&1「仮説」が幅を利かせていて、誤診が横行する医療現場
今日は、新元号発表の日。東日本大震災の発生から、8年の歳月が過ぎて、道路や箱モノの復興が華々しく取り上げられる中で、『アルツハイマー型認知症(以下、「AD型認知症」と略記する』の発病及び症状の重症化の進行というテーマは、どのマスコミのテーマにもならなかったのです。重大なテーマではないからという訳ではなくて、問題の存在についての認識が欠如しているせいなのです。世界中の認知症研究の権威ある専門機関(専門家)の無知による誤解が世の中を誤らせ、深く静かに潜行する形で、今もなお日毎に取り返しのつかない方向に向かって進んで行っているのです。
『AD型認知症』が記憶障害に起因して発病すると誤解した儘、「第二の人生」での脳の使い方としての「生活習慣」、自分なりに追求する特定のテーマが無く、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものが無い、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が真犯人であることも知らないで、権威だけで生きている誰かの話を鵜呑みにして、実際にはこの世に実在していない架空の病気である『若年性アルツハイマー型認知症』とか言う造語まで作り出されているのです。正しくは、側頭葉性健忘症(脳の変性が原因で起きるものであり、新しい記憶が入って行かないという極めて重度の記銘力障害に因る極めて重度の物忘れの症状を特徴とするものの、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が正常な機能レベルに在るのが特徴なのです)であることも知らないで、視聴率が高いせいなのか、何度も繰り返してテレビ放映されていたりするのです。『働き盛りの若い年齢で、AD型認知症を発病する人たちが増えてきている』等の見出しが躍っていたりするのです。
後述する発病のメカニズムから言うと、「AD型認知症」は、社会問題になる程の規模での発病という事態は、高齢化率が低い国では起きてこないのです。『超高齢(化)社会』を達成した社会(国)でしか発現することが無い認知症であり、現職で(肩書だけの場合を除く)仕事を続けているお年寄りは発病の対象とはならないで、第二の人生を送っている60歳を超える年齢のお年寄りだけが発病の対象となるという特徴を有するのです。そうした基本的なことも知らないで(気づかないで)、更に言うと、『前頭葉』機能という脳機能自体が備わっていなくて、異なった複数のテーマを同時に並行して処理する為に不可欠の機能である『注意の分配力』の機能が備わっていない『マウス』(アルツハイマー・マウスとて同じこと)のお尻を追い掛け回している程度の研究内容を基礎としてい乍ら、『アミロイドβが蓄積して生成される老人斑の持つ毒性が、情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死を惹き起こすことが原因で、「記憶障害」が惹き起こされ、そのことが原因で、『AD型認知症を発病することになる』等という奇妙な学説(アミロイドβ仮説と呼ばれる)を著書で取り上げたり、テレビに出てきて物知り顔に語る人達が多いのに驚かされるのです。『因果関係の存在の有無』に無関心で、支離滅裂な主張が幅を利かせている不可思議な状況に在るのです。『AD型認知症』について言うと、権威が有る人達や機関が言っていることこそが、誤っているのです。
&2「DSM-Ⅳ」の規定内容の重大な誤り及び「3つの仮説」の問題点
『AD型認知症』発病のメカ、早期発見と早期治療による「AD型認知症」の症状の回復、症状の進行の抑制及び介護の予防と適切な介護の在りかた、そして個人及び地域単位での『AD型認知症の発病の予防』の方法について、正しい情報を発信することが、私たち「二段階方式」の役割りなのです。システム化され、実務化され、マニュアル化された「二段階方式」と呼ばれる私たちのシステムの使用は、有償で/有期なのですが、(使用許諾契約の対象は、市町村の健康・保健・福祉課など、在宅介護支援センター、地域包括支援センターに限定されています)、このブログの中でも、その概要を逐次みなさんに公開していく予定なのです。勿論、関連する「脳機能データ」も逐次公開していく予定。
『AD型認知症は、発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ない』タイプの認知症であるとする世界中の認知症研究の専門家達の主張の内容が根本的に誤りであり、『AD型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」に過ぎず、早期診断と早期治療により治せるし、発病自体を予防することが出来るタイプの認知症である』ことを、世の中に広く浸透させて行きたいと考えるのです。
『AD型認知症』の発病原因については、米国精神医学会が策定した診断基準である『DSM-Ⅳ』並びに世界的に「通説」の地位にあるアミロイドβ仮説を筆頭に、タウ蛋白仮説及びアセチルコリン仮説という『3つの仮説』が提示されています。ところが、「DSM-Ⅳ」の規定内容は、「AD型認知症」の発病と診断する上で不可欠の条件として、第一要件では、『記憶障害』の確認を要求していて、第二要件では、失語、又は失認、若しくは失行(紛い)の症状の確認を要求しているのです。その結果、11の項目からなっていて、30点が満点である MMSEの得点が一桁になるまでに「前頭葉」機能を含む/脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させて来た発病患者だけにしか確認されることが無い『極めて重度の症状』の発現の確認を要求する結果となっているのです。
