■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 カラー印刷〝匠の技〟で厳しい業界を生き抜く 8725
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■ カラー印刷〝匠の技〟で厳しい業界を生き抜く 8725
印刷産業の出荷高は、2004年の7兆2,000億円から14年には5兆5,000億円と10年間で1兆7,000億円の大幅な減少となった(経済産業省工業統計)。紙から得ていた情報が、パソコンやスマートフォンで手軽に入手できるようになったことが、印刷業界に大きな打撃を与えた。この傾向は、現在も続いている。大手印刷会社は、デジタル技術を活用した新分野展開を加速させているが、経営基盤の弱い中小印刷会社には同様の策は打てない。
紙への印刷需要が増勢へと転じる可能性は低い。むしろ今後も減少すると言い切ってもいい。では、大半が中小企業の印刷会社は、小さくなるパイを分け合うことでしか生き延びられないのだろうか。厳しい業界にあって売上高を落とさず堅実な経営を維持している印刷会社がある。その要因は、アピールできる〝強み〟と、それを引き出す社員のモチベーションの高さにある。
映画の宣伝用や美術館の展示会などに向けたカラーポスター印刷で独自の技術を発揮するポスター印刷(東京都板橋区、髙橋克俊代表取締役)は、職人の技を重視し、要求される品質を上回る刷り上がりで発注元からの高い評価を得ている。所有する設備はA0判からA3判までの印刷機、製版機、製本機があり、とくに7色が刷れる印刷機は、国内でここだけだという。ただ、充実した設備がすべてではない。
「高性能の機械から立体感と温かみのある色を出せるのが当社の強み。この色はどこにも負けない」と髙橋代表は強調する。1972年の創業から積み上げてきた色に対する職人の技術とその伝承が現在の強さを作り出している。同じデータを使い同じ印刷機で刷っても同じ色は出せないほど、高品質のカラー印刷は高度な技術力がいる。それを知る大手印刷企業やデザイナーなどが印刷を依頼してくる。
「一人が2台の機械を担当し、先輩社員の技術指導を受けながら色を学んでいく」のが同社の技術伝承。残業を無くし、繁忙時には全社員が協力して作業するよう体制を組んでいる。昼の休憩時には毎日、日替わりで手作りの味噌汁が配られる。働く人への配慮を欠かさない経営が社員のモチベーションを高めている。「デジタル化の波は嫌というほど感じる。だが、ここ3年間は受注量に変化がない」という。築き上げた技術を伝承し向上させていく取り組みが、厳しい業界で生き残る、一つの道であることは確かだ。
出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成
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