Peace Waveの平和な日々~行く雲、流れる水のように~

気が向いたら、ボチボチ更新しようかと・・。(笑)

”ぼんやり”しよう!

2015年04月29日 | サイエンス

仕事中、ボー・・としてると怒られる。

しかし、最新の研究では、この”ぼんやり”が、非常にイミがあるというのだ。

 

”ぼんやり”してる時に働く脳の部位は、楔前部(けつぜんぶ)という記憶を思い出す部分と、前頭葉内側という価値を判断する部分

意識的に、集中している時は、これらの部分は使われていない。

情報を整理する際、これらの脳の活動が関係しているのでは?・・と考えられている。

このはたらきにより、脳に蓄えられた情報が整理されるという。

 

すなわち、”ぼんやり”するコトは、休んでるのではなく、脳の活動を高めている時で、自分の頭の中の考えを整理したり、偏った脳の使い方がされているものをニュートラルな状態に戻すというはたらきがあるワケである。

 

記憶の倉庫ともいうべき大脳皮質は、五官から際限なく不断に情報が送り込まれているため、とにかく忙しい。

脳に入ってきた情報は、記憶の指令塔である海馬に一時的に保管されるが、常に多くの情報が流入している大脳皮質に受け入れる余裕がなくて、記憶として定着せずに、忘れてしまう。

大脳皮質に情報を振り分ける際も、”ぼんやり”すると大脳皮質に余裕が出来、情報が定着しやすくなるのだという。

 

「”ぼんやり”が長期的記憶を定着させる」(Boosting Long-Term Memory via Wakeful Rest;)・・というイギリスの論文も発表されている。

この論文によると、50人の被験者に本来、英語にはない無意味な単語を覚えてもらい、その後、ゲームをするグループと、薄暗い部屋で”ぼんやり”するグループとに分け、1週間後に単語テストをする・・という実験を行った。

結果は、”ぼんやり”したグループの方が2倍(!)成績が良かった・・というのである!

”ぼんやり”した時間を設けた方が、より勉強した内容が、しっかりと記憶として定着する・・というワケである。

 

既に授業前や授業終了時にぼんやり、心を無にする時間を設けている広島の進学校もある。

授業前の気持ちの切り替えや集中力アップ、授業後のぼんやりする時間で、より学んだ内容を整理をする時間がとれるなど、生徒の反応も上々!

15分間の”ぼんやり”タイムを設けている企業もあり、今まで3つの企業の仕事しか処理出来なかった人が、倍以上の仕事をこなせるようになったり・・と、その効果も驚異的!

 

過去にはアルキメデスニュートン、最近ではスティーブ・ジョブスも仕事から離れ、ボー・・としている時間に偉大な発明や発見をしているという有名なエピソードも、我々がよく知るトコロである。

 

ただし、いつもぼんやりしている人では、それほど効果はない・・とのコト。

 

切り替えとメリハリが大切ですな・・。

 

うーむ・・”ぼんやり”・・侮りがたし。

 

 


"愛情ホルモン"オキシトシンとストレスの関係

2014年08月07日 | サイエンス

前回、ストレスは人を社交的にする・・と書いた。

(カテゴリー/健康メモ:「ストレスは健康を害するものなのか?」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/b71c77405da6f09f7212c2cbfbf267fd


「ストレス=害」ではなく、「ストレス=有用」と捉えるコトで、身体的反応も変わるコトは既に見た。

しかし、ストレスが人を社交的にするとはどーゆーコトか・・?


―それには、オキシトシンが関係するという。

オキシトシンは人の社交的衝動を調整したり、絆を強める為の行動を促したりする神経ホルモンの一種

オキシトシンが分泌されるコトで、スキンシップをとりたくなったり、大切な人を支えたい・・という気持ちが強くなるので、"愛情ホルモン"とも呼ばれる。


実はこのオキシトシン、アドレナリン同様、ストレスを感じた時にも下垂体から分泌されるストレス・ホルモンなのである!