「DSM-Ⅳ」の規定はというと、その「第二要件」が「AD型認知症」発病の初期症状として挙げ、確認を要求しているのが「失語紛い」(器質的な原因病変は存在していないが、発病により日常の簡単な言葉のやり取りさえも困難なレベル)、「失認紛い」(器質的な原因病変は存在していないが、発病により歯ブラシ程度のものの認知さえも困難なレベル)、又は、「失行紛い」(器質的な原因病変は存在していないが、ズボンをはく程度のことさえも困難なレベル)という症状なのです。『第二の要件』の重大な誤り(問題点)は、私たち「二段階方式」の区分で言う末期の段階である『重度認知症(大ボケ)』の段階の更に後期になって初めて発現が確認される極めて重度の症状を発病の初期症状であると誤解していて、それらの症状の発現が確認されないと、「AD型認知症」の発病と診断してはならないと規定していること。脳の後半領域の機能である左脳及び右脳の機能レベルを判定することが出来る神経心理機能テストであるMMSEを基準に問題点を指摘すると、30点が満点であるMMSEの得点が一桁になって初めて発現してくる『極めて重度の症状』である失語や失認や失行(紛い)の症状の確認が発病と診断する為の不可欠の条件と規定していること。
私たち「二段階方式」が、本当の意味での早期の段階の症状であるとして提起している段階、「軽度認知症(小ボケ)」及び「中等度認知症(中ボケ)」の段階の存在に気が付かないで(見落としていて)、末期の段階である「重度認知症(大ボケ)」の更に後期になってからでないと発現が確認できない「極めて重度の症状」を発病の初期症状だと規定しているのです。その結果、『出来るだけ早期の段階で見つけて、治せる病気であれば治して見せる事が医師本来の役目、医療機関の社会的責任である筈』なのに、失語や失認や失行(紛い)と言う、極めて重度の症状の確認を基礎として発病とする診断が、まかり通ることになってしまった結果、発病のレッテルを貼るだけの役割に満足して、日常生活に介助や介護が不可欠となる末期の段階(「大ボケ」)のお年寄りを、徒に増産し続けているのが現状なのです。
『内容自体が重大な誤りである』この規定が、世界中の認知症研究の専門家達を迷路に迷い込ませ、早期診断による回復及び発病自体の予防という最も重要な「テーマ」を闇の中へと葬り去ってしまったのです。『3つの仮説』の全てが、「DSM-Ⅳ」が「第一要件」で確認を要求しているもの、『記憶の障害』に起因して『AD型認知症』の症状が発現してくるものと誤解し、『記憶の障害』を惹起する原因として、アミロイドβの蓄積という条件を想定したのがアミロイドβ仮説であり、タウ蛋白質の沈着という条件を想定したのがタウタンパク仮説であり、アセチルコリンの不足という条件を想定したのがアセチルコリン仮説なのです。それらのいずれもが、科学的な根拠をもっていない、単なる「憶測の類」に過ぎないのです。
『アミロイドβ仮説』という仮説を先頭に立って牽引して来た米国のハーバード大学及びMITが世界的に大きな影響力を持っていて、我が国では/東大/京大/理研(MIT研=利根川進)が追随し、我が国での牙城を形成し、国内に多大の『悪影響を及ぼしている』状況に在るのです(我が国では、猫も杓子も「アミロイドβ仮説」なのです)。その一方では、アミロイドβ仮説の考えに基づいて、我が国だけでなくて、世界中の巨大な規模の製薬会社が挑戦した「AD型認知症」の治療薬の開発が、悉く失敗に終わった状況に在るのです。そのため、発病してからでは、薬が効かないので(治療の効能を有する薬の開発がことごとく失敗に終わった、即ち、一旦発病してしまってからでは、治療することが極めて困難な事という認識に到達した)、『アミロイドβ仮説が正しいものとする大前提は変更せずに、維持した』儘で、『発病を予防するというテーマを今後は追及して行く(方法論としては、「アミロイドβ」が僅かでも脳内に蓄積が検出される出来るだけ早期に、アミロイドβを脳内から除去する方法を開発していく)』という考え、治療の方法を追求することを断念して、発病の予防へと方針を大転換いていて来ているのです。治療から予防へ。『聞こえだけは良いのですが、中身が全くのこと無い』のです。昨年の後半になって始まり、3年間を目途に実行していくテーマだというのですが、『3年先になって得られる結論』を私たちが今日、明確に指摘しておきたいと、老婆心ながら思うのです。そんなところを掘っても、何も出て来はしないのです。その理由はというと、『そもそも、アミロイドβの蓄積と「AD型認知症」の発病との間には、因果関係自体が存在していないから』なのです。
此処で核心的な問題点を指摘しておくと、『そもそも、「記憶障害」自体が、「前頭葉」機能の機能障害に起因して惹起されて来るもの』なのです。
「AD型認知症」は、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因して『前頭葉』機能の/廃用性の/加速度的で/異常な/機能低下が進行して行き、『前頭葉機能が異常な機能レベルに衰えてきたことの直接の反映』としての症状(私たち「二段階方式」の区分で言う「軽度認知症(小ボケ)」の段階の症状であり、「前頭葉機能」の機能障害に起因した症状だけが、発現して来る段階なのです(「AD型認知症」の発病としての初期段階の症状という訳なのです)。『脳の働きと言う物差しを当ててみる』と、「AD型認知症」の発病の最初の段階である『軽度認知症(小ボケ)』の段階では、左脳も右脳も運動の脳も全てが未だ正常な機能レベルを維持している中で、「意識」が覚醒した/目的的な世界における/脳全体の司令塔の役割りを担っている「前頭葉」の機能だけが、既に異常な機能レベルに衰えて来ているのです⦅14689例もの「脳機能データ」が根拠)。「AD型認知症」の発病の直接の原因は(症状が発現してくる直接の大本は)、「記憶障害」にあるのではなくて(『記憶障害に起因して』ではなくて)、『「前頭葉」の機能障害』にある(廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に起因した「前頭葉機能」の機能障害が直接の原因)ことに専門家とされる人達が気付いていないだけなのです。
