Peace Waveの平和な日々~行く雲、流れる水のように~

気が向いたら、ボチボチ更新しようかと・・。(笑)

暗殺教室

2016年10月12日 | マンガ・アニメ


”暗殺”という、何やら不穏な言葉が入ったタイトルで、まず敬遠してしまう。

加えて、主役キャラの殺せんせーのこのふざけたビジュアルから、単なるギャグマンガ・・くらいに思って、完全になめていた。


しかし、友人の勧めで読んでみて驚いた!


この松井優征て作者、メチャメチャ頭いーんじゃないだろーか・・?


そのハチャメチャな設定から、完全にギャグマンガと思わせつつ、ストーリーは最初から最後まで、非常によく計算され尽していて、無駄がない。

結末に向かって、見事に構成されている。


実際に教育の現場で使えそうなノウハウや知識、うんちくが盛り込まれていて、


「この作者、カリスマ塾講師か何かしていたんじゃなかろーか?


・・と思ってしまう。



何より、殺せんせーの自らの命をかけて、生徒たちと向き合うその教育ぶりは、


「こんな先生に教わりたい・・


・・と、誰しもが思ってしまうのではなかろーか・・?



だんだん年とってくると、新しいものになかなか食指が動かなくなって、それでいて昔を懐かんで、その自分の好みから動きだせなくなりがちである・・。

つまり、どんどん頭が硬く、頑固になっていく・・。



しかし、今、現在ヒットしている作品には、やはり、それなりの理由があるのだなぁ・・とあらためて痛感させられた作品だった。


オススメです。


魔法少女まどか☆マギカ

2015年12月10日 | マンガ・アニメ

「羊頭狗肉」という言葉があるが、この作品は「狗頭羊肉」とでもいうべき作品・・。

この、もろに”萌え系”の絵にだまされてはいけない・・。

相当ヘビーな内容のシリアスな作品である。


かく言う自分自身、知人から執拗に見るように勧められながらも、

「いやあ・・

・・という感じで、聞き流していたのだが、あまりのプッシュに、ついに根負けして見た。

 

そしたら、

 

・・あまりのコトに言葉を失った・・。

 

—驚愕、感動・・という言葉では表現しきれない。

 

とにかく、凄い・・。

 

全12話だが、劇場版の前・後編でほぼまとまっている。

 

「全く省いていいエピソードなどない!」という友人もいるし、

最初は絵が生理的に受け付けない、鬱陶しい・・と言ってた友人は「凄すぎる!」「芸術を超えてる・・」と絶賛!

 

とにかく、見る前と見た後で、これほど劇的に評価が変わる作品は記憶にない。

 

まあ、40過ぎたおっさんには、入口の「魔法少女~」というタイトルと、この萌え系の絵からして、すでにハードルが高いのだが・・。

 

内容が神がかっている・・。

 

この脚本書いた人、ホントに天才じゃなかろうか・・?

 

 

ちょっと、このブログで紹介するのも恥ずいなぁ・・と思っていたのだが、やはり1人でも多くの人に見てもらいたいので、随分、見てから時間がたったが、あらためてここで紹介するコトにした。

 

どんなに絵が生理的に受け付けなくても、途中であきらめずに必ず最後まで見て下さい。

 

見終わった時に、そのイミを理解するコトでしょう。

 

必見です!

 


水木しげるの古代出雲

2015年11月30日 | マンガ・アニメ

『ゲゲゲの鬼太郎』の作者で妖怪界の”御大”水木しげるが今日、11月30日に93歳で亡くなった。

 

その水木しげるが生前、夢枕に立つ出雲一族の男の霊に促され、必ずや描かねばならない・・と語っていた作品が、この『水木しげるの古代出雲』

今から3年前の2012年3月に単行本化されているが、90歳の時に、これだけの仕事をしているのかと思うと、驚嘆するほかない。

 

 

「そもそもぼくが古代出雲王朝のことを描こうと思ったきっかけは三十年程前から古代人らしき青年が夢の中にちょくちょく現れるようになってからだ」・・と作中でも語っている。

