■■【経営コンサルタント竹根の起業日記】 八月二四日 日本経営士協会のオリエンテーション
【小説・経営コンサルタント竹根の起業日記】は、10年のサラリーマン生活をしてきた竹根好助35歳の経営コンサルタントとしての独立起業日記です。
これから経営コンサルタントとして独立起業しようと考えている人の参考となることを願い、経営コンサルタントとしての実践を経験的に語るつもりです。
【 注 】
ここに記載されていることは実在の企業とは何ら関係ありません。
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八月二四日 日本経営士協会のオリエンテーション
予約をした、日本経営士協会のオリエンテーション開催日である。
協会の歴史、経営士のあり方、経営コンサルタントとして成功するには、等々が詳しく紹介された。
第二部は、「中国人を知る」というテーマで、中国を相手にビジネスをしている個人企業の社長さんの話であった。現場を知っているらしく、事例も豊富であったが、オリエンテーションの一環としての講演に何となく違和感を感じた。
その様な話より、経営コンサルタントの先輩達の生の声を聴きたかった。
終わってから懇親会が催され、出席した。オリエンテーションには出席していなかった先輩会員も続々ときて、盛り上がった。
親友の秋元も参加していたので、懇親会が終わってから、彼を喫茶店に誘った。部長や常務との話をした。やはり結論は「商社の限界」というところに落ち着いた。
八月二三日 商社の限界
昨夜から作戦を練り、常務にどのように話をしたらよいのか、ワープロでストーリー作りをしたものを、通勤電車の中で繰り返し見ながら、リハーサルをした。
約束の時間ちょっと前に、常務室に行った。事前に用件を話してあったので、いきなり本題に入るつもりであったが、常務が、名古屋の塗料メーカーの話を持ち出してきた。私の期待に添うように会社として決断しなかったことを詫びられてしまった。
少々出鼻をくじかれた感がしたが、気を取り直して、本題に入った。
常務は、私が部下の進捗管理についての管理手法を知っているらしく、ただ頷くのではなく、それを話の間に挟みながら、私の話を肯定的に聴いてくれた。
最後に、常務がいった言葉は、嬉しくもあり、悲しくもあった。
私が言うことが実行できるような企業であれば、ライバル商社との差異化(差別化)ができ、業績も上がると思うと、私の提案を評価してくれた。一方で、商社としては、一中小企業に、全面的に肩入れをすることの難しさを、淋しそうに話してくれた。
午後、部長から呼び出しがあった。先日の売上分析用のデータ不適切使用で、訓戒処分であると書類を手渡され、それに署名捺印をさせられた。
「管理職とは、規則を破るためにいる」という信念を持って仕事をしている。部下が、規則のためにできないことを、管理職が権限を与えことで、その仕事をまっとうしてもらうという考えだ。
そのために、「あいつは、ルール破りの課長である」と部長から睨まれ、この種の処分は、これまでも何度も受けている。
八月二二日 時間の空費
出勤するや否や、部長秘書に部長のスケジュールを確認した。しかし、夜も含め全部詰まっている。私の声が気落ちしたのを彼女が感じて、「昼休みはあいています」と独り言のように言った。
彼女に感謝の言葉を贈り、私が強引に昼食を一緒にしたいとねじり込んだのでスケジュールに入れたと言うように彼女に頼んだ。場所は、いつも同期の秋元と食事をするレストランを指定した。
いつもより早めに行き、馴染みになっているマスターに隅の良い場所をとってもらった。
やや遅れてきた部長は、開口一番「君も強引だな。午後のアポイントがあるので、ゆっくりはできないよ」と釘を刺された。
昨日のT社長の件を要領よく話したが、取り尽くし間もない返事ばかりである。時間の空費を感じた。
昼休みから自席に戻るや否や、担当の常務秘書に内線をかけた。明日の午前中に時間を取ってくれることになった。
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