&3 「二段階方式」(エイジングライフ研究所)の考え方の独自性
私たちが1995年の活動開始以来一貫して主張してきているように、『様々な種類が数ある認知症全体の90%以上の割合を占めている「AD型認知症」というタイプの認知症の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病』に過ぎないのです。「AD型認知症」の発病を規定する条件は、一つには、①『「加齢」に起因した脳機能の老化の進行(=正常老化の進行)という要因』即ち、(第二の人生を生きている60歳を超える年齢の高齢者であること)であり、もう一つ別の要因が、これに加重される条件としての、「脳の使い方」としての『生活習慣』という要因、②『第二の人生』を送る生活状況下でのナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続という要因の存在が、Key条件なのです!!③『「前頭葉機能』を含む/脳全体の機能について惹起されてくる廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行という要因が、発病を惹き起こす直接の原因』なのです。第一の要因/基盤の要因(第二の人生を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であること)に加えて、第二の要因/加重要因(仕事というテーマとは無縁の日々を送ることとなる「第二の人生」を送る上でのナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続)と言う要因の同時/存在、即ち、((①と②と言う)『異なる二つの要因が、同時に並行して存在し、重なり合うこと』に因る、『相剰効果』によって、「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させて行くこととなり、そのことが唯一で直接の原因となって、『AD型認知症』を発病し、更には、症状の重症化が進行して行くことになるのです。
『廃用症候群に属する、老化・廃用型の「生活習慣病」であるに過ぎない「AD型認知症」は、性質それ自体として治せないものではなく、「早期診断」と「早期治療」により治せるし、発病自体を予防することが出来る認知症』なのです。『精神科医達が見つけて居る段階が遅すぎる為に、治すことが出来なくなってしまっている』ということなのです!!!
注1)1995年の活動開始以来、私たち「二段階方式」が、北海道から九州に跨る全国的規模、452もの市町村で実践を指導して来た先駆的な活動である『AD型認知症の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』の顕著な成果によって、『疫学的方法』により、主張内容が正しいことを実証済み』なのであり、『AD型認知症は、性質それ自体として治らないタイプの認知症ではないのです。医師達が見つけている段階が遅すぎるが故に、治すことが出来ないだけ』なのです(※見つけるのが遅すぎる、言い換えると、(「DSM-Ⅳ」の規定の誤りに気が付かないで、むしろその権威を過度に信頼し盲従していて、失語、失認、又は、失行(紛い)の極めて重度の症状が初期症状であると誤解したままで居て/末期の段階で発病を見つけているから、治せないだけなのです。
注2)厚生省の時代には、当時の尾嵜課長から全国展開を強く要請された/「二段階方式」の考え方に基づき、「二段階方式」の手技を活用した/『AD型認知症の早期診断による回復及び発病の予防を目的とした住民参加型の地域予防活動』は、何処へ行ってしまったのか。一つには、平成の大合併で消滅したのです。『地域予防活動』を展開していた高齢化率が高い小さな町や村が、高齢化率が低くて関心が無かった大きな市に吸収されることで業務の見直しの名目により消滅させられてしまったのです。もう一つは、二段階方式の使用について、10年間だけ有償としたために、以降は無償となることにより予算化が不要となることに因り、保健師さんの配置がなくなり消滅していったのです。不条理と言うしかないのですが。そのことに加えて、2010年にアミロイドβ仮説が登場して来て、世界的に通説となり、わが国でも、東大、京大、理化学研究所がアミリドベータ仮説の牙城となったことが大きい(公明党の要求もあり、厚労省までもが、アミロイドβ仮説に追随した)。
私たち「二段階方式」には、「DSM-Ⅳ」の規定内容も、「3つの仮説」の内容も、両者共に誤りであることを実証している『客観的な証拠がある』のです。私たちが「二段階方式」の手技を活用して集積してきた14689例にも上る極めて多数の症例、「AD型認知症」を発病している患者【小ボケ、中ボケ及び大ボケの全ての段階の症例を含むもの】の脳機能データが示す客観的な証拠、事象の事実としての「脳機能データ」が存在しているのです。その中でも、極め付きの「2つの証拠」を示しておくことにしましょう。
1つは、「第二の人生」における脳の使い方としての「生活習慣」、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下が核心的な要因で発病し、症状の重症化が進行するタイプの認知症、「AD型認知症」の発病患者である場合には、前頭葉、左脳、右脳、運動の脳の厳密な順番に機能が衰えて行くことが特徴であり;更なるダメ押しの証拠としての、2つ目は、MMSEテストを実施した場合、「AD型認知症」の発病患者である場合には(且つ、その場合に限って)、出来なくなっていく厳密な順番が存在すること:すなわち、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、五角形相貫図の模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名の順番に出来なくなっていくのです。このことを説明すると、項目困難度が高い項目から順番に出来なくなって行くということなのです。この二つ目の特徴は極めて重要であり、『AD型認知症』の発病であることの判定並びに他の種類の認知症(例えば、「AD型認知症」との誤診が極めて多い、『脳血管性認知症』との鑑別)との鑑別及び認知症と紛らわしい他の病気(例えば、AD型認知症との誤診が多い、側頭葉性健忘症との鑑別)との鑑別の上で、重要で『客観的な指標』となるのです。