 

そのエピソード自体、自分自身ももう何年も前に何かで目にしたこコトがあり、いつかその作品を目にするコトがあるだろう・・と思っていたので、実際に作品を手に取るコトが出来るようになったのは非常に感慨深い。

 

 

記紀「国譲り」神話には、古代出雲(葦原中国)の大国主命が大和朝廷(高天原・天孫族)に国を譲り渡したコトが描かれている。

(カテゴリー/歴史・民俗:「出雲神」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/e196fd51615f0558e832d1dbe6f097dc

 

―果たして、事実はどうだったのか・・?

 

まだまだ謎も多く、考古学上の発見や研究が待たれる分野ではある。

しかし、古代出雲には一大勢力があった(カテゴリー/歴史・民俗:考古学によって浮上した出雲」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/9f59940740955e91deb3f895eb592cafコトは間違いなく、その国を譲り渡す・・というのは、大変なコトだったろう。

そこに出雲の無念がある・・。

 

鳥取県境港・・出雲に生まれ育った水木しげるは、古代出雲に生きた人々のそうした無念を晴らすため、シャーマンのようにその声を聞き、マンガを通して現代に語るという、これ以上ない語り部であった。

 

それをこうして1つの形にまとめあげたコトは、水木しげるの長年の悲願でもあったし、喜びでもあったろう。

 

 

単行本の最後に収められた番外編は、

 

「古代への旅はこれからもまだまだ続く・・・」

 

・・という言葉で締めくくられている。

 

 

御大のご冥福をお祈りします。


サムライフラメンコ

2014年03月12日 | マンガ・アニメ

現在、フジテレビ系深夜枠のアニメ、「ノイタミナ」で放送中のサムライフラメンコ

 

「ノイタミナ」・・て結構前からあって、何のコトかよーわからんかったけど、「Animation」を逆からローマ字読みしたものだったのね・・。

 

アニメは好きで昔からよく見ているが、正直、最近は見たいと思うよーな作品が少ない・・。

 

自分らの世代にとって、TVのアニメ作品やヒーローものは、ロボットやスーパーヒーローたちが悪の組織や侵略者たちと戦う!・・といった、子どもの目から見ても、ちょっとありえない、身近でないもの・・。

あるイミ、現実離れした、いわば、非現実的世界の中でカタルシスを感じるものであった。

 

それがいつの頃からか、身近なもの、手に届く、等身大のヒーローになっていった・・。

TVの中でしか見れなかったアイドルもまた、しかり・・。

 

―まあ、バブルの崩壊・・といった社会現象とも無縁ではなかろーが、実際にはそうした傾向は、もっと早くからあったと思う。

「リアル」というものを追求していくコトの、必然的な帰結なのだろうか・・?

 

しかし、フツーの人間の日常などを見て、何が面白い・・?

(いや、ドキュメンタリーは面白いけど・・。

そもそもアニメにしろ、映画にしろ、エンターテイメントなのだから、面白くてなんぼ・・てのが、自分の持論。

 

 

―それが、まあ、最近、あまり見たい!・・と思う作品が少なくなった理由の1つである。

ロボットものやヒーローもののアニメ作品の数は最盛期に比べれば、極端に少なくなった・・。

 

そんな中、はじまったのがこの作品

ヒーローにあこがれる青年が、本物のヒーローになる・・というストーリーは、かつての「ウイングマン」を彷彿とさせるが、そのストーリー展開の奇想天外さは、その比ではない・・。

 

しかし、ギャグばかりでなく、結構、マジに「正義とは何か?」・・といったテーマにも取り組んでいる。

 

キャッチコピーは「大人になりたくない”大人たち”へ―」(笑)

 

2クール(26話)の放送予定で、既に現在、19話まで放送されているが、終盤にむけて、ますますその展開から目が離せない!

