認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症の発病と単調な「生活習慣」 Q/A Room(Aー58)

2012-09-06 | 脳を活性化する生活習慣を考える

Q:認知症の大多数90%以上を占めている「アルツハイマー型認知症」は、発症させる犯人をアセチルコリンとする説、アミロイドベータとする説、タウ蛋白とする説等の種々の学説が唱えられてきました。それらの学説は、「原因と因果関係」及び「発病のメカニズム」を説明できないまま、うたかたのように出ては消えるのを繰り返してきました。「アルツハイマー型認知症」は結局、認知症の専門家たちの間で「原因も分からないし、治すことも出来ない病気」とされて、なす術もなく(見つけるだけで、何等の治療や予防対策も行われないまま)放置されているのです。

他方で、脳をどのように使うのかと言う視点からの日々の生き方が発病や回復を左右する「生活習慣病」であるとする説が、次第に有力視されてきているようです。被災から1年半という僅かな期間しか経過していないにもかかわらず、東日本大震災の被災地に於ける異常な規模での「アルツハイマー型認知症」の発現しかも、高齢のお年寄りだけが対象となっているの報道等を見ていると、この説の正しさが疫学的に証明されているのかなとも思うのですが。(ここを「クリック」してください

       

A:      あれもこれも!

             ナイナイ尽くしで

                  出番が少ない脳は、老化を加速する。

撰者 藤原定価の講評)これまで「生活習慣」と言うと、世界的に、「身体の健康」と言う視点だけの側面が取り上げられてきました。日本でも、市町村の保健師さん達が中心となり、「食生活」や「運動」に配慮した健康な生活をテーマとして、「身体の健康」に焦点を合わせた指導をしてきた結果、世界に先駆けて「超高齢化社会」を作り上げることが出来たのです。誰でもが、80歳や90歳まで生きる「長寿社会」を実現できたのです。

 ところが「長寿社会」が実現された裏腹の現象として、人生60年と言われていた時代には問題とならなかった認知症の問題、中でも、認知症の大多数を占める「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄りの数がどんどん増え続けてきて、大きな「社会問題」となってきたのです。厚生労働省の見通しでは、この先さらに高齢化が全国的に進行していく中で、同時進行的に「アルツハイマー型認知症」を発病する「お年寄り」の数も増え続けて行くと予測されています。回復困難な末期段階の「重度認知症」(大ボケ)で見つけるだけで何の対策も打たないで(早期発見による「回復」も、「予防対策」もしないで)増え続けるままに放置していると、「介護保険制度」の維持さえ困難になってくる程の規模なのです。(ここを「クリック」してください

 誰でもが80歳や90歳まで生きるのが当たり前の長寿社会、第二の人生が20年も30年もある「超高齢化社会」では、「脳の健康」と言う視点、言い換えると脳の使い方と言う視点からの「生活習慣」が極めて重要なテーマとなるのです。世間で認知症の専門家と言われる人達から、「原因も分からないし、治すこともできない病気」と言われてきた「アルツハイマー型認知症」と言う病気は、脳の使い方としての「生活習慣」が「発病」を左右し且つ「回復」を左右する「生活習慣病」だからです。

       

 生き甲斐となるものもなく、楽しめる趣味もなく、熱中している遊びもなく、これといった交友もなく、身体を動かすことにも興味がなく、目標として掲げるものも何一つない、言わば「ナイナイ尽くしの」単調な生活そうした日々の生活振りが、どうやら第二の人生でのあなたの「生活習慣」のようですね。

 時間はたっぷりあるのにすることがない毎日、ただぼんやりと暮らすだけの「単調な生活」が日々繰り返されていて、そうした日々の脳の使い方が継続している生活だと言うのですね。そんな毎日を過ごしていたのでは、使われる機会が極端に少なくなった「前頭葉」(前頭前野のことを言うものとする。以下、同じ)が居眠りをして、「前頭葉」の「老化」が日々加速していくことになるのです。「高齢者」の皆さんが、日常生活面で体験していて分かり易い例で言えば、「脚」の筋肉の「廃用性萎縮」による機能低下、あれと同じことがの司令塔の「前頭葉」で起きてくるのです。

 ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続する中で、「前頭葉」が日々老化を加速させていって、廃用性の加速度的な機能低下(使われる機会が極端に少ないことによって、機能が異常なレベルに加速度的に衰えて行くことを起こしてくるその先にあなたを待っているのが、高齢者のあなたやあなたの周りの家族が一番恐れている、あの「アルツハイマー型認知症」という病気なのです。あなたの住んでいる市町村(或いは、住んでいる地域)の高齢化率が30%をすでに超えているなら、あなたの周りに、「アルツハイマー型認知症」のお年寄りの姿を日常的に見かけるようになっているはずです。「身体はもつのに、脳がもたない」、これが世界に先駆けて「超高齢化社会」を実現している我が国が抱える大きな「社会問題」なのです。

          