「AD型認知症」研究の専門家とされる人達等は、何故、憶測の類程度のものにしか辿り着けないでいるのか不思議なのです。因果関係に極めてルーズと言うしかないのです。末期の段階(私たちの区分で言う「重度認知症(大ボケ)」の段階)の症状ばかりに目が行っていて、私たちが提起している段階、『脳のリハビリ』により回復させる(症状を治す)ことが可能である本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)の存在に、未だに気付いていないのです。
※『AD型認知症』は、廃用症候群に属する老化廃用型の生活習慣病であること(但し、食生活ではなくて、脳の使い方としての生活習慣であることに留意する)並びに早期の段階で見つけて(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のこと)、更には、「脳のリハビリ」(「前頭葉」を旗頭として、前頭葉を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の工夫、改善、構築と実践)を実施することにより、症状を治すことが出来るし及び『前頭葉』を含む脳全体が活性化する生活習慣の構築と実践により発病自体を予防することが出来るのです。加えるに、『AD型認知症は、廃用症候群に属する生活習慣病が本態であるとする私たちの主張は、北海道から九州に跨る全国的規模、452の市町村での「住民参加型の地域予防活動」の実践展開の指導により、顕著な成果を上げえt、疫学的方法により実証されてきている』のです。その意味で、「AD型認知症」の発病を予防したり、症状を治したり、症状の進行を抑制する効能を有する『薬』が開発されることは、未来永劫、起こり得ない事と断言できるのです。
廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」が本態である「AD型認知症」は、薬が効かないし、発病の有無や早期段階の診断にCTやMRIやPET等の機器の使用は不要なので、医師が必要とする売り上げが稼げないのが特徴でもあるのです。「二段階方式」の神経心理機能テストの活用により、発病の早期の段階を精緻に判定できるのです。それらの面を考えても、市町村の保健師さんが主導する『一次予防』(脳イキイキ教室の開催と定期的な脳イキイキ度チェック)こそが、最も効果的なのです。何等の対策も実施されないまま放置されていることに因り、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていき、そのことに因り、末期の段階の症状(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の症状)が出てくることになり、更に症状が進行していき、ついには、同居の家族の顔もわからず、自分が今住んでいる家の方角もわからず、昼か夜かの区別もつかない状態の発病者(必ず、「お年寄り」なのです)が、何処に帰るか、何処に行くかの選択も出来ないまま徘徊するのが、高齢化が進んだ市町村では、常態化しているのです。
&1 エイジングライフ研究所が提案する『住民参加型の地域予防活動』とは
『二段階方式』の考え方及び二段階方式の手技の活用による住民参加型の『地域予防活動』は、『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』だけを対象とした活動になります。私たちが集積した14689例にも上る『AD型認知症』発病患者【本当の意味での早期の段階であり、回復させることが可能な小ボケ及び中ボケの段階の患者並びに末期の段階であり、回復させることが最早困難である大ボケの段階の患者の全ての段階の患者を含むもの】の症例が指し示す、事象事実としての「脳機能データ」を基礎としているのです。『前頭葉機能』を含む/脳全体の機能レベルとその機能レベルに厳密にリンクして発現してくる症状との関係について、『脳の働きと言う物差し』を活用し、脳の使い方としての意味で言うところの『生活習慣』に着目して、「AD型認知症」の発病原因(メカニズム、機序)を解明し、市町村による「地域予防活動」に活用し、実践展開の結果として、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証してきているのです(『憶測の類』とは、レベルが異なる)。
脳全体の司令塔の役割を担っていて、三頭立ての馬車の御者である『前頭葉』の機能レベルを『改訂版かなひろいテスト』により、馬車を牽引する役割をしている二頭の馬、左脳及び右脳の機能レベルを「MMSE」により、二つの神経心理機能テストの実施結果から総合的に、「前頭葉」を含む「脳全体の機能レベル」とその機能レベルにリンクし、その機能レベルを厳密に反映したものとしての「AD型認知症」の発病の有無及び三段階に区分される症状の段階の判定並びに症状を治すための方法である「脳のリハビリ」の実施内容の指導を行うのが、「二段階方式」の手技の特徴なのです。