 

興味のある方は、ぜひ、ご覧あれ。

 

なかなかおもしろいよ。

 

 

 

 


機動戦士ガンダムUC

2011年07月13日 | マンガ・アニメ

『亡国のイージス』『終戦のローレライ』で知られる小説家、福井晴敏による小説のアニメ化作品であるが、今や年商数十億円という巨大市場のガンプラ、当然、プラモデルなどの商品化や映像化を前提に、小説の連載と同時進行で企画されてきた。

UC(ユニコーン)には主人公が乗る一角獣を思わせる、1本角の純白のモビルスーツ、RX-0宇宙世紀(Universal Century:U.C.)の両方のイミがあるとか・・。

「機動戦士ガンダム」富野由悠季監督の大ファンで、自他共に認めるガンダム・マニアの福井は、映画化されるようなヒット作も世に送り出し、ようやく、これでガンダムを書く資格を得た・・と、「俺がやらねば誰がやる!」との意気込みで本作の執筆に臨んだという・・。

 

劇場版「逆襲のシャア」から3年後の宇宙世紀0096年が舞台で、ファーストガンダムからZZZ、そして約30年後のF91まで繋がる描写や、ストーリー自体も、宇宙世紀全体を包括するような壮大なものとなっている。

 

「ガンダムとは何か?」との問いに、福井は自身の中では、その答えは明確だとし、以下のごとく述べている。

いわく―

「観る者に向上を促すもの。」

「観客におもねず、咀嚼を要求し、現実を現実と受け止めるだけでは見えない未来を垣間見せようとするもの。」

「作り込んだ世界観で現実逃避の場を設けるのではなく、現実の苛酷さと正面から向き合い、変化してゆく人間の可能性を描くもの。

「フィクションに癒しを求める昨今の風潮からすれば、おそらく対極に位置する厳しさと、厳しさから生まれるやさしさを伝えるもの―。」

 

―ガンダムとは本来、そのようなものではなかったか・・?

 

常にヒットを要求され、今のアニメの主流が”萌え”なら、敵も味方も美形キャラの目白押し、プラモが売れるなら、もはや兵器(モビルスーツ)とも呼べない、スーパーロボットが空を飛びまくる・・。

売れるコトを前提に作られた、ガンダムの名を有する、多くのガンダムとは非なる作品を、ただ否定するのではなく、作り手の贖罪として、今いちど作品テーマに沿った形で語り直された作品―それがUCだと・・。

 

「バブル崩壊後、不況のどん底で生きるのを当たり前にしてきた我々は、目先の数字を追いかけるあまり、事の本質を見過ごしてビジネスの効率化を推し進めすぎた嫌いがある。

結果、より洗練された商品を得意客に効率よく届けるシステムは発達したが、不特定多数を相手にした間口の広い商いとなると、途端に中身の薄いお粥のようなものしか作れなくなってしまった。

ファーストガンダムはお粥ではなかった。」

 

プラモを売る為の、マニアに向けた(もちろん、そのニーズにも応えつつ・・)だけの作品ではなく、苛酷な環境の中、戦い、迷い、葛藤しながらも成長していく少年と、人間の可能性を描く・・という、普遍的なテーマを扱った、誰にでも楽しめる作品にする!

ガンダムがもつメッセージへの原点回帰!

 

―こうした作り手の熱い想い、ガンダムへの愛が結実した作品こそ、UCなのである。

 

1968年生まれの福井は、少年時代、ガンプラ・ブームの中で育ってきた、まったくの同世代で、ファーストガンダムに最も思い入れの強い我々世代には、”ド真ん中”な作品ではなかろうか?

 

ガンダムで育った世代が作った、ガンダムの魂を継ぐ作品!

 

現在、小説は既に完結しており、3巻まで映像化されているが、観れば、作り手の熱さがヒシヒシと伝わってくる。

「これぞ、ガンダム!」と、30代以上の世代で大人気だというが、納得である・・。

 

ぜひ、ガンダムを見て育った世代の1人として、ガンダム・サーガの”ひとつ”の締め括りを、今後も見届けたいものだ。


ガンバの冒険

2011年02月25日 | マンガ・アニメ

先日、ふと思い出した1975年のアニメ作品、「ガンバの冒険」! 

