日本の新政権の要に親中派の親玉が陣取っている。
米国の有力なシンクタンクCIISが最新報告書で、親中ラインと規定したほど、ワシントンでも「ニカイ+イマイ」が「注目の的」になっている。
与党の連立相手の政党はと言えば、親中ラインに輪を掛けて北京にべたべたと媚びる連中ばっかり。財界を見渡せば、中国とうまくやっていけば、まだまだ稼げるという拝金主義の手合いが目立ち、こうなると、同盟国アメリカと日本とのデカップリングたるや、米中のデカップリングどころのレベルじゃないのでは?
しかし冷静に世界を見渡せば、どう見ても西側世界はアンチ・チャイナに傾きつつあり、EUもギリシア、伊太利亜、ドイツなどを除くと、ぞろり親中路線を捨てつつある。
象徴的な出来事がビストルエル(チェコ上院議長)ら90名のチェコ使節団が台湾を訪問し、台湾は大歓迎、猛反発した北京は王毅外相が『チェコは一線を越えた』と恐喝的言辞を吐いて報復を示唆した。
これまで西側ではパンダハガー達が中国との連携を強め、いろいろな工作(つまり悪事)を働いてきたが、その手口も殆どばれてしまった。世界でいま始まっているのは親中派狩りである、と黄文雄氏は力説するのだ。
しかし西側で日本だけが例外である。
スパイ防止法は、人権に悖るなどと野党とリベラル新聞が騒ぐため、なかなか制定へ漕ぎ着けられない。
5年前に起きた李春光事件を思い出す、と黄文雄氏はいう。
中国大使館一等書記官だった李春光は不正に取得した身分証明やら、虚偽申告の銀行口座を持ち、ウィーン条約で禁止されているスパイ活動を展開した。彼は『人民解放軍の諜報部に在籍した過去があり、しかも松下政経塾に入り込むことにも成功し』、当時の農水有力議員に接触、多くの機密文書が漏洩した。
結局、日本にはこのスパイを拘束する法が未整備のため、李春光は堂々と中国へ帰国してしまった。
本書を読むと、なるほど日本はスパイ天国と言われる所以が120%呑み込める。
黄文雄氏 1938 年、台湾生まれ。1964 年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。1994 年、巫永福文明評論賞、台湾ペンクラブ賞受賞。日本、中国、韓国など東アジア情勢を文明史の視点から分析し、高く評価されている。 著書に17 万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』の他、『黄文雄の近現代史集中講座』シリーズ、『韓国人に教えたい日本と韓国の本当の歴史』『世界から絶賛される日本人』『世界はなぜ最後には中国・韓国に呆れ日本に憧れるのか』『世界を変えた日本と台湾の絆』『中国の正体 知ってはいけない「歴史大国」最大のタブー』『新型肺炎 感染爆発と中国の真実』(以上、徳間書店)、『もしもの近現代史』(扶桑社)など多数。
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