その過程では、『キッカケ』の発生と継続を契機に、心が折れて、「意欲を喪失」することで開始されたナイナイ尽くしの単調な『生活習慣自分なりに追求する特定のテーマが無く、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものが無い/『単調な日々の暮らし方』)に起因した/廃用性の異常な機能低下の進行というバックグラウンドの存在を、「脳の使い方」としての単調な「生活習慣」の継続に関わる聞き取り作業である『生活歴』の聞き取りにより、確認するのです。その基礎の上で、『脳のイキイキ教室』を開いた期初の時点で「二段階方式」の手技により判定した「前頭葉を含む脳全体の機能レベル」と教室を閉じる期末の時点で「二段階方式」の手技により判定した「前頭葉を含む脳全体の機能レベル」という両者の脳機能データの比較により、改善、維持、低下の三段階の区分により判定し、低下と判定された個別のケースについては、低下をもたらした原因である当該期間中の脳の使い方としての「生活習慣」を具体的に点検し、「脳のリハビリ」の為の『生活改善指導』を行っているのです。
※『前頭葉機能』の個別認知機能を協働して発揮する為の機能/機構である『評価の物差しの機能』及び『実行機能』の機能の発揮及び発揮度を左右し/下支えしている機能が、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能なのです。即ち、「評価の物差しの機能」及び「実行機能」の機能の発揮及び(機能の発揮度)との間には、『機能発揮上の二重構造』という仕組みが存在しているのです。あーしたらこうなる、こうしたらあーなるという風に、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断し、状況の理解と判断に沿った実行「テーマ」を発想し、実行の内容及び実行の仕方を企画し、計画し、実行結果を洞察し、推理し、シミュレーションして、最終的な実行内容及び実行の仕方を選択し、決定し、実行の決断を下して、実行に移す指令を左脳、右脳及び運動の脳に下す為の仕組みである『評価の物差しの機能』及び『実行機能』が、協業して、正常に機能するに際して、『異なった複数のテーマを同時に並行して処理する』ことが要求されるのであり、そのことを可能にしている機能がチンパンジーにさえも備わっていなくて、私達人間だけに特有な機能である『注意の分配力』という機能なのです。私たちが世界で初めて発見したこの『機能発揮上の二重構造の仕組み』と意識的な世界における『注意の分配力』の機能構造とその重要性とに気が付かない限り、何時までマウスのお尻を追い掛け回しても、「AD型認知症」を発病させている『真犯人』の割り出しに成功することは、可能性が皆無と言うことになるのです。
『注意の分配力』の機能は、最近唱えられるようになり、有名になった『デュアル・タスク』(異なった二つのテーマを同時に並行して実行する)という程度の作業の実行で、脳が活性化し、機能が向上するなどと宣伝しないで欲しいのです。肝心要の「前頭葉機能」が活性化し、その機能レベルが向上しているのでなければ、「脳の機能が向上した」とは言えないのですから。注意を喚起しておきます、複合機能体としての「前頭葉機能」が活性化し、機能が向上したと言えるためには、『自分なりの目標が有り、自分なりに趣味や遊びや交遊を楽しめる生活が有り、そうした生活が継続されて生活習慣化が達成されている』という基礎/基盤に立脚した「脳の使い方」としての「生活習慣」の継続が不可欠の条件となるのですから。
私たち、エイジングライフ研究所が政府に『提言書』として提出している内容と目的は、「AD型認知症」を発病する対象となるお年寄り(「AD型認知症」を発病する対象となるのは、『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の高齢者のみなのです)を対象として、「二段階方式」の考え方に基づいて及び二段階方式の手技を活用して「AD型認知症」(だけを対象として)の早期診断による回復及び介護の予防並びに発病の予防を明確な目的とした住民参加型の『地域予防活動』の実践展開なのです。『二段階方式』の考え方に基づいて、市町村が開催する「脳イキイキ教室」への参加と「二段階方式」の手技の活用により実施される(教室の開始時及び終了時の二回実施)「脳のイキイキ度チェック」とを基礎として(必要な個別ケースについては、「脳のリハビリ」の実践指導を実施)、地域住民の早期診断による回復(小ボケ、中ボケの段階からの『回復』を第一義的な達成目標とし、何らかの事情により回復させることが出来なかったケースについては、末期の段階である大ボケには進行させないことに因り『介護の予防』という効果の達成を第二義的な達成目標とする)、更には、講演や書籍の配布による『前頭葉』を含む脳全体が活性化する『生活習慣』の構築と実践の継続についての『啓蒙活動』の展開により、『発病自体を予防』することを目的としているのです。
&2 深く静かに潜行していて、いつの間にか天文学的な規模に膨張している
厚労省が発表する「AD型認知症」の発病者数は増加の一途 ‼ 介護関連の総費用(CTやMRIやSPECTや、果ては、PETまで持ち出して、極めて高額の診察料を稼ぎ出しながらも、治すことが最早困難な末期の段階で発病を見つけて居るという『レッテルを貼るだけ』のものでしかない診断の為の費用の増加、副作用ばかりで症状の進行を遅らせる効能さえも確認されない、効きもしない薬の処方と投与の費用の増加、食事をしたり、服を着たり脱いだり、トイレの後始末をする程度のことにも支障が出てきていて、セルフ・ケアにも支障があって、日常生活面での介助や介護が必要なお年寄りが増加の一途をたどるのに任せている状況下での介護の費用の増加)の金額は、年々増加の一途を辿っていて、「うなぎのぼりの状態」にあるのです‼ 老老介護や、認認介護や、介護離職を野放し状態にした儘で良いのですか?今日も、全国の市町村の、いたるところでの、徘徊老人の安否情報の提供を依頼する役場の拡声器が、大きな声で呼びかけているのです!