巨大な白イタチ、ノロイに支配された島から、命からがら逃れてきた島ネズミの忠太

故郷の仲間を助けて欲しいという必死の呼びかけにも、ノロイの名を聞いて、誰もが恐れをなして逃げていく。

そんな中、勇敢な7匹のネズミたちが、仲間を助けるため、忠太とともに冒険の旅に出発する・・とゆーストーリー。

 

主人公は好奇心旺盛な元気印、町ネズミで自称、”頑張り屋”のガンバ

ガンバの友達、食いしん坊でノンビリ屋のボーボ

気は優しくて力もち、船乗りネズミで親分肌のヨイショ

物知りだが、少々器の小さいガクシャ。(笑)

皮肉屋だが情に厚い”韋駄天”、イカサマ

酒好きの医者、シジン

そして、素直でまっすぐな皆の弟分、島ネズミの忠太・・という一行は、どれも個性豊かで、それぞれの個性や特技を活かし、時にぶつかりながらも力をあわせて、幾多の困難を乗り越えて行く。

まあ、人間だって、いろんなタイプがいるからねー・・。

 

斉藤惇夫の原作「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」では、タイトル通り、15匹の仲間が出てくるそうだが、それがアニメでは7匹に集約されているので、より1匹ずつのネズミのキャラクターに奥行きが出来、親しみやすい。

 

イカサマは文句なしに格好いい!

無頼を気取って、サイコロを振りながら「ピンゾロの丁!」・・なんてセリフは、ワケがわかんないながらも、子ども心にしびれたものだ。

風来坊で「恋にやぶれた酔いどれネズミ」という、シジンのキャラクターがまた大好きで、いつも、杯とひょうたんに見立てた王冠と落花生を持ち歩いては、チビリチビリやりながら詩を詠むその姿は、山頭火のような漂泊の詩人を思わせる。

医者とゆー職業柄もあり、茫洋とした佇まいなら、ガクシャ以上の知識人ではあるまいか・・?

もちろん、大人なヨイショや、ストレートなガンバなど、いずれも劣らぬ、愛すべきキャラクターたちである。

 

ちなみに自分は昔、ボーボに似てると言われたコトも・・。

 

30年以上前の作品だが、「友情」、「勇気」、「愛」、「仲間への思いやり」・・といった普遍的、かつ不変のテーマを真っ向から扱っており、今見ても、まったく古臭さを感じさせないアニメだと思う。

時代は変わっても、よいものはよい。

ジブリ作品にならぶ名作!・・とゆーか、個人的には最も好きなアニメ作品かも・・。

 

全26話

 

なんだか、また、唐突に見返したくなった。

 

仲間を助ける為に冒険の旅に出た、熱い気持ちをもったガンバたちに、また会いたいなぁ・・。

 

子どもたちには、必ず見せたい”熱い”作品です。

 

しっぽを立てろっ!!

 


ファイブスター物語

2011年02月11日 | マンガ・アニメ

今年、連載25周年を記念して”再起動する”というイミで、既刊12巻のストーリーを雑誌掲載時の構成で、話数ごとに収録した「リブート」が発売される「ファイブスター物語」(The Five Star Stories:ファイブスター・ストーリーズ;以下F.S.S)!

2月10日より、隔月で新装版コミックが7冊リリ-スされる予定だとか。

 

連載25周年で単行本12巻とは、ほぼ2年に1巻ペースという”超遅筆”であるが、おそらく25年のうち、半分以上は休載しているのだから、まあ、仕方あるまい・・。

現在も長期無期限休載中!

