かみ合わせや虫歯などが、肩こり等の原因になるコトはよく知られている。
当然、虫歯や加齢による筋力の低下は、”噛み砕く力”、”飲み込む力”を衰えさせ、おいしく食べるコトを妨げ、同時に健康の維持にも支障をきたす。
ーしかし、それだけではない。
口の中は、人体の中で腸に次いで雑菌の多い場所で、500種以上(!)の細菌が存在しているそう。
口腔ケアをおろそかにしていると、それら細菌の数が爆発的に増えてしまうのである。
病気や寝たきりなどでは、口の中が不潔になりがちであるが、細菌が1兆個にまで増えるケースもあり、口腔内の衛生状態によって、病気になるリスクが高くなったり、病気が悪化するケースも明らかになってきているという。
たとえば、日本人の死因の第3位が肺炎であるが、細菌を含んだ唾液が誤って肺に入ると、肺炎になるリスクが高まる。
また、歯周病になると、歯周病菌が血液に入って全身を駆け巡り、動脈の詰まりを促進させ、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすきっかけにもなりかねない。
感染性心内膜炎など心臓病の原因になったり、虫歯や歯周病が残っていると、再発のリスクも高いという。
また、歯周病が糖尿病を悪化させるコトも明らかになってきている。
糖尿病を患ってる人のうち、歯周病がある人は、歯周病がない人よりも血糖値が高いという結果が出ている。
その理由は、歯周病菌が体内に入ると、免疫反応によってサイトカインという物質が生まれ、血糖値を下げるインスリンのはたらきを弱めるからだという。
糖尿病患者の歯周病の治療によって、血糖値が下がったという報告もされている。
しかしながら、医療や介護の現場で口腔ケアの重要性が叫ばれながらも、なかなかそこまで行きわたっていない・・というのが現状のようである。
歯磨きによる虫歯や歯周病予防と治療、歯石除去といった口の中を清潔に保つ口腔ケアは、そういったイミでも重要である。
歯が抜けてしまうと歯茎もやせ、抜けてない歯もガタガタになって、また虫歯の原因になったりする。
入れ歯などでかたい物が食べられない、食べ物がおいしくない・・といったお年寄りの話もよく耳にするが、食べなくなるコトで、当然、アゴの力も弱くなる。
咀嚼・嚥下といった食べる機能の回復も、この口腔ケアには含まれるのである。
自分の口で食べるコトで体力も回復し、手術後の入院日数を減らすなどの結果も、既にそうした取り組みの中で報告されているという。
いくつになっても、おいしく、自分の歯で食べたいものである・・。
まじめに歯磨き、しないとね・・。