 

苦しい時やつらい時、ストレスを感じた時に、自分だけで悩まず、誰かに打ち明けたらいーよ・・と支えあうようにしてくれ、やさしい人たちに囲まれていなさい・・というシグナルを脳に送るのである。

 

すなわち、ストレスを感じた時に、人に助けを求めるよう促すホルモンなのである。

 

 

実はこのオキシトシン、ストレスを感じた時に人を社交的にする・・という脳への作用のほかに、身体への作用もある。

代表的なストレス反応に、血管の収縮があるが、オキシトシンには炎症や血管の収縮を防ぐ作用があり、心血管系をストレスによるダメージから守る

 

また、心臓にはオキシトシン受容体があり、オキシトシンは傷ついた心臓細胞の再生を助けて、心臓を健康にしてくれるのである。

 

 

こうした身体への作用の効果をより高めるのが、"人とのふれあい"・・とゆーワケである。

 

ストレスを感じた時、人とふれあえば、オキシトシンの分泌が増え、ストレスからの回復が早くなるのである。 

 

ストレス社会と言われる現代、仕事でも家庭でも、最もストレスを感じるのは、結局のトコロ、人間関係ではなかろうか?

人間関係で傷つき、ストレスを感じた時、我々のこの体にはストレスから回復する為の機能が備わっていて、なおかつ、その為には、人とのふれあいがカギになる・・。

 

なんという人体の不思議

 

人間の神秘

 

 

ちなみに34~93歳のアメリカ人、約1000人を対象に過去1年のストレスの度合いと、友人や隣人を助けるのに費やした時間、その後5年間で誰が死んだかを調べたレポートで、貧困や家族の危機など、大きなストレスを経験した場合、死亡リスクが30%上昇したのに対し、他人の面倒をよく見る人は、ストレスで死亡リスクが増えなかったという!

人を思いやるコトは、体に良いのである。

 

―つまり、人は考え方や行動を変えるコトで、体質すら変えるコトが可能なのだ!

 

すなわち、「ストレス=有用」と考え、人のために生き、ふれあうコトで、ストレスに負けない体になるのである。

 

 

 

 

 

 

 

 



   


生命に質量はあるのか?

2014年02月05日 | サイエンス

『21グラム』という映画があった。

その内容はともかく、タイトルの「21グラム」とは、20世紀初期のアメリカの医師・ダンカン・マクドゥーガルが行った、魂の重量を計測しようとした実験に由来するのだそう。

死後、人間から減った重量が魂の重さ―それが約21g・・とゆーワケである。

 

同様な実験は日本でも行われていて、東京大学物性研究所などに在籍した川田薫理学博士

「命(魂)のエネルギーが測れるのでは?」

・・と、ラットの実験で、死後、約1万分の1、体重が減るという結果を得た。

それが命の質量であると。

 

川田博士がユニークなのは、これをモノでも試したというコト。

 

モノの重さを量り、そのモノを、すべて部品に分解して各部分の重さを量り、それを合計した重さと比較する・・という実験である。

たとえば、目覚まし時計の重量と、その目覚し時計を分解した全部品の重量の合計とを比べる・・という具合である。

 

普通に考えたら、分解する前と分解した後の重量は全く同じになるはずであるが、実際には、その結果、どうだったか・・?

 

やはり、ラットの実験と同様、約1万分の1、分解する前より、分解した後の質量が減るのだそうだ

 

これは一体どーゆーコトなのか・・?

 

人間の21gとゆーのは個人差はあれ、1万分の1ドコロではない質量。

これは別格であろう。

 

しかし、生物であるラット同様、モノにも命(魂)があるというのだろうか・・?

 

モノ―たとえば目覚まし時計であれば、時間を見る為、人を起こす為・・という目的、思いをもってつくられている。

しかし、分解された目覚まし時計は、既にその役割を果たすコトが出来ない。

 

―すなわち、モノは、つくられた目的、その役割が死ぬコトで、1万分の1の質量が減る・・。

 

時間を見る為、人を起こす為・・という目的をもってつくられた、その思いは役割となり、そこに命(魂)が宿る・・。

 

その思いのエネルギーこそ、モノの命(魂)=1万分の1の質量の正体・・。

 

役割をもった時に、魂が宿る!

 

信じるか信じないかは、あなた次第・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


iPS細胞の山中伸弥氏、ノーベル賞受賞!

2012年10月09日 | サイエンス

スウェーデンのカロリンスカ研究所は8日、’12年のノーベル医学生理学賞を、京都大iPS細胞研究所長山中伸弥教授英ケンブリッジ大ジョン・ガードン博士に授与すると発表。

 

授賞理由は「成熟した細胞を多能性を持つ状態に初期化できることの発見」

 

・・・・。 

 

―「成熟した細胞を多様性をもつ状態に初期化できるコト」・・とは、一体、どーゆーコトか・・? 

