■■トップが姿勢で示せ 【連載小説】経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.144<o:p></o:p>
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昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。<o:p></o:p>
【本書の読み方】 脚注参照<o:p></o:p>
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■12 第二創業期始まる 20 通算144回 トップが姿勢で示せ <o:p></o:p>
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幸は、竹根が福田商事を訪問して側面から応援してくれていることに対して深く感謝をした。ところが、竹根は、幸が描いてきたプリントショップ・ビジネス構想を否定したのである。何故否定されたのかわからない幸であったが、竹根の説明が始まった。<o:p></o:p>
気持ちが高揚してきたかと思うと、頭から否定される幸である。しかし、竹根のニッチ市場に対する戦略で竹根の意図が見えてきた。ゼロベース思考で新事業への対応を示唆された幸である。<o:p></o:p>
新事業への取り組みは決まった物のそれを誰が担当するかが問題となった。営業部長の息子であるまだ係長の若者が俎上に上がった。<o:p></o:p>
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【回想2 1980年代】 <o:p></o:p>
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――自分と同世代の、この竹根という男は、どういう思考回路をしているのだろうか。しかし、『三十にして立つ、四十にして惑わず』というのにもかかわらず、経営者としての未熟さに自分が恥ずかしい――<o:p></o:p>
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「先生、まだ私には刷増君を抜擢するという意味がよくわかりません」<o:p></o:p>
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「彼を新事業のトップにするというのではないのですよ、社長」<o:p></o:p>
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幸の目をじっと見据える、竹根のその目の奥に厳しさを見た。<o:p></o:p>
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「大松田部長が、最近オフセットについて非常に勉強しているようです」<o:p></o:p>
「それは私も感じています。それにしても、さすが先生、よく見ていらっしゃいますね」<o:p></o:p>
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「彼は、活版については、印刷機を直接触ってはいないものの、調整をしたり、時には簡単な修理もしているようです。もともと機械好きな人ですから、オフセットの技術面に興味を持ったのでしょう。そこに活版機の違いと共に、共通する何かを見つけたからこそ、あのように真剣にオフセットに取り組んできたのだろうと思います」<o:p></o:p>
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――俺は、社員の表面しか見ていないようだ。この人は、内面から人を見ている。それを知っていたはずだけど、今日、それを思い知らされた――<o:p></o:p>
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「なるほど、先生の意図が次第に読めてきました。まず、社長である私が新事業のトップを兼任し、技術面では大松田を活かし、プリントショップの経営を含め、営業面、管理面を刷増ジュニアにやらせるということですね。オフセット・ビジネスの方は、従来の活版と同様に出版社との関係もあるので刷増部長に営業を任せるのですね」<o:p></o:p>
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「いえいえ、私は社長に指示をする立場ではないと先ほどお話したばかりです。社長が判断し、お決めになればよろしいでしょう」<o:p></o:p>
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「竹根先生も、意地悪ですね。おかげさまで、人事が決まりました」<o:p></o:p>
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竹根のアドバイスもあり、大松田を呼び、内示を伝えた。そのときに、刷増係長を課長に昇格させ、プリントショップ・ビジネスの管理や営業を任せることも伝えた。<o:p></o:p>
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あまりの人事采配に、大松田は戸惑いを見せたが、社長の意気込みを感じ取り、かえってその人事について、社長を見直した。<o:p></o:p>
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オフセット・ビジネスについては、刷増部長を呼び、内示を伝えた。刷増も、自分の責任の重さをかみしめた。<o:p></o:p>
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取締役会で、本件の人事を社長に一任することが決まっていたのでだれも口を挟めない。在社の役員を集めて人事を発表した。<o:p></o:p>
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< 次回に続く お楽しみに ><o:p></o:p>
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■■ 脚注<o:p></o:p>
本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。<o:p></o:p>
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