『アAD型認知症の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」に過ぎないのであり、早期発見と早期治療により治せるし、発病自体を予防することが出来るもの』なのです。更には、『AD型認知症は、性質それ自体として、治すことが出来ないタイプの認知症ではない。医師達が見つけている段階が遅すぎるが故に、治すことが出来ないものと誤解されているだけ』なのです。その上、『前頭葉機能が活性化する「生活習慣」の構築と継続的な実践の自助努力により、症状を治すことが出来るし、発病自体を予防することが出来るのが、AD型認知症の特徴』でもあるのです。この基本的な考え方を、(何等かの背景事情の存在により)『国策による実施』の実現の見通しが低いと判断した時は、何らかの方法により国民に分かってもらう為の別の方策を考えていくつもりでもあるのです。若い世代が自己の人生を投げ出して、発病した親の介護をする、所謂、『介護離職』は、絶対に我が国に有ってはならないことなのです(総字数を300万字に迄整理/圧縮したブログを、長男がオーナー企業で有る(株)インスパイアでAI化して貰い、KinukoとTadの二人が主宰するエイジングライフ研究所の名前で、公開して行く考えでもあるのです)。
私たち人間だけに特有な世界、『意識的/目的的な世界』を構築し、統括し、支配し、コントロールしている「前頭葉機能」、就中、その構成要素である「評価の物差しの機能」及び「実行機能」の機能の発揮及び発揮度を左右し/下支えしている基盤の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能(「評価の物差しの機能」及び「実行機能」の/機能発揮上の二重構造の問題が存在)、中でも、人間だけに特有な機能である『注意の分配力』の機能に目がいかないで、注意の分配力の機能は愚か、『前頭葉』機能という脳機能自体が備わっていないマウスのお尻を追いかけまわしている認知症研究の専門家とされる人達に言いたいのです。現在皆さんが掘り続けている場所をどこまで深く掘ってみたところで、何も出ては来ないのです。世間を徒に混乱させない為にも、そのことに早く気が付いていただきたいのです。産官学の共同PRJなるものの幾つかについての情報も集めてみました。発病の原因について、『アミロイドβ仮説』を主張の根拠として掲げながら、運動や交遊の機会を増やすことが、或いは、彼らが開発した「脳トレ」テストの実践が、「AD型認知症」の発病の予防につながるとの説明を読むと、あきれるというよりは、哀しくなってしまうのです。
&3 「軽度認知症(小ボケ)」の段階
ついこの間まで、特段の支障もなく「社会生活」を送れていて、自分なりに趣味や遊びや交遊や運動を楽しむ生活を送ってきていて、地域の催事や行事への参加や参画を楽しんでいたお年寄りが、或る日突然、失語や失認や失行(紛い)と言う極めて重度の症状が出て来て、『セルフケア』にも支障が出てきて、「介護」が不可欠になる等の症状が起きて来たりはしないのです。AD型認知症は、症状が、段階を追って/徐々に/緩やかに進行していくのが特徴。最初に、小ボケの段階の症状が、次いで、中ボケの段階の症状が出てきて、最後に、末期段階の大ボケの症状が出てくるものなのです。
注)「軽度認知症(小ボケ)」の段階では、左脳も右脳も運動の脳も全てが正常な機能レベルを保っているのに対して、「社会生活」面で発生してくる種々のテーマを実行するのに必要となるレベルでの「前頭葉」機能だけが、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、異常な機能レベルに在るのです。こうした事態は、「空気ポンプ」に例をとって説明すれば、空気をチューブに送る役割のゴム管部分に支障があるからではなくて(アミロイドβ仮説や/タウ蛋白仮説等の考え方であり、情報を伝達する役割を担っている神経細胞の大量の細胞死に起因した記憶障害が発病の原因だとする考え方)、そもそも、チューブに空気を送り込む働きをする役割のポンプの部分自体の機能が十分には働いていないせいなのです(脳全体の司令塔としての役割を担っている「前頭葉」の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した機能障害、当該機能の発揮レベルの低下が主たる原因で関連する情報の伝達及び情報の処理が的確に行われなくなっているに過ぎないのです)。意欲が湧かない、注意の集中力が発揮できない/発揮が続かない、注意の分配力がきちんと働かないことが症状として際立つ「小ボケ」の段階での症状のイメージは、家の外に出て行って、他人と交わり、何らかの共通目的を実行する場である社会生活面での様々な支障が出てくるのが特徴なのです。自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿ったテーマを発想し、実行の内容を企画計画して、実行の結果をシミュレーションした上で、実行の内容及び実行の仕方を決定し、実行を決断する上での様々な支障が目立つ人、何かにつけて人を頼ろうとする『指示待ち人』が特徴なのです。上述の機能面の理解に立って、上掲の8項目について、見直してみてください。それらの症状が、「記憶の障害」に起因したものではないことを理解頂けるでしょう。
&4「中等度認知症(中ボケ)」の段階
