仕事中、ボー・・としてると怒られる。
しかし、最新の研究では、この”ぼんやり”が、非常にイミがあるというのだ。
”ぼんやり”してる時に働く脳の部位は、楔前部(けつぜんぶ)という記憶を思い出す部分と、前頭葉内側という価値を判断する部分。
意識的に、集中している時は、これらの部分は使われていない。
情報を整理する際、これらの脳の活動が関係しているのでは?・・と考えられている。
このはたらきにより、脳に蓄えられた情報が整理されるという。
すなわち、”ぼんやり”するコトは、休んでるのではなく、脳の活動を高めている時で、自分の頭の中の考えを整理したり、偏った脳の使い方がされているものをニュートラルな状態に戻すというはたらきがあるワケである。
記憶の倉庫ともいうべき大脳皮質は、五官から際限なく不断に情報が送り込まれているため、とにかく忙しい。
脳に入ってきた情報は、記憶の指令塔である海馬に一時的に保管されるが、常に多くの情報が流入している大脳皮質に受け入れる余裕がなくて、記憶として定着せずに、忘れてしまう。
大脳皮質に情報を振り分ける際も、”ぼんやり”すると大脳皮質に余裕が出来、情報が定着しやすくなるのだという。
「”ぼんやり”が長期的記憶を定着させる」(Boosting Long-Term Memory via Wakeful Rest;)・・というイギリスの論文も発表されている。
この論文によると、50人の被験者に本来、英語にはない無意味な単語を覚えてもらい、その後、ゲームをするグループと、薄暗い部屋で”ぼんやり”するグループとに分け、1週間後に単語テストをする・・という実験を行った。
結果は、”ぼんやり”したグループの方が2倍(!)成績が良かった・・というのである!
”ぼんやり”した時間を設けた方が、より勉強した内容が、しっかりと記憶として定着する・・というワケである。
既に授業前や授業終了時にぼんやり、心を無にする時間を設けている広島の進学校もある。
授業前の気持ちの切り替えや集中力アップ、授業後のぼんやりする時間で、より学んだ内容を整理をする時間がとれるなど、生徒の反応も上々!
15分間の”ぼんやり”タイムを設けている企業もあり、今まで3つの企業の仕事しか処理出来なかった人が、倍以上の仕事をこなせるようになったり・・と、その効果も驚異的!
過去にはアルキメデスやニュートン、最近ではスティーブ・ジョブスも仕事から離れ、ボー・・としている時間に偉大な発明や発見をしているという有名なエピソードも、我々がよく知るトコロである。
ただし、いつもぼんやりしている人では、それほど効果はない・・とのコト。
切り替えとメリハリが大切ですな・・。
うーむ・・”ぼんやり”・・侮りがたし。