 

しかし、その間に出された設定資料集や関連本の類は、余裕で本編単行本の倍以上の数になるのだから、その情報量たるや、推して知るべしである・・。

ガンダムエヴァが、その世界観の背後に畳み込まれた情報量ゆえに、作品世界に奥行きが出来、現在にまで続くブームを作り上げたのだとすれば、F.S.Sの情報量は、それを遥かに凌ぐ(!)・・といっても過言ではない。

 

作者の永野護は、「重戦機エルガイム」(’84)のキャラクターおよびメカニックデザインを担当、作品上は出るコトのない背景となる設定を創作し、それがベースとなって、さらに”超”大風呂敷を広げたのが、このF.S.S。

エルガイムに登場するロボット、ヘビーメタルはF.S.Sのモーターヘッドの原型といえよう。

 

このモーターヘッドは、超人的な身体能力をもつヘッドライナー(騎士)と呼ばれる操縦者と、インフォメーションやパワーのコントロール、照準プロセス、火器管制などを一手に担う集中管理システムのコ・パイロットとして、人工生命体―ファティマが搭乗するコトで、無敵の戦闘兵器となる・・。

 

―そう聞くと、リアルロボットもののSF作品かと思われるだろうが、主人公が神サマ(!)という、作者いわく、「おとぎ話」で、”何でもあり”の物語・・。

唯一の足かせが、「星団歴」という連載開始時より発表されてる年表で、ストーリーは、この年表に沿って(基本的には)ジョーカー太陽星団という4つの恒星系がある、太陽系とは別の宇宙において進行していく。

 

―とはいえ、(必然性はあるのだが)過去や未来のエピソードが挿入されたり、ある程度、学習していないと、まったく”おいてけぼり”状態になってしまう・・。

正直、自分も完全に理解してるとは言い難い・・。

 

しかし、ハマる人は、相当ハマるのではないか・・?

個人的には”剣聖”ダグラス・カイエンは好きなキャラクター。

L.E.Dミラージュナイト・オブ・ゴールド黒騎士破烈の人形・・と、モーターヘッドはどれもカッコいい。

 

ファッション、ミリタリー、模型製作、車やバイク、音楽(特にロック)・・と、多岐にわたって造詣の深い作者の趣味は、存分にF.S.Sの作品世界に落とし込まれており、相当マニアックな作品である。 

 

Zガンダムにおいて、金色のMS、百式キュベレイハンブラビのような独特なMSをデザインしたのも永野護で、そうかと思えばリック・ディアスガルバルディβのような正統派MSも手がけたり、アーガマのような戦艦のデザインやリニアシートノーマルスーツまでもが彼によるもの。

もし、現実に存在したら?・・という発想によるデザイン手法と、そのセンスは秀逸で、ヘビーメタルのムーバブル・フレームというアイデアは、そのままZのMSに流用され、現在では、実際にガンプラとして立体化する際にも用いられている。

 

しかし、モーターヘッドのデザイン画の凄まじさ、線の多さは、とてもアニメ作品で動かせるシロモノではないだろう。 

数ある映像化不可能・・という作品が、過去、映像化されてきたが、これこそ、まさしく”映像化不可能”・・とゆー作品ではなかろうか・・?

 

ワケのわかんない人には、今回もさっぱり?・・な内容だっただろーが、機会があれば、ぜひ1度、読んでみて欲しい作品。

 

読んでもワケわからなすぎて、さっぱり?・・かもだけどね・・。


水木しげる、文化功労者に!

2010年10月27日 | マンガ・アニメ

今まで5度もアニメ化(!)されている「ゲゲゲの鬼太郎」で有名な漫画家水木しげるが、王貞治吉永小百合とともに、今年の文化功労者に選ばれた。

もちろん、今年選ばれた人の中で、88歳の水木は最高齢!

 

既に紫綬褒章旭日章文化勲章の受賞歴がある水木はインタビューで、「もうちょっと上の賞はないのかな・・?」と、とぼけてみせた。

 

NHKの朝の連ドラ、「ゲゲゲの女房」が好評で、その影響から郷里の鳥取県境港市にある水木しげるロードでは、空前の”ゲゲゲ・ブーム”だとかで、去年157万人だった観光客は、今年、既に倍近い300万人を超える勢い!

当然、過去最高で、ドラマの舞台になった東京都調布市にある深大寺去年の5倍(!)もの人が訪れているそうで、そうした地域振興への貢献も今回の受賞につながったようだ。

 

妖怪好きの自分は、水木しげるのマンガより、妖怪図鑑などに出てくる妖怪の絵に小さい頃から惹かれていた。           

水木しげるの描く妖怪の多くは、古典の画を参考にしているが、「子泣き爺」「砂かけ婆」「ぬりかべ」「一反木綿」などは文字による記録のみで、古典の画が存在せず、水木によって、はじめて絵として描かれたオリジナルであり、現在の日本人がもつ「妖怪」のイメージの多くは、水木の漫画から大きく影響を受けている。

 

妖怪研究家としても有名で、水木の周囲に集まった荒俣宏京極夏彦村上健司多田克己らの妖怪好きと共に世界妖怪協会を立ち上げ、会長に就任、”御大”と呼ばれている。

他にも日本民俗学会会員民族芸術学会評議委員なども歴任、調布市名誉市民にも選ばれている。

「水木しげる」なくして、日本の妖怪文化は語れないのである。

 

ちなみに、自分が好きな妖怪は「ぬりかべ」

水木自身は「ねずみ男」がお気に入りのようで、その理由は「ねずみ男をマンガに出すと、お金がたくさん入ってくる」からだとか・・。

 

奥さんの武良布枝さんと共にTV出演する機会も多くなり、そのおしどり夫婦ぶり、夫婦漫才のような掛け合いに夫婦仲のよさ、ユニークな人柄が偲ばれ、思わず笑みがこぼれてしまう。

見合いから結婚まで、わずか5日のスピード婚(!)というのは、既にドラマでも周知の事実だが、2人が寄り添う姿は、年をとったら、こんな夫婦になりたいなぁ・・と思わせる。

 

「空気のようなもの・・」と奥さんのコトを語る水木しげると、それを黙って笑顔で聞いている布枝さん。

 

―純粋に、美しい夫婦の姿だ。

 

今回の賞は、まさしく夫婦でとったものだと言えるだろう。

 

『水木サンの幸福論―妖怪漫画家の回想―』に、こうある。

 

「自分の好きなことを自分のペースで進めていても 努力しなくちゃ食えん、というキビシイ現実があります。

それに、努力しても結果はなかなか思い通りにはならない。

だからたまには怠けないとやっていけないのが人間です。

ただし、若いときは怠けてはだめなのです!

何度も言いますが、好きな道なのですから。

でも中年を過ぎたら愉快に怠けるクセをつけるべきです

~(中略)~

ときどき怠けることは、生きていくうえで大切なことです。

そして、仕事でも役立つのです」

 

―とゆーワケで・・

        「なまけものになりなさい」 by 水木しげる

 

 


 





 


修羅の門 第弐門

2010年10月05日 | マンガ・アニメ

以前にも紹介したコトのある格闘技マンガ、『修羅の門』!

(カテゴリー/マンガ・アニメ:「修羅の門」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/a9b500f51bd489e0bfe7b8f36b403d08

12年間にわたる『海皇紀』の連載をおえた川原正敏が、いよいよ満を持して、今月の月刊少年マガジンから連載を再開した『修羅の門 第弐門』!!

 

前回、第四部の連載終了が1996年なので、実に14年ぶり(!)の連載再開となる。 

実質的には「第五部」になるのだろうが、「第弐門」とゆーサブタイトルがついているトコロから察するに、また新たな”次元”の戦いが展開されていくのだろうか・・?

まあ、『ジョジョの奇妙な冒険』第6部『ストーン・オーシャン』第7部『スティール・ボール・ラン』みたいなもんかな・・?

ブランクもあるコトだし、ちょっと作者も気分を変えて・・みたいな・・。

 

前回、第四部のラストから、既に2年の時が流れているという設定で、陸奥九十九への挑戦権を賭けた海堂晃片山右京の戦いも終り(?)、九十九自身もコンデ・コマの業を受け継ぐというマエダ・ケンシンとの戦いを終えているという。

しかし、いずれの戦いも、その勝敗を知る者はなく、陸奥九十九は「壊れている」状態だという話・・。

果たして、そのイミするトコロは・・?