(1) 「脳のリハビリ」に励むこともなく、相変わらずナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続されたままで居ると(小ボケの段階が3年も続いていると)、次は、中ボケの段階に移っていくことになります。廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で、『前頭葉機能』が更に異常なレベルに衰えてきている上に、「小ボケ」の段階では未だ正常な機能レベルにあった左脳、右脳及び運動の脳までもが異常な機能レベルに衰えてきているからなのです。「改訂版かなひろいテスト」は不合格のままでMMSEの換算点が23点以下15点以上の範囲の人達を言います。前頭葉を含む脳全体の機能レベルを反映した症状が発現してくる「中ボケ」のイメージは、「家庭内の簡単な用事」程度のこともちゃんと出来ないのに(「家庭生活」の面でも、様々な支障が出てくるようになる)、口先だけは一人前、『言い訳ばかりしている、幼稚園児』が特徴です。「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきているとはいえ、「小ボケ」には、自覚があります。「意欲も湧かないし、根気が続かないし、てきぱき出来ないし、発想も湧かないし、物事に感動することもないし・・・」と感じていて、『以前の自分と比較して、自分のどこかがおかしい』という自覚を明確に持っていて、自分の状態に「不安」を感じているのです。ところが「中ボケ」の段階になると、「前頭葉機能」の機能レベルが更に異常なレベルに低下してきている上に、左脳及び右脳の機能も異常なレベルに低下してきている為に、そうした自覚を持つこと自体が出来なくなります。現在の自分に起きてきている状態に対する自覚がないので、不安も全く感じていないのです。逆に、家族が『こんなところが、おかしい』と指摘しても、『そんなことはない。私は、ボケてなんかいない』と言い張り、自分のおかしな行動についての、一端の言い訳(ヘリクツの類)ばかりを並べ立てるのが特徴なのです。廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、前頭葉機能がそこまで衰えてくると、自分自身のおかしさに、気づくことが出来なくなるのです。「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能レベルを反映した脳の機能年齢は6~4歳児のレベルとなります(口先だけが達者で、言い訳ばかりする『幼稚園児』)。
※小ボケの段階が3年も続いていると、次は、中ボケの段階に移っていくことになります。前頭葉の機能が更に異常なレベルに衰えて行く上に、小ボケの段階では正常な機能レベルに在った左脳、右脳及び運動の脳までもが異常なレベルに衰えて行くからなのです。「かなひろいテスト」は不合格のままで、MMSEの換算点が23点以下15点以上の範囲の人達です。「時の見当識」が揺らいでくるので、MMSEで測定される「時の見当識」(5点が満点)の得点は、4~1点の幅となります(猶、小ボケは、5点。大ボケは、0点になります)。
更に、「AD型認知症」である場合は(且つ、その場合に限り)、MMSEの下位項目について、(下記に列挙する出来なくなっていく厳格な順番)があり、時の見当識についていうと、日、年、月、季節、昼夜の順番に出来なくなっていくのです。□季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着る)という中ボケの症状は、季節が分からなくなってきているという「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの反映であり、□今は昼なのか夜なのかがわからなくて、夜中に騒ぐという大ボケの症状は、昼夜が分からなくなってきているという「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの反映であり、いずれの症状も、『前頭葉機能』の機能障害、就中、「注意の分配力」の機能が顕著に異常なレベルにまで低下して来ていることが直接の原因なのであり、「3つの仮説」が想定した前提としての「記憶障害の症状」でもなければ、「記憶障害に起因した症状」でもないのです。※『 MMSE開項目の項目困難度』の順番は、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、五角形相貫図の模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名と言う「厳密な順番が存在している」のです。
&5「重度認知症(大ボケ)」の段階
(1) 「中等度認知症」(中ボケ)の段階になっても「老化現象」と勘違いして気づかないまま手をこまねいて居て、「脳のリハビリ」に励むことさえもなく、相変わらずナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていると、「前頭葉機能」を含む脳全体の機能の/廃用性の加速度的で異常な機能低下が更に進んでいく為に、中ボケの期間が 2~3年間続いた後は、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階に入っていきます(猶、「DSM-Ⅳ」の規定が、「AD型認知症」と診断する上での十分条件として確認を要求している失語、失認又は失行(紛い)の症状は、大ボケの段階でも後半になって初めて発現が確認される症状、「MMSEの得点が一桁になって初めて発現が確認される」ことになる、極めて重度の症状であることに注意して頂きたいのです。「第二の要件」に従って、「AD型認知症」発病の有無を診断している限り、せっかく見つけても手遅れ、治すことも/症状のさらなる振興の抑制もは、早出来ないのです。
発病の末期の段階である「重度認知症(大ボケ)」の段階になると、「前頭葉」機能を含む/脳全体の働きが「中等度認知症」の段階よりも更に異常なレベルに衰えて来ているのです。左脳と右脳の働きも、幼稚なレベルの機能が僅かに残っている程度である上に、脳の司令塔の役割を担っている「前頭葉」は殆ど機能しなくなってきているのです。挨拶程度の日常会話を交わすにも、ハサミとか歯ブラシ等、手に持っているものの用途を理解するにも、ズボンをはくにも、肝心の注意の分配力の機能がほとんど働くことが出来ないまでに、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきていることが原因で、極めて重度の症状が発現してくるのが、「AD型認知症」なのです。『AD型認知症と言うタイプの認知症の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病である』と言う、私たちの主張は、実証されてもいるのです。
