Peace Waveの平和な日々~行く雲、流れる水のように~

気が向いたら、ボチボチ更新しようかと・・。(笑)

ひろしまアートパークかみやちょう

2010年08月04日 | アート

広島の中心、本通りは、いつも歩行者天国になっているので、たまにこうした似顔絵を描いてるお兄ちゃんを見かける。

 

しかし、ちょっと普段と様子が違うのは、その頭上に「ひろしまアートパークかみやちょう」という大きなパネルが見えるコト。

 

本通りがある広島の中心街・紙屋町のビル内の4Fで、現在「ART FAIR 紙屋町 2010」が期間限定で開催されているのだ。 

 

「Urban BLD Kamiyacho」という名が見えるが、アーバンといえば、経営破綻し、会社更生法が適用された企業・・。 

このビルも建って以来、数階分はまったくテナントが入らないまま、数年間放置されてきたそうだが、この度、市民団体やNPO法人などの協力を得て、こうした形で陽の目を見るコトになったそう・・。

 

まあ、300万円の家賃(!)て・・でかい企業でもなければ、とてもじゃないがやっていけない・・。

 

ご覧の通り、中はむき出しのままで、内装や空調の工事もしておらず、トイレや水道もないが、その工事だけでも数百万はかかるとか・・。

 

これだけのスペースが、ただ放置されたままとは、もったいない限りで、何かに活かせないものか?・・と思ってしまうのはムリもない・・。

 

平日だったので、人がほとんどおらず、がらんとしていたが、土・日など多い時で200~300人の人手があるという。

 

このだだっ広いスペースの各所に作品が展示され、さしずめ、巨大なアトリエか工房、兼ギャラリー・・といった雰囲気。

 

ブースの使用料として1日1000円を払い、そこで作家が作品を作ったり展示して、気に入った作品を買っていく人もいるので、それはそのまま、その作家の収入に・・。

ブースの使用料は、維持費としてテーブルやイスなど、備品を揃えたり、この企画の運営に充てているようで、儲けは一切なし。 

しかし、場所を提供してる企業にしたら、いろいろ経緯もあるだけに、タダで貸すのはどうか・・と社内でも意見は分かれているとか・・。

 

また、企画した側としては、実際に若手だろーがタマゴだろーが作家が来て、作品を作ったり、展示したりして欲しい・・という思いがあるのだが、そうした思惑をよそに、ブースを借りる人が、民芸品を売ったり、いわゆるフリーマッケットみたいな様相を呈したり・・と、実際にはなかなか、いろいろ難しいようだ。

 

 

広いスペースを利用した巨大な作品も目立つ。

 

こちらはMAYA MAXXの作品。

 

ライブ・ペインティングとゆーコトで、実際にこの壁に描いたそうだが、生でこの作品を描くトコロを見たら、さぞかし圧巻だろう。

 

しかし、つくづく芸術とは”自由”なものだと思う。

 

 

イスや・・

 

キューピー人形・・

 

ただ自転車を組み立てる・・というだけでも「創造」という行為に変わりはないワケで、時にアートたりえる。

 

作品は作者の性稟をあらわす。

誰もが「何これ?」・・と思うよーな作品であったとしても、誰かがそこに何らかの”美”や、共感し得る感情を喚起させられたのだとしたら、既にその作品はアートとしての価値を有している。

 

何気なく壁に貼られているかに見えるポートレートも、ただのゴミだと思う人もいれば、完成されたアート・・と感じる人もいるだろう。

 

 

―要は、その人が「アートだ!」と言ってしまえば、アートなのである。

 

そして、何に対しても”美”を見出し、共感できる感性をもった人は、間違いなく、広く、豊かな包容力ある心の持ち主であろう。

  

しかし、同時にまた「芸術」と「お金」の問題についても考えさせられる。

こうした場所を借り、企画・運営していくとなると、やはり、人もいるし、実際問題、お金も必要だ。

 

可能性と、何かのエネルギーを感じさせるこの試みが、単なる打ち上げ花火では終わって欲しくはないものだ・・。