事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

ジョルジュ・ランジュラン

2014-11-16 13:39:47 | SF
蝿(はえ) (異色作家短篇集) 蝿(はえ) (異色作家短篇集)
価格:¥ 2,160(税込)
発売日:2006-01

これはかなりスゴいんじゃないかと思う、ほとんどは「そんなアホなことがあってたまるかよ」なお話なんだが、揚げ足鳥大好き読者にもつっこませない迫力みたいなものがある、他の作者とどこが違うかと聞かれても困るんだが、ひょっとしたらミステリの言葉=英語とロマンの言葉=フランス語の違いじゃなかろうか、もっともこの作者イギリス国籍で英語フランス語どっちもできるんだそうだけど、だとしたらこのお話たちはマレなる「多国籍ストーリーズ」なのかもね

-映画を見てなくてもネタを知らないヒトはまずいないこと「猿の惑星」(そう言やあれも原作者はフランス人じゃない?)並の超有名作品だが、もう死んでる主人公に何が起きたのか知っててなおかつ兄貴、奥さん、息子それに警察官の動きから目を離せない、先を読まずにいられない、こんなスットンキョーな設定に説得力を持たせられる作者は他にいないよな、20世紀のこの時期にのみ書かれえた作品と言おうか・・・(ホメ過ぎたかな?)
奇跡-脊髄損傷が治ることはありえないんだがフランスにはルルドの奇跡ってあるからな、こういう使い方ならありと揚げ足鳥読者も納得
彼方のどこにもいない女-深夜のTVに映る人々、何と視聴者と双方向の情報交換ができる、彼らはいったい何者?これまた戦後すぐ、TV放送始ったばかりというあの頃なればこその作品、この結末には誰しもあっと驚くだろうと思う
他人の手-「オレじゃない、悪いのはこの手のヤツなんだ」「手が悪いってことはわかってるよ、だがその手を動かしたのはテメエだろうが」とどっかで聞いたセリフ(ピノキオ)を思い出す作品、一応の解決(真犯人の解明)はあるものの恐怖は残る、次に反逆するのは貴方の手なのかも・・・
安楽椅子探偵-おいおい解説者殿、ネタ割るんじゃないよ、にしてもこの犯人マヌケ過ぎよね(とスレッカラシは思う)
最終飛行-深夜の大西洋上を飛ぶ飛行機に起きた小さな(いや結果的には大きな)奇跡、作者は転生を信じてたらしい、あってもいいよね、たまにはそういうことも
考えるロボット-チェスで人間に勝てるコンピュータプログラムはとっくに実現したし将棋のコマを動かす機械もできた、だけど自分でチェスを差すロボットはまだないし当分できないハズ、それがもしできるとするならば・・・とんでもないことを考えるヒトがいるもんだ(もちろんそれもムリだけど、何がってここはネタバレ自粛)


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