 

ヒトや動物は、1個の受精卵が分裂を繰り返して数を増やしながら、心臓、筋肉、神経、皮膚など、さまざまな臓器や組織の細胞に変化する。

これを「分化」というが、一度心臓や筋肉の細胞に分化―すなわち、”成熟した細胞”は、分化前の状態に戻らないと考えられてきた。

 

しかし、ガードン博士は、1962年、アフリカツメガエルの卵から遺伝情報を含む核を取り除き、代わりにオタマジャクシの体細胞の核を移植したトコロ、もとのオタマジャクシと同じ遺伝情報を持つ「クローンオタマジャクシ」に成長した。

これは、いったん分化した細胞でも、卵の中に入れるコトで、再びあらゆる細胞に分化できる「多能性」を持つように「初期化」できるコトをイミし、これを世界で初めて示した。


それから40年以上の年月がたち、山中教授らは、胚性幹細胞(ES細胞)や、受精させていない卵子の中で働く24種類の遺伝子を特定。

その中で多能性を呼び戻すのに必要な遺伝子を4種類に絞り込み、’06年にマウスの皮膚細胞に組み込むという方法で細胞を初期化し、多能性と増殖能力を持つ「人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell=iPS細胞)」を作り、翌’07年11月には、同様の手法で、ヒトの皮膚細胞からiPS細胞を作るコトに成功した。 

 

人工多能性幹細胞(iPS細胞)とは、要するに、体のさまざまな細胞になれる能力を獲得した細胞のコト。

患者本人の細胞から作るため、拒絶反応の少ない組織を作ることができ、脊髄損傷や難病の治療に使える可能性がある。

「再生医療の切り札」として期待が大きく、世界各国で激しい特許競争が繰り広げられている。

ES細胞もさまざまな組織に分化する能力を持つが、受精卵を壊して作ることから生命倫理的な問題がある。

この点、iPS細胞は受精卵を壊す必要はない。

 

拒絶反応の少ない再生医療や難病の仕組みの解明などにつながる革新的な功績が評価され、最初の成果が米科学誌に掲載されてから6年余りという異例のスピード受賞となった。

 


しかし、山中教授は、”異例のスピード受賞”という、なんだか華やかなイメージとは裏腹に、挫折を繰り返してきた。

 

学生時代に打ち込んだ柔道では10回以上骨折、それをきっかけに整形外科医を志す。

しかし、医者になったらなったで、普通の人が30分でおわる手術に2時間半もかかり、アシスタントで入れば”ジャマナカ”と言われるくらい不器用であるコトに気づく。

―ならばと志したのが研究者の道。

 

まさしく、「人間万事、塞翁が馬」を地で行く人生。

 

会見で、今回の受賞は国の支援によるトコロが大きいと、「日本という国が受賞した賞」と謙虚に語るトコロにその人柄が表れているが、趣味のマラソンで完走を公言し、研究費の募金を募り、1000万(!)集めたという行動の人でもある。

iPS細胞の「i」を小文字にしたのも、世界中で普及している携帯音楽プレーヤー「iPod」から拝借して命名、iPodのように広まるようにとの願いを込めた・・という大衆感覚溢れる人でもある。

 

山中教授は会見で、「私たちの本当の仕事はしっかり研究を進め、iPS細胞の医療応用を果たすこと。これからも本当の仕事を進めていかなければならないと思った。難病を持っている患者さんには、希望を捨てずにいてほしい」と決意を語った。

 

iPS細胞の今後の成果に期待したい。

 

 

 


アニメの世界が現実に?!人型?ロボット<クラタス>

2012年05月17日 | サイエンス

以前、1/1―すなわち実物大(!)のスコープドッグ(正確にはブルーティッシュドッグか・・)を作って話題になった工房がある。

全くわからない人にはスコープドッグの説明からしないといけないが、スコープドッグは『装甲騎兵ボトムズ』というロボットアニメ作品中に登場する人型ロボット、アーマード・トルーパー(以下AT)の名称。

見た目は上の写真の通り、その顔は、半球形の頭部に3つのスコープを配しただけのシンプル、かつ無骨なデザイン。

1983年の放映・・とゆーコトで、もう今から30年近く前の作品になる。

 

