み解く2021年世界の真実』馬渕睦夫著(ワック)トランプと習近平そしてディープ・ステート(国際金融資本)との三つ巴による仁義なき10年戦争が始まった

2020-09-11 | 国際情勢

馬渕大使の持論でもある近未来の世界地図は「トランプvs習近平vsディープステーツ」の三つ巴合戦、この仁義なき戦いは十年にわたるだろう、という基本的概念の元に詳細なシナリオが演繹される。

なかでも契約社会という日本人にはなじみの薄かった生き方の基本的差違、これがじつは日本人の世界解釈を往々にして間違えさせる。

例として馬渕氏は緊急事態宣言とコロナ災禍をあげる。

現行憲法には非常事態宣言がないので、特措法をこしらえ、そのなかに緊急事態への対応を盛り込んだ。

強制力をもたないけれども外出自粛、営業自粛を「要請」出来るスキームで対応した。欧米社会では契約社会だから、罰金、罰則が強制される。ところが日本では「要請だけで都市封鎖が実現できた。これは世界では考えられないことです」。

なぜなら「日本は信用で成り立っている国であり、(ユダヤ的発想の)契約書など要りません」(123p)。

聖書を読むと分かるが、神との契約で人々が存在していることになっている。

さて本書ではディープステーツ論を越えて、中国の侵略主義に関する考察がある。なかでもコロナ災禍の隙をついて中国軍が尖閣諸島に上陸するというシナリオである。

『中国軍が尖閣に上陸したら自衛隊はどこまで反撃する意思があるのでしょうか』とする問いかけは、国家の在り方、国民の国防意識、現行法制かにおける指揮系統など、様々な問題がからむのだが、国連で解決できることはない。

馬渕大使はこう予測する。

「中国は話し合いに応じないし、国連安保理事会では拒否権を行使するだろうから、国連は「日中間で解決してくれという態度しか取りえない」。

つまり「尖閣諸島に上陸して居座ったら勝ち」と中国は知っているし、少なくともそうなれば『中国が実効支配している』と世界は見るわけです。中国軍を上陸させたら一巻の終わりなのです」(159p)

「保守の保守たる所以はサイレント・マジョリティの声なき声を代弁する感性です」

トランプにはこの感性があるが、日本の政治家にはない。

ところでディープステーツはトランプ再選阻止では中国と協力的だが、長期的スパンでみると、ソ連を作り用済みなるや潰したように、かれらは中国共産党支配を構築したが、すでに用済みなので、つぶす工作を始めるだろうとする。

暗鬱なシナリオは、最期に希望に満ちた予測に変わっている。

 

著者:馬渕睦夫(まぶち・むつお) 元駐ウクライナ兼モルドバ大使、元防衛大学校教授、前吉備国際大学客員教授。1946年京都府生まれ。京都大学法学部3年在学中に外務公務員採用上級試験に合格し、1968年外務省入省。1971年研修先のイギリス・ケンブリッジ大学経済学部卒業。2000年駐キューバ大使、2005年駐ウクライナ兼モルドバ大使を経て、2008年11月外務省退官。同年防衛大学校教授に就任し、2011年3月定年退職。2014年4月より2018年3月まで吉備国際大学客員教授。著書に、 『国難の正体』(総和社、新装版はビジネス社)、 『「反日中韓を操るのはじつは同盟国・アメリカだった!』『馬渕陸夫が読み解く2019年世界の真実──いま世界の秩序が大変動する 』『馬渕陸夫が読み解く2020年世界の真実 』(以上、ワック)、『国際ニュースの読み方 』(マガジンハウス)などがある。


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