

カミさんは食品保存に使うポリ袋の匂いが大嫌いである。
特に、冷凍保存に使った時にひどく匂うという。
写真の左が市販のポリ袋で、右がスーパーに置いてあるサービス袋。
どちらも匂うのだが、右側は猛烈に匂うのですぐに食品を取り出さないと匂いが移ってしまう。
これは、たまたま今自宅にあるジップロック。
冷凍庫に入れるとどちらも匂うのだが、「冷凍保存」をうたっている右のほうが匂いが少ない。
これはナイロンとポリのニ層構造になっている真空パック用の袋。
二層構造が理由かどうかは分からないが、これは冷凍しても匂わない。
冷凍庫の長期保存にはもっぱらこれを使っている。
匂わない袋はないものかと、「ポリ袋・匂い」でネット検索してみると論点と議論がゴチャゴチャ。
ポリ袋そのものの匂い、冷蔵庫の匂い、匂い移りの問題、匂いを通す通さないの問題・・・
おまけに匂いに敏感な人と鈍感な人が「アレが悪い、コレが良い」とやりとりしているから、議論はすれ違っている。
同じ規格のポリ袋でも、製造時の条件変動で製品の匂いは変わるらしく、現時点では「匂わないポリ袋というのは存在しない」という情報もあった
試しに「匂わないポリ袋」で検索してみたが、「匂いを通さない」をうたう製品ばかりが登場して、「ポリ袋そのものが匂わない」というのは見つけられなかった。
匂わない袋が作れるのなら、それをセールスポイントにしたくなる筈だから、やはり無臭のポリ袋は存在しないのかもしれない。
(追記:プラスチックを作る時の触媒や、製品の劣化を防ぐために加えられた安定剤が成形加工時に一部分解して、匂いの原因になっている可能性があるそうです)
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暇なので今日は燻製作り。
人はやることがなくても、食べることだけはやめないから、調理は暇潰しのタネになる。
ひと鍋で2種類の簡単な熱燻が完成。
鍋の下段が鯖、上段がベビーホタテ。
ホタテはしくじりが少ないが、鯖は結構難しい。
上手な下味を付けないと逆に不味くなるし、温度を上げ過ぎたり、燻製時間が長過ぎれば肉の食感が落ちる。
手間をかけて作っても「元の塩サバを焼いただけのほうが旨かった」ということが案外多いのである。
先日は北海道の白鮭を使ってスモークサーモンを作ったが、これも元の素材を加工しすぎると逆に不味くなるようだ。
薄めの下味をつけたら、あまり水分を飛ばさないで短時間だけ冷燻し、「素材を生のまま食べる美味しさ」から遠ざからないように気をつけている。
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カミさんが、九州の友達から晩白柚(ばんぺいゆ)を頂戴した。
熊本八代の特産品で、世界最大の果樹としてギネス認証されてるらしい。
図体は大きいが、体積の半分ほどは分厚い皮である。
果実部分はもちろん美味しいのだが、カミさんにとって晩白柚の値打ちの大部分は皮にあるようだ。
姿と香りの良い柑橘なので暫くは室内に飾るが、正月明けには美味しいオヤツに化けてくれると期待している。
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霞ヶ浦の漁師を親戚に持つ友人から、自慢げな話を聞かされたことがある。
「川海老漁をすると、脱皮したての海老が僅かに混じる。柔らかいのが混じっていると市場に出せないので丁寧に取り除くのだが、これがめっぽう旨い。市場に出されることがないので、幻の川海老とも呼ばれている」
話を聞いて食べたくなり、何度かねだってはみたが未だに貰えていない。
さて、川海老ではなく伊勢海老の話。
脱皮したての「幻の伊勢海老」を販売する業者を見つけた。
海中の伊勢海老は岩陰などに隠れて脱皮するから、それを捕獲するのは事実上不可能だが、この業者は伊勢海老を生け簀で飼って、脱皮したのを見つけたらすぐに取り上げて冷凍保存している。
業者の名前は「幻屋」。商売の存続を考えれば心配になる社名だが、繁盛しているようである。
それを取り寄せてみた。
冷凍の真空パック姿の、小ぶりなのがニ尾。
取り出して触ってみると、なるほど、気持ちが悪いほどに柔らかい。
本来なら硬い甲羅も、鋭いヒゲやトゲも、フニャフニャである。
刺し身でも食べられるのだが、ぶつ切りにして、
唐揚げに。
カリッとした食感にするため2度揚げをした。
外殻が柔らかいので、丸々全部が食べられて、捨てるところが無い。
噛みごたえが良くて、甘くて、驚くほど旨かった。
柔らかな外殻と一緒にほおばれるから美味しいのだと思う。
何を食べても見た目きれいな写真をアップして「メチャクチャ美味しかった」と書くブロガーが多いが、ボクはそういう人種ではない。
これは本当に美味しいぞ。
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信州クルマ旅みやげの渋柿で、今年も干し柿を作っている。
恒例の行事みたいなもので、いつのまにか「自分流の作り方」が出来上がった。
いくつかのコツがあるが、いちばん大事なのは「天気」かもしれない。
以下に作り方ポイントをまとめてみた。
①熟れているほど甘い干し柿になるので、なるべく色の濃いものを使う。
自宅に柿の木がある人は、可能な限り収穫を遅らせるのが良い。
②皮を剥くのは、「向こう3日間の晴れが続く日」にする。
3日間干せば表面に乾いて安定した薄皮が出来て、カビ防止、色の黒ずみ防止になる。
天候に恵まれない場合は、扇風機を2日間ほど当てて、一気に薄皮を作ると良い。
一般に言われる「熱湯に潜らせてカビ防止」の必要はない。洗ってから皮を剥いた柿の表面は、消毒したものと同じ無菌状態になる。
熱湯を潜らせたものと、潜らせないものの出来上がり比較をしてみたこともあるが差は出なかった。
③あとはお決まりの手順である。
数日干して柔らかくなったら、揉んで中のシコリを潰し、さらに数日干したらもう一度揉む。
柿色で柔らかなアンポ柿風にするか、もっと干してコロ柿にするか、さらに寝かせて粉を吹かせるかは、お好みしだい。
④保存は、冷蔵庫ではカビが出るので、ラップして冷凍する。
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今日の昼飯は二人でたこ焼き。
山芋効果もあって中身トロトロのやや明石焼き風。
熱々に青海苔、鰹節、ソース、マヨネーズをかけて食べる。
自分の分は自分で焼くから忙しい。
心にゆとりのあるときは楽しめるが、そうでない時は面倒くさい食事である。
今日は楽しめた。
東北育ちのボクにとって、たこ焼きやお好み焼きはマトモな食事ではなく、せいぜい縁日のオヤツでしかなかった。
異文化(?)の関西人と結婚して、今は楽しみの幅が広がった。
わが食卓は、東北と関西の味が混在&融合している。
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