このATというメカ、ガンダムモビルスーツからの流れを汲む、サンライズ系リアルロボットが行き着いた究極の最終形態といっても過言ではない。

単なる巨大ロボットではなく、4mという現実的なサイズもさるコトながら、当時、ガンプラなどのモデラーたちが、アニメの動きを立体で再現した際、腰のアーマー(装甲板)が脚部に干渉してアニメのような自由なポージングが出来ない・・という、3D化した際の、それまでのリアルロボットの欠点をフィードバックしてデザインに取り入れた・・という経緯をもつ。

それ以降の作品に出てくるリアルロボットのデザインも、腰のアーマーが分割・可動して稼動域を広げたものになっていく・・。

 メカニック・デザイナーの大河原邦男も、ATは軍用ジープをイメージしてデザインしたと語っており、状況に応じてさまざまな武器や装備に換装したり、主人公が次々と乗り捨てる・・といったATの兵器としてのリアルな描写が印象的な『ボトムズ』は、いまだにマニアの評価が高い作品なのである。

 

―とまあ、前置きが長くなったが、その実物大のスコープドッグを作ったロボット愛好家集団「水道橋重工」、今度は張りぼてのオブジェではなく、実際に動くロボットを作ってしまったとゆーから驚き・・。

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1712341.html?__from=mixi

http://rocketnews24.com/2012/05/14/212086/

 

海外からは、その知名度から「ガンダム!」と呼ばれているよーだが、約4mのサイズといい、これ、どー見てもボトムズのATだよなー・・スタンディング・タートルとか・・。

(下半身はレイバーか・・?

 


光速を超える!?ニュートリノ

2011年09月30日 | サイエンス

先日、素粒子のニュートリノが光よりも速い(!)・・という衝撃的な実験結果が発表され、波紋を呼んでいる。

ニュートリノは、太陽などの恒星が核融合を起こす時の副産物で、電気的に中性な粒子。

極めて小さな粒子で、質量をもつコトが発見されたのは、ごく最近のコト。

大量に存在しているが、検出は難しいコトから、「幽霊素粒子」とも呼ばれる。

 

実験はスイス・フランス国境にある欧州合同原子核研究所(CERN)の加速器から、約730キロ離れたイタリアグランサッソ地下研究所の検出器に向けて、ニュートリノを発射するというもの。

本来の実験は、ニュートリノの質量を調べるため、「ミュー型」から変化して現れる「タウ型」のニュートリノを捕まえる・・というもので、ニュートリノが光速を超えるという衝撃の実験結果は、その副産物だという。

 

両研究所の時計をGPS(衛星利用測位システム)で正確に合わせ、発射時と到着時を測定し、3年間の実験で蓄積した約1万6千回のデータ(!)から速度を計算した。

 

その結果、光の到達時間は2.3ミリ秒だったが、ニュートリノの到達は、それよりも60ナノ秒ナノは10億分の1なので1億分の6秒、誤差は10ナノ秒以下)ほど早いコトが判明!

 

ニュートリノの速度は毎秒30万6キロで、秒速約30万キロの光速より毎秒6キロ速い(!)コトになる。

 

アインシュタイン特殊相対性理論によると、質量を持つ物体の速度が光速を超えるコトはないとされる。

ニュートリノは、わずかだが質量をもっており、実験結果が正しければ、現代物理学を支える相対論を根底から覆す(!)コトになる・・。



研究チームは、約6ヶ月間の検証作業を重ね、あらゆる誤差や人為的エラーを排除し、否定を試みたが、最後まで、どうしても”60ナノ秒”が消せずに残ったという。

その間、むしろ、ニュートリノが光速を超えるという結果が否定されるのを望むような雰囲気だったとか・・。



チームの中村光広准教授は「結果は確信できるが、精神的な抵抗はあった。物理学者として深い淵をのぞき込んでいるようだ」・・と、実験手法の信頼性を強調する一方で、物理学の常識を覆す結果に困惑をみせた。

発表に踏み切ったのは、自分たちはやり尽くしたので外部で検証してほしい・・との思いからだそうだが、専門家の間でも懐疑的な見方が少なくなく、議論は長期化しそうだ。


東大の村山斉数物連携宇宙研究機構長は、もし、この結果が本当なら、タイムマシンも可能になる(!)と、驚きを隠さない。

 

アインシュタインの特殊相対性理論によると、質量のある物体の速度が光の速度に近づくと、その物体の時間の進み方は遅くなり、光速に達すると時間は止まってしまう。 

 