「大ボケ」のイメージは、「脳の寝たきり」なのです(セルフ・ケアにも支障が出てきて、介護が必要となる)。即ち、「意識的な世界」における「前頭葉」の個別認知機能の認知度及び機能の発揮度を支配し/下支えしている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能が殆ど働かなくなってきている状態にあるのです。「重度認知症」(大ボケ)の脳の働きは、3歳児以下(下は、0歳児まで)のレベルと考えて下さい。「前頭葉」、左脳、右脳の機能が更に異常なレベルに衰えていく中で、MMSEの換算点が14点以下から大ボケの段階に入っていき、一桁の点数になってくるあたりから、「DSM-Ⅳ」の規定の第二の要件が確認を要求している失語や失認や失行(紛い)の症状が発現して来るのです。
医療現場では、大ボケの段階の前半の症状を誤って、「AD型認知症」の初期という表現を使用しているのですが、「脳のリハビリ」により回復させることが可能な本当の意味での早期の段階とは、私たちの区分でいう「小ボケ」及び「中ボケ」の段階までのことなのです。「大ボケ」の段階の症状が発現してくるまでに「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが低下してくると、最早治すことは出来なくなるだけのことなのです(AD型認知症は、性質それ自体として治すことが出来ない訳ではない。極めて重度の症状である失語や失認や失行の症状が初期症状だと誤解しているがために、医師達が見つけて居る段階が遅すぎるが故に、治せないだけなのです)。身体がもつ限り(何らかの病気や寿命により死を迎えることになるまで)、前頭葉を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなり、最終的には植物人間のような状態にまで脳の機能が衰えて行くことになるのです。
私達が服を着るとき、ズボンであるか、上着であるかを判断し、上着であれば裏表がどちらか、ボタンをかけるタイプかどうか、どのような手順で着ればいいか等を的確に見極めた上で、必要な動作を、適切な手順で的確に行っているのです。上掲の『服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり、上着に足を通したりする』と言った症状、「AD型認知症」としての症状は、「記憶の障害」が原因で服を正しく着ることが出来ない訳ではないのです。上着とはどういうものであり、どのようにして、どのような手順で着るものなのかを忘れたが為に着ることが出来ない訳ではないのです。「前頭葉」の三本柱の機能の中でも最も高度な機能であり最も早く衰えて行く機能である「注意の分配力の機能」(異なった「テーマ」を同時に並行して処理する為の機能)が殆ど機能しないまでに機能低下してきていることが直接及び中核の原因で、加えて、左脳、右脳及び運動の脳までもが廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきたことが直接の原因で、『服を正しく着ることが出来ない』だけなのです。『家族の名前を間違えたり、配偶者を我が子と間違えたりする』という症状も同じことなのです。「配偶者を我が子と間違える」のは、「記憶障害」に起因している症状ではなくて、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを反映しただけのもの、就中、『注意の分配力の機能が、殆ど働かないレベルにまで、廃用性の機能低下の進行により機能が低下してきている』為なのです。「DSM-4」の規定が「第二の要件」で確認を要求している失語、失認又は失行の症状も『服を正しく着ることが出来ない』症状の事例で説明したのとまったく同じメカニズムの下で発現してくるものなのであって、『「記憶障害」に起因して、それらの症状が発現してきている』との考え自体が、重大な誤り、誤解に基づく単なる憶測なのです。
注2)例示した、発病の最初の段階である小ボケの症状、それに次ぐ、中ボケの症状、末期の段階である大ボケの症状は、「記憶障害」に起因して発現するものではないのです(専門家達の想定条件の誤り)。発病の第二の要件であり、発病するか否か及び症状が重症化するか否かを決定づける核心的な要素である、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という要因が、「前頭葉機能」の機能障害を惹き起こす真犯人なのです。「前頭葉機能」の個別認知機能を協働して発揮する機能関係に在る/「評価の物差しの機能」及び「実行機能」の機能の発揮及び発揮度を左右し/下支えている機能であり、最も高度な機能である「注意の分配力」を筆頭にして並びに注意の集中力及び意欲という機能が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続により、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させて行くことが直接の原因となり、①「実行機能」の発揮度を次第に低いものにしていくことに因り、②前頭葉機能を含む/脳全体の機能レベルが徐々に低下して行き③機能レベルが次第に異常なレベルのものとなり④且つ、その状態が更に進んで行くことの直接の反映としての、⑤「前頭葉機能」を含む/脳全体の機能レベルに、厳密にリンクした、三段階に区分される「AD型認知症」の症状を発現させていくのです。これが、「AD型認知症」を発病させ、症状の重症化を進行させている真犯人、真のメカニズムなのです。このことを理解するには、私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」に目を向けること、『評価の物差しの機能』及び「実行機能」と「前頭葉の三本柱」の機能との間に横たわる「機能発揮上の二重構造」の関係、両機能が働く上で不可欠である「注意の分配力」の機能の働き方、更には、「脳の使い方」としての「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣」の継続に起因した「廃用性の異常な機能低下の進行」と言う引き金となる要因の理解が不可欠となるのです。実は、それらは、マウスには備わっていないもの(無関係のもの)ばかりなのです。
本著作物「Dー01」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます