MS-06 ザクⅡ。
言わずと知れた、「機動戦士ガンダム」に登場する、一番最初の量産型モビルスーツ。
そもそも、この”量産型”・・とゆーコト自体が画期的であった。
なにしろ、当時のロボット・アニメの敵メカなど、1回登場するだけのやられ役・・それが最初から、ザクは複数の機体が同時に登場するのだから・・。
モノアイ、むき出しの動力パイプ、シールドにスパイク付き肩アーマーという左右非対称のデザイン、すぐ軍用兵器とわかるグリーンに塗られた機体・・。
メカニックデザイナーの大河原邦男も、自身、最も思い入れのあるデザインと語る。
主役メカであるガンダムは、当然、スポンサーである玩具メーカーの意向を汲まなければならなかったワケだが、敵メカであるザクは、制約なく自由にデザイン出来たからだという。
実際には、監督である富野由悠季の要求に応えなければならないのだが、その要求も、連邦軍のメカは米軍、敵であるジオン軍のメカはドイツ軍のイメージで・・というものと、モノアイ(1つ目のカメラ)だけだったというから、相当のびのび自由に出来た・・とゆー実感があったのではなかろうか・・?
もともとアパレルメーカーのデザイナーをしていた大河原は、背広のラインから、あのザクのデザインを生み出したのだそうだ。
今でこそ、そのデザインラインはシンプルすぎるきらいはあるが、逆に力強く、古臭さは感じない。
実際、誕生から30年以上たった今も、リファインされ、さまざまなバリエーションが生み出され続けている。
特にプラモデルやフィギュアなど、立体化される度、さまざまな解釈や今風のアレンジ、造り手の好みが反映され、同じザクとは思えないほど、さまざまなザクがその時代、時代に生まれてきた。
写真は「HG-MS 機動戦士ガンダム」のザク。
カプセルベンダートイ・・いわゆるガチャガチャ・・。
バンダイでは「ガシャポン」が登録商標となっている。
1回500円!
価格もさるコトながら、そのクオリティには驚かされる。
8cmほどのフィギュアであるが、ディティールや細部に盛り込まれた情報量は圧巻!
何より、最近のロボットのデザインは、(特に脚とか)どんどんシャープに、悪く言えば、華奢で繊細になっていくのだが、このザクはどっしりと重厚感のあるデザインで、軍用兵器である・・という力強いミリタリー・テイストに溢れている。
要するに自分好み・・。
”雑魚キャラ”、”やられ役”・・といった不名誉なイメージがつきまとうザクだが、やはり、こいつなくして、今のガンダムの繁栄もありえなかったろう。
それほど、ガンダムのもつ世界観を決定づける、素晴らしいメカだったといえよう。
アニメのロボットものも、スーパーロボットからガンダム以降、リアル・ロボットの流れが出来、モビルスーツに代わる様々な人型ロボット兵器が誕生してきた。
ガンダム自体も多くの作品が作られ、登場したモビルスーツもバリエーション等含め、数知れず・・。
その、すべての基ともなったモビルスーツ―それこそが、この「ザク」なのである。
”宇宙世紀の傑作機”、”モビルスーツの代名詞”・・そして、現在のガンダムの隆盛を決定づけた真の立役者、ザクよ、永遠なれ!