 

そして、冒頭から登場する、圓明流に似た技を使い、陸奥を思わせるナゾのマスクマン! 

 

陸奥が戦ったケンシンは、陸奥の祖父、陸奥真玄とも因縁があった・・とマッイイツォは語っていたが、かつて「老いた”元”陸奥には用はない」と、仕合わずにその場を去ったというコトは既に語られている。

それ以上の因縁があるとすれば、ケンシンが、九十九と兄・冬弥の父親ではないか?・・という説。

 

死闘を終え、朱に染まった胴着で戻ってきた陸奥は、頭部に損傷を負い、戦った記憶もないまま、入院生活を余儀なくされていたという。

例によって、最後に「四門」を放ち、致命傷を負った(?)ケンシンの止血?の為に帯を使った・・?

 

兄と、父?を殺した(?)精神的な重圧からか、死闘によるケガによるものか、「壊れている」のは、おそらく、体ではなく、精神的・内面的なものだというコトは想像はつくが、とにかく様々な憶測を呼び、今後の展開に目が離せない。

 

陸奥を追っかけてた格闘マガジンの記者、谷山が編集長になっていたのには驚いたが、時が経っているコトを印象づけるには、もってこいのキャラクターだった。

 

現在進行形のストーリーと、空白の時を埋める回想シーン、ともに注目の『修羅の門 第弐門』!!

 

今回、まったくワケわかんない人は、おいてけぼりのまま、ぶっちぎりですが・・。

 

『修羅の門』に夢中になった、今や、おやじとなった世代の皆さん!

感涙にむせびながら読め!!

(・・ちと、オーバーか・・

 


スティール・ボール・ラン

2010年05月07日 | マンガ・アニメ

2004年から週刊少年ジャンプで連載が開始し、現在もウルトラジャンプで連載中の「STEEL BALL RUN」(スティール・ボール・ラン)!

まったく読んでいなかったが、ここへ来てレンタル屋で借りて、ようやく一気に読んだ。

サンディエゴからニューヨークまでの全行程6000km、北アメリカ大陸を馬に乗って横断する”スティール・ボール・ラン”レースを舞台とした物語。

 

荒木飛呂彦の前作、「ジョジョの奇妙な冒険」は第1部から第6部の「ストーンオーシャン」で一旦おわり、新しいシリーズがはじまったのか?・・と連載開始当初は様々な憶測を呼んだ。

何しろ前作まで、主人公の”ジョジョ”たちは、第1部のジョナサン・ジョースターから、皆すべて血統的なつながりをもつ、壮大な大河ドラマのようなストーリーで、皆その名から”ジョジョ”の愛称をもつ。(カテゴリー/マンガ・アニメ:「ジョジョの奇妙な冒険」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/bdd844dcc67bf575dbb3d13bcea7d01a

 

しかし、「スティール・ボール・ラン」(以下「SBR」)の主人公の名ジャイロ・ツェペリである。

ジョニィ・ジョースターという主役級の登場人物が出てくるが、ジョナサンからの血統的なつながりもなく、後に本名が第1部の主人公と同姓同名のジョナサン・ジョースターであるコトが判明するのだが、「SBR」の物語の時代背景自体が、1890年からレースがスタートしており、1889年に宿敵ディオと船上の戦いで絶命したジョナサンとは別人であるコトは明白。

 

本作が、それまで一貫していた前作までの世界とは違う作品であるので、作者自身もその位置づけに苦心したようだが、結局、”パラレル・ワールド”とゆーコトで「ジョジョの奇妙な冒険Part7」―すなわち、”第7部”と位置づけされている

 

主人公のツェペリもそうだが、ディエゴ・ブランドーウルムド・アブドゥルフリッツ・フォン・シュトロハイム東方ノリスケ・・など、前作とのつながりを感じさせるキャラクターや、おなじみの「スタンド」も登場。

