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遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

岐阜県の小説

2011-06-26 10:33:47 | SF
読んだハズなのに確かにあったハズなのに探してもみつからなくなるお話というのがある、たとえばずっと前に書いた「(サッカーの)審判を殺したくなることがある(五七五)」ってネタ(こちら)、確かクラークの作品で、イギリスの「フットボール」を日本では「サッカー」にすべきだろ、訳者殿?とか思った・・・ハズなのだが今、本屋にあるクラークの短編集、どれを見ても載ってない、同じ本に「90億の神の名」なんてトンデモや重力コントロールをサラッとやっちゃう天才科学者のお話なんかもあったよーな気がする-んだが、何せタイトルも忘れたからなあ、でも絶対に捏造じゃない、そんなネタ作れるなら自分が作家になってるよ

あるいは「消化管手術のせいで短期記憶を失った主人公に危機が迫る」というネタの短編を読んだ、確か作者は北森鴻と記憶してたんだが、はてどの短編集に載ってたのか蔵書をひっくり返してもみつからない、私は飲んだくれだから短期記憶なんかしょっちゅう失くしてるけど、アル中ではなく手術で(正確に言えば2週間以上点滴だけで過ごして)そういうことが起きるとはそれまで知らなかったからけっこうショッキングだった、調べてみると1980-90年頃には時々起きてたようで、つわり(=
悪阻、妊娠初期に気分が悪くなること)で入院した若い女性の例もあった、悲劇だね-というくらいだからその短編はマチガイなく存在したにもかかわらず今となっては作者もタイトルも(私には)わからない

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というのは前フリ、本題はこれである、数ある太田さんの作品中でもとくに評価が高い「阿南シリーズ」第3作の文庫化、初出は98年なんだがどうやらこれ私は初見らしいのだ、舞台が石川県小松市、主人公の阿南は大阪からその街へ流れて行った
という設定(前作では名古屋に住んでいた)、変わり者の阿南に関わる女性たち(孤独なお年寄り、スレた少女、30代の怪しいヤツ)、次々起きる大立ち回り、全く何も思い出さない-ということは読んでなかったんだよなあ、やっぱ
それがどうした、よかったじゃないかって?いやまそうなんだけど、私は今までシリーズ第3作を読んだと信じてたんだよ、冒頭、阿南は岐阜県に住んでパンの配送か何かをやってた、舞台はすぐ名古屋へ移った(と思う)けど、またどんな事件が起きたのか全く思い出せんけど、岐阜県人の私は「ともかくも岐阜県を出してくれただけでうれしいな」と太田さんに感謝したのだった
ニセの記憶とは思えない、またわざわざ岐阜県に舞台を設定する作家さんは名古屋在住の太田さん以外に考えにくい(私が読む範囲では、これがまた狭いんだよな)、でも主人公が阿南じゃなかったのなら、ありゃいったい何だったんだ?フシギだなあ・・・・・

というほど岐阜県に関係のある小説は少ない、そら「夜明け前」とか豊田穣さんの「長良川」「伊吹山」とかあるにはあるが、また津田左右吉とか平野謙とか小島信夫とか有名人はいないこともないが(古い!!)、現代作家の作品を集めて「岐阜県本大賞」を選考できるほどはないと思う、何か悲しい・・・・

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