光速で動く物体が、時間が止まった状態だとすると、それよりも速いニュートリノは、時間をさかのぼっている可能性も否定できない・・。

  

―これが、タイムマシンが可能だとする理論的な根拠である。

 

ニュートリノが超高速だと証明されるコトで、過去へのタイムトラベルも現実味を帯び、時間の概念すら、変更を余儀なくされる可能性もある・・とゆーワケである。

 

ただし、ご存知のように、特殊相対性理論によれば、物質は光より速く移動するコトが出来ない。

 

これを難しい表現で、「非局所作用は存在しない」・・というが、くわしくは、また次の機会に・・。



 

 


笑える研究

2011年09月23日 | サイエンス

毎年、その年に(アメリカで)公開された映画の中から、最も素晴らしい映画の各部門ごとに贈られるアカデミー賞に対し、最低の映画に贈られるのが、アカデミー賞のパロディである、”ラジー賞”こと、ゴールデン・ラズベリー賞 

 

実は、世界的にも最高の栄誉ある賞として知られるノーベル賞にも、”裏ノーベル賞”といわれる、イグノーベル賞・・という賞がある。

1991年に創設された、このイグノーベル賞(IgNobel Prize)は、ノーベル賞(Nobel Prize)に、反語的な接頭語”Ig”をつけ、「下劣な、恥ずべき、不名誉な」をイミする”ignoble”ともかけているとか・・。

 

ただ、こちらは最低の研究に対して贈られるワケではなく、「笑えて考えさせられる」「マネできないしマネすべきでない」研究・・という2つが、その受賞基準

実際にノーベル賞を受賞した人も受賞してたりする、あるイミ、”権威ある”賞である・・。

 

ハトにピカソの画を見分けさせる実験、水の中とシロップの中、どちらが速く泳げるか?の実験、身の毛もよだつ音の心理学、ヘソのゴマの研究・・etc。

 

クマに襲われても平気なスーツの開発で、安全技術賞を受賞したカナダトロイ・ハートバイスさんは、科学者でも研究者でもない、一般人!

驚きのその受賞理由は、ハンマーで殴らせたり、車に轢かれたり(!)・・といった、自ら体を張ったスーツの徹底した研究ぶりに対するもの・・。

しかし、7年の歳月と1000万円以上の予算をスーツの開発につぎ込んだ結果、破産してしまい、裁判所にスーツを差し押さえられたという・・。

 

―とはいえ、無駄なもの(オイ!)ばかりではない。

インドスリークマル准教授は、数学者ではなく、動物生理学者だが、「インド象の体表面積を測る方程式」(!)を編み出して、数学賞受賞!

 

インド象は、体表面積によって与える薬の量などが決められるため、定期的に体表面積を測らなければならないが、それを嫌がって暴れる象に踏まれる事故が多発、死者も相次いでいた・・。

 

そこで、なんとかしなければ・・と、立ち上がったのがスリークマル氏。

 

 

何度も踏まれそうになりながら、象のさまざまな箇所の長さと、体表面積との相関関係を調べた結果、身長と前足の太さに比例しているコトが判明!

 

そして、導き出した方程式が・・

S=-8.245+6.807H+7.073FFC!

Sは体表面積、Hは身長、FFCは足回り(前足の太さ) 

 

インドでスリークマル氏は、数学で多くの命を救った恩人として崇められているという・・。

 

先見性のある発明や研究も、常人にとっては理解しがたく、最初は狂人の奇行にしか映らないかもしれない・・。

 

しかし、やがてはそれも、未来の常識になる可能性だってあるのだ。

 

人類の進歩と未来のために、笑われても、くじけずにやり続ける勇気を持つべし!!


雲の話

2011年09月20日 | サイエンス

このブログのサブタイトル、「~行く雲、流れる水のように~」は、行雲流水という自分の好きな四字熟語からとっている。

(カテゴリー/人生覚書き:「行く雲、流れる水のように」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/73c3fc2b283a511be67ae0f7ebe02650

 

悠々と空を行く雲は、自分の理想とする姿でもある。

 

この雲について、最近、注目されてるのが、太陽の磁力が雲に影響を与える・・とゆー説。

1997年に、この論文を発表したのが、デンマーク国立宇宙センターヘンリク・スベンスマルク教授である。

 

太陽には、その表面から深さ40万kmのトコロまで、ガスが対流している層があり、そのガスが運動するエネルギーにより、磁力が生み出される・・と考えられている。

その太陽による巨大な磁力線のバリアは、すっぽりと太陽系全体を覆うほど!