(kinukototadaoからの説明) 「アルツハイマー型認知症」(老年性アルツハイマー病とも言います)を発病する人達は、30代から50代までの若い年齢で発病する「若年性アルツハイマー病」とは、発病する年齢が全く異なるのです。「アルツハイマー型認知症」を発病する人達は、「第二の人生」に入っている人達、言い換えると高齢者だけが対象となるのです。(ここを「クリック」)。

 然も、「高齢者」と呼ばれる60歳代以降の年齢になってから、「アルツハイマー型認知症」を発病する人達の割合が、年齢が上がるにつれて、60代で12%、70代で30%、80代で50%、90代で75%と、どんどん増加していくのが特長なのです。但し、ここで言う、「アルツハイマー型認知症」を発病している人達とは、回復が容易な「軽度認知症」(小ボケ)のレベル、回復が可能な「中等度認知症」(中ボケ)のレベル、回復が困難な末期段階の「重度認知症」(大ボケ)のレベルの「全ての段階の人達」を合わせた人数による割合を言っていることに注意してください。

厚生労働省が総数300万人と発表しているのは、「重度認知症」(大ボケ)レベルの人達だけの数であることに注意が必要です。「小ボケ」と「中ボケ」とを合わせた数は、「大ボケ」の数(300万人)の4倍にもなるというのが、私達の集積したデータからの結論です。認知症の専門家である精神科医は、失語失行失認といった「大ボケ」の段階の「症状」が出てこないと「アルツハイマー型認知症」とは診断しません。「小ボケ」も「中ボケ」も共に「大ボケ」の予備軍であるにもかかわらず、「DSM-4」(失語失行失認等の症状を第二の要件と規定している)金科玉条とする誤ちを犯している為に、「小ボケ」は「不活発病」とされて放置され、「中ボケ」は「年のせい」として放置されているのです。私達のデータから推測すると、「小ボケ」と「中ボケ」とを合わせた数は、1200万人にもなるのです。

       

 認知症の大多数90%以上を占める「アルツハイマー型認知症」は、「身体がもつのに脳が持たない」こと及び「何年もかかって、脳の機能の衰えにリンクして、徐々に段階的に症状が進んでいく」ことが特徴なのです。何も対策を講じないまま放置していると、回復容易な「小ボケ」は「中ボケ」に、回復可能な「中ボケ」は「大ボケ」へと、徐々に段階が進んでいくのです。「大ボケ」の段階にまで脳の機能が衰えてしまったら、せっかく見つけても手遅れ、回復は困難になるのです。

「アルツハイマー型認知症」の各段階(小ボケ、中ボケ、大ボケ)で発現してくる個別の「症状」は、使われる機会が極端に少なくなった為に急速に衰えてきた(廃用性の加速度的な機能低下)「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル(各段階における脳の働き具合)のアウト・プットに過ぎないのです。アミロイド・ベータやタウ蛋白による神経線維の脱落が発病の原因ではないのです。「老人班」や「神経原線維変化」は、末期の段階の「重度認知症」のレベルを何年間も患ったままでいた為に生じてきた結果(副産物)であって、発病の原因ではないのです。認知症の専門家たち(研究者や精神科医)は、早くこのことに気づいて欲しいと願うのです。(ここを「クリック」してください)。

        

 「第二の人生」に入っているということは、高齢者と呼ばれる年齢になっているということなので、誰でも、「加齢による前頭葉の老化の問題」を抱えているのです(「第一の要件」)。「社会生活」がそれなりに送れていて、「前頭葉」の働きが正常なレベルにあっても、加齢によって「前頭葉」は機能の老化が進んで行っているのです(正常老化)。ところが、高齢者は誰でも「アルツハイマー型認知症」になるかと言うとそうではありません。70代のお年寄りの30%が「アルツハイマー型認知症」になるのに対して、80代のお年寄りの50%は「アルツハイマー型認知症」にならないで「社会生活」を送っているのです。

 「アルツハイマー型認知症」になるかならないか、その差はどこからくるのでしょうか。「脳の使い方」と言う視点からの日々の生活振り、「生活習慣」に大きな差異があるのです。「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄りは、カクシャク老人と呼ばれる人達の日々の生活振りとは対照的な生活振りを送っているのが特徴なのです。一言で言えば、「時間はたっぷりあるのに、することがない毎日」、ただボンヤリと暮らすだけの「単調な生活」を日々送っている(「第二の要件」)のが特徴なのです

「アルツハイマー型認知症」を発病するお年よりは、毎日の脳の使い方という「生活習慣」自体に問題があるのです。脳の使い方は、言い換えれば、脳全体の司令塔である「前頭葉」の使い方でもあるのです。「アルツハイマー型認知症」になるか、ならないか、その差は、毎日の「前頭葉の使い方の差」にあるのです。ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続が、脳全体の司令塔である「前頭葉」の機能の加速度的な老化の進行と機能の異常なレベルへの低下を惹き起こしてくるのです。ここを「クリック」)。

 注)本著作物(このブログA-58に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHPここをクリックしてください)

 脳機能からみた認知症の初期の見わけ方(IEでないとうまく表示されません)

 

      

 

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