東アジア歴史文化研究会

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暴力騒ぎはしばし鎮火気味の香港だが、混乱、混沌は来春まで続くだろう 林鄭月娥・長官の訪中。習近平の面談に郭声琨(公安担当)も出席していた(宮崎正弘国際ニュース早読み)

2019-12-18 | 中国の歴史・中国情勢
中国の国内ニュースのトップは自前の空母「山東」の披露。艦載機40,東シナ海を遊弋する映像が大きく報じられた。四席目の空母は計画だけで終わり、建造されないというニュースは報じられなかった。

さて香港である。戦い済んで日が暮れた、その後、何が起きているか?

旅客激減は指摘するまでもないが、前年比43・7%の激減ぶりで、331万人。観光名所ウォーターフロントの売り上げは70%減退、繁華街チムサーチョイ湾岸の観光名所やオペラ座、文化会館などは閉館が続いていた。

香港の旗艦キャリアともいえるキャセィ・パシフィック航空が12月16日に発表した数字では旅客9%減。営業利益は10月が38%減、11月は46%減だった。中国便はともかく、米国や日本への旅客が顕著に減少している。

皮肉にも、こういうタイミングでマカオのモノレールが完成した。11駅を結ぶモノレールには12億ドルが投じられ、離れ島タイパのリゾート地から旧市内のカジノホテルとを結ぶ。一日二万人の乗客を見込むというが、香港と繋がった海中トンネルの交通も、出入国管理が五月蝿く、それほどの客がないという。

一方で過激派のアジトから遠隔装置による爆弾、ピストルなど兵器が見つかったとして警察は容疑者を逮捕した。これは過激、暴力のエスカレートだとする警察の印象操作、情報操作だと香港市民の多くが疑い、実際に12月9日のデモには30万人が参加、また16日からはビクトリア公園で労働者が集結し、三日間のストライキを構えている。

今後の対応を協議するため林鄭月娥・香港行政長官は16日に北京へ飛んで、習近平と会談した。習は「香港警察を強く支持する」と発言した。

この会合には習近平のほか韓正・副首相(香港担当。政治局常務委員)楊潔チ国務委員らに加えて、郭声琨が出席していたことが判明した。郭声琨は公安を束ねる政治局員(トップ25に入る)である。チャイナウォッチャー達は、なぜ郭がこの会議に出席したのか、何かの前触れかと注目している。

ともかく香港大乱、後遺症はこれからの裁判。武闘派の先鋭化への対応など。来春まで混乱と混沌は渦巻くだろう。

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