この磁力のバリアが、宇宙線から地球を守ってくれているのである。

 

ちなみに、この宇宙線とは宇宙から降ってくる放射線のコトで、はるか彼方の宇宙で星が最期を迎え、爆発した時に生まれ、その中の一部は長い時間、宇宙を旅して地球にまで到達する。

 

この宇宙線の量と雲の量に相関関係があるコトを見出したのがスベンスマルク教授なのだ。 

短い期間ながら、宇宙線の量が増えると雲の量が増え、宇宙線の量が減ると雲の量も減る・・という完全に一致する観測データを発見したのである。 

 

そもそも、雲の発生に欠かせないのは、水蒸気の核になる微粒子の存在である。  

この微粒子の発生に、宇宙線が関わるメカニズムとは、以下の通り。

 

―すなわち、地球に到達した宇宙線は、空気中の分子と衝突、すると分子は電気を帯び、互いに引き寄せ合って大きくなる。

こうして雲の形成に不可欠な微粒子が生み出され、これを核として水蒸気が集まり、雲が発生する・・とゆーもの。

 

雲の核となる微粒子が少ないと、1つの粒子にたくさんの水が集中するため、大粒の水滴が出来、雨となって地上に降る。

しかし、この微粒子が多いと、1つの粒子に集まる水は少なく、水滴は小粒で軽いため、雨としてなかなか降らずに、いつまでも雲のまま上空にとどまる。

 

つまり、微粒子が多いか少ないかで、雨になるか、雲のまま残り続けるかが決まり、結果、地上に届く日光の量に大きな差が生じる・・とゆーワケである。

 

まとめると・・ 

太陽活動の衰え磁力のバリアが弱くなる地球に降り注ぐ宇宙線の量が増える雲の量が増える日光が遮られ、地球も冷える・・

―というのが、スベンスマルク教授が指摘する、地球の気候変動の筋書きだそうだが、なんだか、ちょっと聞いただけではよく分からない、「風が吹けば桶屋が儲かる」・・みたいな話ではある・・。

 

事実、名古屋大学太陽地球環境研究所草野完也教授によると、この問題は、非常に多岐の分野にわたっており、気象学・気候学・太陽物理学・太陽地球系物理学・・といった、従来では交わるコトのない、まったく異なる学問領域の知識を、学際的に総動員しなければならないコトを、研究過程において、さらに強く感じるようになったという。

 

太陽活動が衰えたトコロへ、さらに雲が増えて日光が遮られる・・とゆー相乗効果が、どれほどの影響を地球に与えるのか、太陽の活動が弱くなっていると言われる今、我々はこれから目撃していくコトになるのだろうか・・?

 

何ものにも縛られない、自由気ままな雲・・とゆーイメ-ジ であるが、実は、こんなにも密接に太陽や宇宙との相関関係があるコトが分かっているのである。

 

ところで、話はまったく変わるが、先日、友人の新居にお邪魔した際、立派な神棚が飾られていたのだが、その神棚の上に「雲」の字が彫られた飾りがあった。

 

紙に「雲」と書いたものを天井に貼ったり、あるいは「空」の字であったり、いろいろなパターンがあるようだが、要するに、神様がおわしますトコロ、その上を土足でドタドタ人が往来するよーなご無礼があってはならない・・とゆーコトで、そうした措置がとられているのだとか・・。

まあ、現在のお家事情では、誰しも最上階のペントハウスに住めるもんでなし、なるほど・・と恐れ入った次第・・。

 

日本の神道では、高天原という「雲」の上の世界に住んでるのが神様。

キリスト教でもイエスは「雲」に乗って再臨すると信じられている。

尊く、エラい人は「雲上人」、あるいは「雲の上の存在」・・なんて言ったりする。

 

しかし、こうした言葉を見ても、「雲」そのものが、エラいワケではないのが分かる。

天にある尊い存在の足元にあり、とりまくのが「雲」・・とゆーワケである。

たとえば、英語で「雲」を表す”cloud”は、「群れ」のイミももつ。

 

地上から天に昇っていった、その真っ白な姿が、清く美しい生き様さえ連想させるのだろうか?