目に見えない「精神的なエネルギー」であるスタンドを、人物や動物の背後から出現するキャラクターのデザインとして絵で見せる本作は、”超能力”の画期的な表現として新たなジャンルを切り拓いた・・といっても過言ではない。

 

前作までは「stnad by me(傍に立つ)」から名付けられたものであったが、本作ではこの能力を「stand(立ち向かうもの)」(byマウンテン・ティム)・・としている。

 

ここであらためて作者の言葉を借りて、このスタンドという能力を説明すると・・

 

「人間が引き出す精神的なエネルギーの事を便宜上「スタンド」と名付けて呼ぶ事にする。・・(中略)・・こいつがパンチをくり出せば物質が破壊される。・・(中略)・・

そしてこの「スタンド」を心で見る事のできる才能を「スタンド使い」という。

スタンドには以下のルールが存在する。

 

①スタンドは「スタンド使い」の意思で動き、動かされる。

②スタンドはスタンドでしか攻撃できない。

③スタンドが傷付けば、その「スタンド使い―本体」も体の同じ箇所に同じ傷(ダメージ)がつく。

④「スタンド使い」が死ねば、その本人のスタンドも消滅する。

⑤「スタンド」が消滅すれば、逆に「スタンド使い」も死ぬ。

⑥スタンドのエネルギー・力の強さは、その距離に反比例する。

「本体」と「スタンド」の距離が近ければ近いほど、力は強く、正確性もスピードもあるが、2つの距離が遠ければ遠くなるほど力は弱くなり、動きのスピードも遅く、大雑把になっていく。

⑦つまり、スタンド使いには「うまい」「ヘタ」がある。

⑧スタンドは遺伝する。

⑨スタンドは1人につき「1能力」である。

⑩スタンドは、その本人によっては、力として成長する場合がある。

 

古代人の叡知はこのスタンドの才能を引き出す道具を偶然なのか なるべくしてなのかは知らないが、発明、作り上げている。

そして第1部「ファントム・ブラッド」の「波紋」や、この第7部「スティール・ボール・ラン」の「鉄球」は、このスタンドという才能に近づこうとする「技術」といえるのだろう。」単行本10巻より)

 

古代人の叡知が作り出したスタンドの才能を引き出す道具とは「石仮面」「矢」のコト。(知らない人はおいてけぼりですが・・

「矢」に射抜かれた者が死なずに生き残ると、スタンド能力を身につける・・とゆーのは周知の事実(同上・・)であるが、本作では「悪魔の手のひら」とインディアンから恐れられる隕石が落ちた跡が登場し、人間の眠ってる未知の能力を引き出す。

「矢」も地球外から飛来した隕石から作られており、スタンド能力は宇宙から来たウイルスによる進化ではないか?・・との仮説もある。 

「波紋」は仙道の”呼吸法”「鉄球」は自然の中にある黄金長方形を結ぶ螺旋が成す無限の”回転”・・。

 

ジョジョだけに、”徐々”にスタンドの謎も明らかにされつつある・・。

 

さらに、SBRレース自体にも秘密があるコトが明らかに・・。

9つのステージが設定されたコースは、実はアリマタヤのヨセフが残した地図、ある”聖人”「遺体」が隠された場所に沿ってコース設定がなされており、それぞれ動機をもってレースに参加したツェペリとジョニィも、その争奪戦に巻き込まれ、「遺体」を手に入れようとする大統領の追っ手、”スタンド使い”たちと予測不能なスタンド戦を繰り広げる・・。

その、ある”聖人”とゆーのが・・。

 

現在、単行本は20巻(通算100巻!)まで出ており、いよいよストーリーも大詰め!

 

しかし、なんといっても気になるのは、やはり、ジョジョ”第8部”もあるのか・・?

 

・・であろーか・・。 

 

個人的には、ぜひとも続いて欲しいトコロだ・・。