Peace Waveの平和な日々~行く雲、流れる水のように~

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地上最強の生物

2010年08月11日 | サイエンス

”地上最強の生物”―といっても、範馬勇次郎のコトではない。

おそらく、たいがいの人が思い浮かべるのが、”百獣の王”ライオン

いや、トラの方が強い・・と言う人もいれば、いや、ゾウだ、クマだ、ゴリラだ・・と諸説あるだろう。

最近ではカバ最強説・・とゆーのもあるらしい。

寿命でいえば、「鶴は千年、亀は万年」・・なんて言葉もある。

いや、単純に生命力の強さなら、ゴキブリだろう・・とゆー意見も・・。

 

”強さ”をどう定義するかにもよるだろうが、「いかなる環境でも生きていける生命力の強さ」・・とゆー点では、ゴキブリをはるかに上回る、まさしく”地上最強”の名を冠するにふさわしい生物がいる。

 

―その名はクマムシ 

 

 

体長は50マイクロメートルから1.7ミリメートル緩歩動物―要するに小さなムシで、寿命もわずか2~3ヶ月にすぎないという。 

熱帯から極地方、超深海底から高山、温泉の中まで、海洋・陸水・陸上のほとんどありとあらゆる環境に生息するクマムシは、進化の過程で乾燥に耐えるために、ある特性を獲得した。

 

それは、周囲が乾燥すると、通常は体重の85%を占める水分を0.05%まで減らし樽状の状態になり、代謝をやめてしまうのだ。

これを乾眠(かんみん)といい、生きても死んでもいない、第3の状態―「潜在生命」とでも言うべき状態になる。

 

生命活動において、水がないコトは致命的であるが、細胞などの組織は安定する。

水があると生命活動は可能であるが、同時に細胞などの組織にとっては、きわめて不安定な状態ともいえる。

クマムシは乾燥に耐えるため、逆にギリギリまで水分をなくして究極の安定した状態をつくり、いかなる環境においても自らの生命を維持させるという不死身の能力を身につけた・・とゆーワケだ。

 

この状態だとクマムシは、151℃の高温から、ほぼ絶対零度、-252.8℃の極低温にも耐えうる。

つまり、電子レンジでチンされても、液体窒素で凍らされても蘇生するのだ。

そして、真空から75000気圧(!)もの圧力にも耐え、X線などの放射線では、致死線量が57万レントゲン!

これは、ヒトの致死線量が500レントゲンだとゆーコトを考えると、どれだけベラボーな耐久力か・・というコトが分かるだろう。

 

この乾眠中のクマムシに水を与えてやると、上記のような環境下からも蘇生して動き出すのだ!

さらには、宇宙空間に直接10日間さらされた後(!)に蘇生したというから驚きである。

普通、地球上の生物なら、宇宙空間なら一瞬でオダブツだ・・。

 

10年以上、乾眠した状態から蘇生したクマムシは、記録上は存在しないそうだが、120年後に蘇生した・・とゆー話もあるとか・・。

 

現在、このクマムシの脅威の耐久力を、治療に使う細胞の保存など、再生医療などの分野で活かすため、そのゲノムを解析・研究中だそうだが、他の生物には見られない多くのゲノムが見つかっているという。

いわば、遺伝子の宝庫なのだ。

 

もしかしたら、こーゆークマムシみたいな生命体が隕石に乗って宇宙空間を飛来し、地球上で、実は現在も生きている・・なんてコトもあったりして・・。

カーズとか・・?

 

この生命力なら、まんざら不可能じゃなさそうだから、コワイ・・。