どうせなら、天にある尊い存在に近い、雲のような存在でありたいもの・・。

 

 

まあ、自分が雲を好きな理由の1つには、「北斗の拳」に出てくるキャラ、南斗五車星の1人、雲のジュウザの影響も、結構あるんだけどね・・。

 

 


確率0%?で誕生した生命

2011年07月29日 | サイエンス

生命はいかにして誕生したのであろうか?

我々が生命の起源について考える時、無視できないのが「生命の設計図」といわれるDNAである。

現在、地球上で生息する生物は、発見されているものだけでも約150万種(!)といわれているが、動物から植物、最も小さな細菌から最も大きなクジラに至るまで、二重らせん構造の核酸(ヌクレオチド)―DNAは、すべての生物に共通している。

ちなみにヒトのDNAの数は約2万2000個。

これは数だけでいったら、ウニと同じくらい・・。

ちなみに植物のイネのDNAの数は、約3万2000個と、ヒトより1万個も多い・・。

 

このDNAは、アデニン(A)シトシン(C)グアニン(G)チミン(T)という4つの塩基によって情報が書かれており、コドンと呼ばれる連続する3つの塩基配列が1種類のアミノ酸に対応している。

(カテゴリー/サイエンス:「遺伝子の秘めた可能性」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/95a17087d6aad7a740be78f00cdfeb94

たとえば、AATはアスパラギンCAAはグルタミン・・とゆー具合である。

 

この情報をもとに20種類のアミノ酸を結合、生物の体を構成するタンパク質を作る。

すなわち、DNAタンパク質形質・・という具合である。

 

すべての生物を形づくるタンパク質は、割合は異なるが、20種類のアミノ酸から成り、全生物の体を構成している基本単位である細胞も、ほぼ同じ大きさで、同じ方法で分裂し、再生する。

 

上記の通り、この複雑な分子構造をもつタンパク質の合成はDNAに依存しているが、事前にタンパク質がなければ、DNAも形成しえないのである・・。 

 

ちなみに最も単純な生物とされるウイルスのDNAで、500個の塩基をもっているというが、A、C、G、T、4つの塩基の500個の並びが、そのウイルスを形づくるものになる確率は・・

(1/4)500乗=4の500乗分の1

 

統計学上、「10の30乗分の1」ないし「10の50乗分の1」の場合、確率的には0%(!)と見なされるそうだが、この確率は、それより、はるかに少ない。

500個の塩基を1回、並び替えるのに1秒要すると考えると、最も単純な生物を形づくる塩基配列を得るのに、200億年とした宇宙開闢からの歴史を、1億を22回掛けあわせた回数ほど繰り返さなくてはならない(!)ほど時間がかかる・・とゆー試算もあるとか・・。http://park8.wakwak.com/~dendo/sinka/index.htm

 

計り知れなさ過ぎる数である・・。 

 

ちなみにアミノ酸は20種類あるが、100個のアミノ酸から成るタンパク質を得られる確率は・・

20の100乗分の1=10の130乗分の1!

 

宇宙に存在する陽子の総数が10の80乗個(!)と言われているそうだから、どれだけ奇跡的な、とんでもない確率かがわかるであろう。 

 

はたして、進化論者が言うように、それでも、”偶然”、生命は誕生し、細菌やウイルスのような単純な生物から、徐々にヒトへと進化した?・・と言えるのだろうか・・?

 

いやー・・だね・・。

 

 

 

 

 

  


ありふれてるけど異常な水

2011年07月08日 | サイエンス

地球は「水の惑星」と呼ばれるほど水が豊富だ。

これは、実は宇宙レベルで見た時にもそうで、宇宙開闢から137億年たった現在の宇宙の元素組成を見ると、水素Hがもっとも多く、次いでヘリウムHeと酸素O、そして炭素Cと続く。

すなわち、水素Hと酸素Oからなる分子―水H2Oもまた最多分子の1つで、実際、この宇宙で水よりも多く存在する分子は水素分子H2のみ。

一酸化炭素COが水に匹敵するかもしれない・・という程度で、それほど、この宇宙では、水はありふれた物質?なのである。

 

まあ、我々が知りえている物質が、宇宙全体のわずか4%にすぎず、その4%中で最も多い・・といっても、全体から見れば、ごく微々たるものかもしれないが・・。

(カテゴリー/サイエンス:「宇宙の96%は謎の物質」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/2f53504b941393659c1cf2bb50c296f3

 

水は生命誕生に不可欠な要素であり、この宇宙に水が豊富にあるというコトは、地球以外のどこかで生命が誕生している可能性も、十分にありえる・・というワケだ。

 

