11-27.トゥルー・グリット
■原題:True Grit
■製作年・国:2010年、アメリカ
■上映時間:110分
■字幕:松崎広幸
■鑑賞日:4月2日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(六本木)
■料金:1,800円
スタッフ・キャスト(役名)
□監督・脚色・製作:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
□製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、ロバート・グラフ、デヴィッド・エリソン、ポール・シュウェイク、ミーガン・エリソン
□撮影監督:ロジャー・ディーキンス
□衣装デザイン:メアリー・ゾフレス
□編集:ロデリック・ジェインズ
◆ジェフ・ブリッジス(ルースター・コグバーン)
◆マット・デイモン(ラビーフ)
◆マティ・ロス(ヘイリー・スタインフェルド)
◆ジョシュ・ブローリン(チェイニー)
◆バリー・ペッパー(ラッキー・ネッド・ペッパー)
◆ブルース・グリーン(ハロルド・パーマリー)
◆マイク・ワトソン(スタント)
【この映画について】
本年度アカデミー賞に作品賞、主演男優賞ほか10部門でノミネート、監督にコーエン兄弟、製作総指揮にスティーヴン・スピルバーグという豪華布陣の話題作は、かつてジョン・ウェインが初めてオスカーを手にした『勇気ある追跡』のオリジナル原作を映画化したもの。
父親を殺された少女が、二人の男と犯人を追う復讐劇だ。壮絶な追跡のあとに訪れる感動の瞬間が、観る者の胸を熱くする。コーエン兄弟の集大成とも言うべき美しい映像とドラマチックな展開で、彼らの最高傑作との呼び声が高い。2年連続でオスカーノミネートのジェフ・ブリッジスやマット・デイモン、弱冠14歳で大役に抜擢された新星ヘイリー・スタインフェルドらの、いずれ劣らぬ名演を堪能できる一作だ。(この項、gooより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
牧場主の娘として産まれながらも責任感が強く信念の強い14歳の少女、マティ・ロスの父親が、雪の降るある夜、雇い人のトム・チェイニーに無残にも撃ち殺された。知らせを受けたマティは、遺体を引き取りにオクラホマ州境のフォートスミスへとやってくる。
一方、チェイニーは、わずか2枚の金貨のためにマティの父を殺した後、逃亡者となってインディアン領へ向かい、お尋ね者のネッド率いる悪党達の仲間入りをすることになる。フォートスミスで父親の形見の銃を譲り受け、同行してきたお付きの爺の忠告を無視して、犯人に罪を償わせることを心に誓った彼女は、“トゥルー・グリット(真の勇気)”があると言われる大酒飲みでアイパッチをした連邦保安官ルースター・コグバーンに犯人追跡を依頼。
最初は子供扱いで相手にもされないマティだったが、決して諦めない執念と報酬の魅力に負け、コグバーンはマティの依頼を受けることにするが、出発の朝、マティがコグバーンのもとを訪ねると、既に彼は旅立っておりマティには、帰れと言わんばかりに列車の切符が残されていた。
納得出来ないマティは、馴れない馬を駈けてコグバーンの後を追い何とか追いついた。その執念に負けてマティを共にし、その後、別の容疑でチェイニーを追ってフォートスミスへ来ていた若きテキサス・レンジャーのラビーフも加わり、犯人追跡の過酷な旅が始まる。
マティにとっては人生初めての旅。しかも最も危険な領域に足を踏み入れることになる辛い経験であったが、チェイニーを捕らえ、罪を償わせることだけしか彼女は考えることができなかった。そして遂に、3人にとって各々の“真の勇気”が試される時が訪れる……。
この映画は、旬な俳優陣がずらりと並んでいる。例えば、ジェフ・ブリッジスは「クレイジー・ハート」でアカデミー賞を受賞したばかりで「トロン:レガシー」でも話題をさらっていたし、マット・デイモンは現在「ヒアアフター」が公開されているし、ジョシュ・ブローリンは「ウォール・ストリート」でのマイケル・ダグラスとの共演が記憶に新しい。
これだけの顔触れに交じって、新人で14歳のヘイリー・スタインフェルドは堂々としていて、映画デビュー作でいきなりアカデミー賞助演女優賞にノミネートされるなど、これからが楽しみな女優だ。
ストーリー的には、如何にも西武劇的な復讐劇で、父の仇を取るために自ら腕利きの保安官を雇い、強い執念を持って犯人を追いかけるという展開は分かりやすいと同時に、一人の少女の成長過程の物語でもある。
西部劇といえば「荒涼としたアメリカの大地」というイメージがあるが、この映画でもそうした映像の良さも目立った。どこまで進んでも砂漠と化した乾いた大地と川しかない中で、乗馬の経験も無かった少女の執念に大の男たちが協力し、最後は見事に復讐を果たす、これを回想と言う形で展開していったコーエン兄弟の演出は見事だ。
最後は、成長したマティがコグバーンが在籍していると思われる旅の一座を訪ねるのだが、会えないで終わる。この形も西部劇らしい終わり方だった。
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この作品はリメイクなので、コーエン兄弟らしさと言う点では、ご指摘通り正統派ですね。
新人女優のヘイリーは、これがデビュー作だそうですが、「美少女子役」ではないだけに、今後の出演作に期待したいと思っています。
ある種 コーエン兄弟らしくない正当派ですが
確かな演出で見せますね
俳優陣が良いが
特にヘイリー・スタインフェルの存在感は凄いね
演技で魅せる俳優陣に交じって、新人女優の彼女の将来性が豊かなのがよく分かります。
映像も西部劇らしくて良かったです。
そうそうたる俳優陣を相手に互角に渡り合ったヘイリーちゃん、将来が楽しみですね。
あの砂埃っぽい映像も気に入りました