■■【経営コンサルタント竹根の起業日記】 七月三十一日 月末業務
【小説・経営コンサルタント竹根の起業日記】は、10年のサラリーマン生活をしてきた竹根好助35歳の経営コンサルタントとしての独立起業日記です。
これから経営コンサルタントとして独立起業しようと考えている人の参考となることを願い、経営コンサルタントとしての実践を経験的に語るつもりです。
【 注 】
ここに記載されていることは実在の企業とは何ら関係ありません。
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七月三十一日 月末業務
月末は、一か月間の業績集計表を基に、明日の早朝ミーティングの題材を整理する。
今日の経営士ブログも示唆の多い内容であった。
経営コンサルタントという職業は、ローマと同様に一日では成りません。先輩コンサルタントについていろいろと教えてもらうのが一番の近道です。
でも、その先輩がいろいろと教えてくれるとは限りません。経営コンサルタントは、また知識や情報だけでも成り立ちません。コンサルタントとしての技術は、経験を積まないと向上しません。講演やセミナーの講師を進んでやりましょう。
経営コンサルタントの実力をつけるには、先輩コンサルタントの鞄持ちをするのが近道であるという。しかし、プロの経営コンサルタントが、我々素人に容易に鞄持ちとして連れて行ってくれるとは思えない。どうしたら、先輩が連れて行ってくれるのだろう。
講師を進んでやりましょうという部分は、私のように話し下手な人間には耳の痛い言葉である。
七月三十日 管理職の活用マニュアル
一年先輩ではあるが、私が先に課長になってしまった、中塩係長とは馬が合う。彼は、一流国立大学の商学部出身である。
日帰りで名古屋に二人で出張。往復の新幹線の中で、進捗管理システムの件で、部長をいかに説得するのかで意見交換をした。彼は、記入マニュアルだけではなく、活用マニュアルを作ってはどうか、と言うのである。
要は、部下には記入マニュアルを持たせ、課長クラス以上の管理職には活用マニュアルで、部下にアドバイスをするという方法である。
彼は、私と話をしながら、活用法のポイントをパソコンに打ち込み、名古屋に着くまでに勝つようマニュアルの目次骨子が出来上がった。八月二日の部長とのミーティングまでには、それを簡単な追加資料として整理してくれるというのである。
七月二九日 部長に声を荒げる
この前の土曜日にまとめた、「進捗管理のあり方」というタイトルの提案書を部長に提出した。その場で、パラパラとでも見てくれるのであれば良いが、「そこに置いといてくれ」と、自分は書類から目を離さず言った。
こちらは、夜中までかかって書いたのに、その態度にカーとなった。
「落ち着け、落ち着け」と自分に言い聞かせた。
「部長、本件について、簡単に説明をさせてください。十分もあれば充分です」といったが、「月曜日なのでいろいろと仕事が溜まっている」と相変わらず、私の方を見ずに返事が返ってきた。
「部長!・・・」声が荒立った。
「落ち着け、落ち着け」と再び自分に言い聞かせた。
「では、いつになったら時間をいただけますか?」
ようやく、私の方を向いて、「後で連絡する」と言って、再び書類に目を移した。
以前にも、このようなことがあり、結局こちらから声をかけるまで、その件で、部長から声はかからなかった。
「部長!後っていつですか?」
社員の目が、一斉にこちらを向いた。
その時は「後は、後だ」という部長の答えで引き下がったが、今日はその気にはならなかった。
部長も、私の剣幕に押されて、手帳を取り出し、「八月二日の午後三時半はどうだ」と返ってきた。私は、スマホのスケジュール表を見ながら、「承知しました。よろしくお願いします」と言って、頭を下げ、その場を下がった。
七月二八日 平凡な日曜日と比叡山
旅行などに出かける以外の日曜日は、いつも同じことの繰り返しである。早朝ウォーキングと妻の買い物支援で午前中は潰れてしまう。
午後は子供の相手が多い。七歳の娘は、小さい頃からお父さん子というか、私にまとわりつく。性格も私によく似ていて、大雑把なところがあるくせに、子供ながら人の気持ちを読んで、人の世話をする。
今日は、経営士ブログを見ている私のパソコンを横から覗き込む。比叡山の写真が紹介されていた。昨年の春休みに家族で京都旅行に行ったので、比叡山を覚えているらしい。ブログの写真を見て、「お父さんがここへ行く途中で転びそうになったね」と思い出し笑いをしていた。
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