そして、水はありふれていながら、奇妙な性質をもつ、異常な物質でもある。

それゆえに生命が誕生しえたのであるが、水の代表的な性質が、何でも溶かす溶媒としての性質

もちろん、易溶性の物質もあれば、難溶性の物質もあるが、地球規模の長い時間・広大な空間を考えれば、岩石といえど、水と接触するコトで、鉱物の元素が水へと溶け出す。

もちろん、水がアルカリ性か酸性かといった条件で、溶ける量や元素も違ってくるし、地球上にはいろいろな環境があり、いろいろな状態の水があり、当然、さまざまな鉱物から多様な元素が溶け出してくる。

当然、その中には生命体をつくる”SPONCH CaFe”(スポンチ・カフェ)元素も含まれ、またそれ以外の元素も多く含まれている。

(カテゴリー/サイエンス:「偶然一致性問題」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/bdb02fd92a74aa083886024d4995a889

 

そして、これも水の性質であるが、水ほど溶けた物質同士が作用して、新たな物質をつくる反応場になる液体はないのである。

 

さらにご存知のように、水は温度によって気体→液体→固体・・と相転移するが、誰もが知ってるように、氷は水に浮く

この現象こそが、水の奇妙な性質であり、水が異常な物質たる所以なのである。

氷が水に浮く―これは、H20は液体より固体の方が密度が小さい、あるいはH2Oは凝固すると体積が大きくなる・・というコトであるが、水みたいに固体が液体に浮くとか、凝固すると膨張する・・という性質は、通常の物質にはない。

 

つまり、この宇宙にありふれている水という物質は、”異常”なのである。

実際、水のような性質のある液体を、異常液体というそうだ。

 

普通、液体は低温ほど高密度であり、氷点(凝固点)の温度で最大密度になるが、水は4℃で密度が最大になり、この4℃から氷点0℃に向けて、密度が小さくなる。

 

風呂を沸かすと、暖かい水は上へ、冷たい水は下へと行くように、夏場の池や湖では、日光であたためられた表層水の下に冷たい低層水がたまる・・という成層構造を成すが、このあたたかい水と冷たい水は密度(比重)が異なるため、混じり合わない。

やがて秋から冬へと季節が移り、表層水が冷やされると、比重が重くなって沈んでいき、成層構造が崩れはじめる。

さらに冷やされると低層には4℃のもっとも重い水がたまる。

これが続いて低層から表層まで4℃で均一になると、成層構造は完全に崩れ、水がよく攪拌・混合されるコトになる。

 

そして、最も寒い時期には、さらに冷やされた表層水の下に、4℃の水がたまっているという、夏とは逆の成層構造になる。

これが春になり、だんだん表層水があたたまると、また表層から低層まで4℃で均一になり、また攪拌・混合される・・。

 

こうして年2回、さまざまな元素や豊かな栄養分を含んだ水が底から掘り返され、攪拌される・・という現象が起こりえるのも、水が4℃で最大密度になるという、異常液体だからこそなのである。 

 

この水がもし、氷点0℃で最大密度になるという、普通の性質だとしたら、どうなるか?

すなわち、氷になったら沈む・・という性質だったら・・というコトである。

 

冬になり、表層水が冷えて凍ると、その氷は底へと沈む。

凍っては沈んで・・と繰り返していくコトで、上から下まで、全体が凍りついてしまう。

これでは、当然、水中(氷中?)に生物が生存できる見込みがない。

 

 し、これが地球全体で起きたとしたら・・?

 

地質学者によると、今から8~6億年前の先カンブリア紀末、地球全体が氷に覆われる、スノーボール・アースという状態だったという。

先カンブリア紀末といえば、エディアカラ生物群という、地球最初の多細胞生物の出現期と重なっており、その1億年後が、カンブリア爆発という、現生動物のほとんどが出揃った時期にあたっているのである。

 

もし、水が普通の性質をもった液体であったなら、全地球凍結という状況下では、海は表面から海底まで全部が凍りつき、生物は進化どころか、生存するコトすら出来なかっただろう。

 

しかし、水が4℃で最大密度になるという異常液体であったために、表面が凍結した氷で覆われ、さらに冷却され続けても、氷の下の水は、あまり冷えるコトなく、液体のままでいられ、その水の中で、生物は生存し、進化するコトが出来たのである。

 

すげー・・。