■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 かき氷に続け、ウイルス不活性化に有効な柿の葉関連商品 1428
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■ かき氷に続け、ウイルス不活性化に有効な柿の葉関連商品 1428
2015年2月に合同会社として創業した奈良市内のカフェ「kakigoriほうせき箱」の売り物は「エスプーマ(ESPUMA)かき氷」だ。エスプーマは炭酸ガスや亜酸化窒素で食材をムースのような泡状にするスペイン生まれの調理法で、フワフワに削ったかき氷の上に搾りたてのミルクや大和茶など地元産の食材で調理した泡をトッピングする。クリーム系と異なる軽い食感で、インパクトある見た目とやさしい味が両立できる。
バレンタインやクリスマスなど年間イベントに合わせ、季節の食材を豊富に盛り込んだメニューを開発し、1000円から1300円で提供。行列ができる人気で、開店前の午前7時から入店整理券300枚を配布し、コロナ前は年間7万食、約7900万円を売り上げていた。かき氷の他にも奈良県内の耕作放棄地を借りて柿葉を生産し、お茶や入浴剤など関連商品の開発販売する事業に着手。20年6月に柿の葉専門店「sousuke」という屋号で新規出店も予定していた。
ところがコロナ緊急事態宣言で20年4月の売り上げは前年比8割減。宣言解除後の5月、6月も同3割減、ハイシーズンの7月8月も1割減となった。柿の葉専門店は今後の状況が読めず出店を断念。36席ある店舗の席数を30に減らし、昨年4月後半から営業時間を短縮した。あわせて自社のネットショップを拡充し、シロップや柿の葉商品、かき氷グッズなどの販売を強化。さらに人との接触や密回避のため、昨年5月から開店前の整理券配布を止め、ネットでの予約制にした。
すると、並ばないと食べられないと思っていた客がネット予約で来店。時間指定のため密を作ることなくスムーズに入店できると集客は上々。売上が上向いた。柿の葉専門店出店のために準備していた新商品やメニューを活かし、午後6時から8時の2時間だけ、柿の葉を使ったかき氷を週替わりで提供することも始めた。新しいコンセプトと夕方以降の営業で新規客を獲得、ほぼ満席状態で売上アップに貢献している。
今後は物販やネット販売を強化する。複数の大学が柿渋(カキタンニン)がコロナウイルスの不活性化に有効だという研究結果を発表しており、柿渋や柿の葉を使った商品開発に力を入れる。第1弾として柿の葉と柿渋を使った飴を開発、昨年12月末に医薬品卸グループと契約し、店舗とオンラインで全国販売も始まった。21年4月にはウイルス対策につながるマウススプレーの販売にも着手している。いずれは柿の葉を地元奈良の特産物に育てたいそうだ。
出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成