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遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

スタージョンは健在だった?

2014-10-13 20:04:20 | SF

時間のかかる彫刻 (創元SF文庫) 時間のかかる彫刻 (創元SF文庫)
価格:¥ 1,188(税込)
発売日:2004-12-11

71年初出とのこと、やっぱ好みの分かれる作風じゃあるまいか
ここに、そしてイーゼルに」-ある意味一番仰天な作品だった、内容というより「狂えるオルランド」がフランス語で「ローランの歌」だったことに、主人公のローランはシャルルマーニュの家臣でイスラム教徒と戦ってたが同僚の裏切りにあって親友と共に戦死し裏切り犯人は罰せられたというわりと普通な歴史戦記だと思ってたのだ、勇者だが常識人(だと思う)で狂ったところは別にない(恨みを買う行動はあったのかもしれないが記憶なし)、ロゲーロという騎士も魔法使いやらヒッポグリフやら海の怪物やらの超自然存在も出て来なかったと思う、で、そいつ(ロゲーロ)が絵を描けなくなって奇行を繰り返すある意味作中一番の変人とどういう関係にあるのか・・・・とにかくナゾだ(「スタージョンの小説製造機はどんなふうに動くのかさっぱりわからん」とは大森さんもおっしゃってる)
時間のかかる彫刻」、「ないのだった-本当だ」、「茶色の」-不可能発明を扱った3つ、こういうのはっきり言って好きじゃない、ガン治療のことも動物の活動を電気的に記録できる原理も全然理解しないでいいかげんなことをデッチ上げた上(「彫刻」、ガンのヒトが読んだら絶対面白くないと思うよ)、企業は利益のために安上がりで便利な発明を必ず握りつぶすものと決め付ける(そんな都合のいいものは存在しないというのが事実、子供は騙せても大人は騙されん)、「無いってものがあるか、あるなら見せてみろ」はジョークじゃないよ(「ない」は平気でそれを見せちゃってる)、永久機関は存在しない、それをあっさり存在させることで人類を救った気分になってる安易さはどんな技巧を弄そうと認めがたい(「茶色」、それもたいした技巧じゃないし)、私はミステリを実在と信じてる(つまり馬齢を重ねて超現実による謎解きを簡単に認めなくなった)人種なのだ
フレミス伯父さん-これまたシッチャカだけどギリギリで許容範囲、ロクデナシの甥を立ち直らせる伯父さんの話に一応なってるから(全くそんなことができたら苦労しないけどね)
-遠い惑星で生き残りをかけて移動する子供たち、言いたいことはわからんでもないけどこれはやっぱ児童虐待だろなあ
統治者ドーンの型-またまたあんまし簡単に大型動物を不死化してくれるな、案外すぐにも実現すると思ってたんだったりして(熱力学の法則には反してないかもしれんもんな)、シロウトはコワい
きみなんだ!」、「人の心が見抜けた女」、「ジョーイの面倒を見て」、「ジョリー食い違う」-この4つは普通小説に近い(でもどっかSFっぽい)分納得して読めた、特に不良になりかけてる少年が無事帰宅してみたら・・・という「ジョリー」の結末はまさしく馬齢を重ねるほど身にしみる(by大森さん)、「ジョーイ」のオレはカッコ良過ぎでこんな都合のいい男がいるわけはないと思う、でもいいのだ、どこがいいのかそれは読んでのお楽しみ、だからやっぱし買って読んでちょ

というわけでスタージョンは健在だったのだとSFじゃない半分だけは認める(上から目線)

ないのだったについて追記-だが言わずにおれん、この作者は「エネルギーばかり食ってほとんど何の役にも立たん、けどひょっとしたら間違って何か役に立つものを作り出すかもしれんこの世で一番のゼイタク品、それは学問」の存在価値を完全にナメてた、そんなことにムダなエネルギー使わんでもすごく能力のある一人だけの働きで同じ、いやずっとよい成果を得られるハズとか本気で思ってたのじゃなかろうか、これだけははっきり言える、アホか!!!!!


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