市内の公園を散歩したついでに、野菜の直売所を覗いた。
激辛唐辛子を見つけたことのある店である。
去年と同じ棚に、今回は不思議な形態で並んでいた。
左から順に、辛さレベル①、②、③、⑤、という表示がされている。
たかが唐辛子で、こんなきめ細かい品揃えを見るのは初めてである。
そもそも「激辛唐辛子」はあまり売れる商品ではないから、置いているスーパー自体が少ない。
おまけに一袋130円の低単価商品である。
直売所だから出品農家が趣味的に並べたのかもしれないと思ったが、このマイナーな商品で、4種類もの辛さを別々に栽培して、出荷まできちんと区別管理出来るものだろうか。
出来るとしても、その労働が報われるとは思えない。
ウソじゃないか、と思いながら「辛さレベル⑤」を2袋購入した。
買ってから気づいたのだが、袋に「インド人ウソつかない」と手書きしてある。
出品者は日本人名だから、越谷の農家で就労するインド人が作ったのかもしれない。
激辛唐辛子は種を抜いて塩漬けにして保存し、柚子が出回る頃になったら、柚子胡椒づくりの材料にする。
素手で処理すると、「指先が辛くて」眠れなくなることがあるので、手袋をして、風通しの良い屋外で種抜きと刻み作業をした。
用心したつもりが、その後に大失敗をした。
刻んだ唐辛子を入れていたボウルを、うっかり室内の台所で洗ったのである。
激辛唐辛子の汁がついたボウルに水がかかると、一気に毒ガスが発生する。
蛇口の水をかけた直後にボクは猛烈に咳き込むことになった。
離れた場所に居たカミさんまでが、少し遅れて咳き込み始めた。
レベル⑤というのはウソではなかった。
インド人もビックリの辛さだった。
・