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遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

ロバート・F・ヤング

2013-06-24 12:10:05 | SF
たんぽぽ娘 (奇想コレクション) たんぽぽ娘 (奇想コレクション)
価格:¥ 1,995(税込)
発売日:2013-05-25

こんなことも書いちゃったけど本屋でみつければ買うしかないわね、待望久しかった奇想コレクション最後の1冊、いやよくぞ出してくださいました、やっぱこのヒトうまいよ(訳者氏が厳選されたからという説もあるけど)

特別急行がおくれた日-一見汽車とそれを動かす鉄道マンたちのお話、だが実は・・・・カンのいいヒトならわかるように書かれてるハズだけど私は途中まで宇宙ネタだと思ってた
河を下る旅-筏で河を下る男女、どう考えても非現実(これが宇宙のどっかだとしても)な旅だがさて真相は?そんなうまく行くかよ!なハッピーエンド、ま、バッドエンドよりはいっか
エミリーと不滅の詩人たち-博物館に展示される本物そっくりのアンドロイドたち(ただしセリフはテープ)、そら典型的にムダなお金のかけ方だよな(今となっては)と思ってるとこれが意外や・・・好きだ!!!(と思うのは私だけかもわからんが)
神風-恒星間戦争、反物質兵器、物質転送etcが実現してもやっぱし特攻機はヒトが乗って動かすしかないって?そらないと思うけど・・・訳者の下世話な解釈にニヤリ
たんぽぽ娘-時間旅行ができるということは過去にその必然性があったということだ、起きてしまった過去は変えられないハズというスタンス(BTTFと真逆ね)、これでも矛盾はある気がするけど、まあいーよ、やっぱ時を越える名作(文字通りの意味で)と言っとこう
荒寥の地より-遺作、大恐慌真っ最中(だよね?)の1930年にとある家族が出会ったフシギな男の正体は何だったのか・・・たぶん作者もわからない
主従問題-1962年のキューバ危機、当時アメリカ人はいつ核ミサイルが飛んで来るかわからないと思ってたらしい、だからってよその惑星へ逃げるか、普通?・・・いやそれなりの説明はちゃんとついててそれがServant problem、あ、これタイトルがネタバレしてるよーな
第一次火星ミッション-バロウズの火星へ飛んじゃった男の子3人組、デジャー・ソリスとカーターに会ったんなら「今日は、オレらもUSAから来ました」って挨拶すればよさそうなもんだと思うけど、ま、そこが70年代なんだわな
失われし時のかたみ-自分の過去が博物館展示されてるのを見る男、オチは途中で見当がつくと思う、ゆえに自粛
最後の地球人、愛を求めて彷徨す-自分以外の地球人は全員エイリアンに乗っ取られてると思う男、妄想だとわかっちゃいるのだが、いやどっちなんだ、妄想と現実の区別は意外にむつかしいという一例
11世紀エネルギー補給ステーションのロマンス-タイムマシンがガス欠になっちゃった主人公は11世紀でどうしたか・・・アハハハ、こらまいった、ひょっとしたら一番好きかも(ネタバレ自粛)
スターファインダー-宇宙クジラと交流する男の運命は?長編の一部とのことだが、訳者によればこの先は知らぬが花らしい
ジャンヌの弓-この訳語まちがいじゃない(確かに弓は重要な小道具だし)けど、普通なら「宇宙のジャンヌ・ダルク」とか言いそう、ハッピーエンドと言えばその通りなんだが、はてこの二人(死刑を免れたが神様の庇護も失ったジャンヌと地球人のナイト)はこれからどうするのかなあ?

よけいな注釈を一つ、伊藤典夫氏は源氏を読んでおられないらしい、もし元ネタの「典待(ないしのすけ)」をご存知だったらそこに作者の並でない悪意を感じないハズはないんだが-って案外ヤング本人も名前とそれが女官の役職名ということしか知らなかったとか・・・


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