■【心de経営】 論語に学ぶ経営07 仁以て己が任と為す。亦た重からずや 泰伯第8-7 191 20
【心de経営】は、「経営は心deするもの」という意味になります。それとともにフランス語の前置詞であります「de(英語のof)」を活かしますと、「経営の心」すなわち、経営管理として、あるいは経営コンサルタントとして、企業経営をどの様にすべきか、経営の真髄を、筆者の体験を通じた内容をお届けします。
【筆者紹介】 特定非営利活動法人日本経営士協会理事長 藤原 久子 氏
北海道札幌市出身、平成元年7月に財務の記帳代行業務並びに経理事務員の人材派遣業の会社を設立し代表取締役として現在に至っています。
平素、自社において、従業員満足・顧客満足・地域貢献企業を目指し、ワーク・ライフ・バランスを重視した経営に心がけています。
一方、自社における経験をもとに、経営コンサルタントとしての専門知識を活用しながら、客観的に現状を認識し、問題発見・解決策の提案や業務改善案、経営戦略への提言など、企業の様々な問題の共有を図りながらアドバイスをしています。
本メルマガで【心で経営】の新シリーズが始まり数か月が経過しました。混濁した世の中を生き抜く術・視点は何処にあるのかを私なりにお伝えする事ができればと願いつつ、企業経営の心髄に論語の精神が重なっている事に気付かされ、渋沢栄一に共鳴し、論語が私の愛読書の一つとなっています。
中国、戦国時代の思想書「大学」におきましては、治国平天下(ちこくへいてんか:国を治め天下を平和に保つこと)の方が主体でありますが、私の論語への想いは、個人的規範が主体になっています。
そのことから自らの修養の為に論語を学んでゆくのが最適であると考えたのです。何時の時代にあっても、また時代の変化の中でも、いわゆる不倒翁(「起き上がりこぼし」と同意として行き抜いて人間の持っていた、自らの修養と経験に基づくものが、企業経営をしてゆく上で極めて重要であると確信しています。
ここでご紹介する渋沢栄一の生涯は『論語』との出会いにあります。「明治維新を作った徳川時代的教養とはどういうものであったのでしょうか。徳川時代は、一般的な民においても職字率が非常に高く、当時の世界的水準ではトップではなかったかと言われております。『雨夜譚』をみますと、6歳のときに父の市郎右衛門から教育を受けていたとあります。
その前の5歳のときから既に文章を読む教養を教えられていて、学ぶという一番基礎を幼児に叩き込まれた渋沢栄一が一番親しんだのは、論語でした。7歳の頃に読み始め亡くなるまで読み続けていた渋沢栄一は、84才から2年余かけて膨大な『論語講義』を遺しました。この点ではまさに不易(ふえき:いつまでも変わらないこと)です。
■■ 渋沢栄一の論語講義 ■■
ここでご紹介する渋沢栄一の生涯は『論語』との出会いにあります。「明治維新を作った徳川時代的教養とはどういうものであったのでしょうか。徳川時代は、一般的な民においても職字率が非常に高く、当時の世界的水準ではトップではなかったかと言われております。『雨夜譚』をみますと、6歳のときに父の市郎右衛門から教育を受けていたとあります。その前の5歳のときから既に文章を読む教養を教えられていて、学ぶという一番基礎を幼児に叩き込まれた渋沢栄一が一番親しんだのは、論語でした。7歳の頃に読み始め亡くなるまで読み続けていた渋沢栄一は、84才から2年余かけて膨大な『論語講義』を遺しました。この点ではまさに不易(ふえき:いつまでも変わらないこと)です。
■■ 渋沢栄一の論語講義 : 泰伯第8-7 191 ■■
ここでご紹介する渋沢栄一の生涯は『論語』との出会いにあります。「明治維新を作った徳川時代的教養とはどういうものであったのでしょうか。徳川時代は、一般的な民においても職字率が非常に高く、当時の世界的水準ではトップではなかったかと言われております。『雨夜譚』をみますと、6歳のときに父の市郎右衛門から教育を受けていたとあります。その前の5歳のときから既に文章を読む教養を教えられていて、学ぶという一番基礎を幼児に叩き込まれた渋沢栄一が一番親しんだのは、論語でした。7歳の頃に読み始め亡くなるまで読み続けていた渋沢栄一は、84才から2年余かけて膨大な『論語講義』を遺しました。この点ではまさに不易(ふえき:いつまでも変わらないこと)です。
◆ 為政第2-15 31
仁以て己が任と為す。亦た重からずや
【読み】
曾子曰く、士は以て弘毅(こうき)ならざるべからず。任重くして道遠し。仁(じん)以(もっ)て己(おの)が任と為す。亦(ま)た重(おも)からずや。死して後已(のちや)む。亦(ま)た遠からずや。
【口語訳】
曾子曰く、学徒たる者は、重みに耐える強さ、遠くまで続く粘りがなければだめだ。仁の追求を任務に背負っているのだから、こんな重荷はない。死ぬまで続く生涯教育だから、こんな遠い道はない。
「任重くして道遠し」と家康の生涯を渋沢栄一は『論語講義』で、徳川家康こそこの章句の実現者であるとし、その生涯について、次の様に語っている。
《もっともよく体験したる人は、東照公徳川家康である。家康の一生この章句の露現である。関ヶ原の戦争に克ちて、(略)子孫にのこしたる遺訓の文いわく、「人の一生は重荷を負いて遠き道をいくがごとし」学問あり、思慮あり、見識あり、忍耐あり、節制あり、自己の力を以て自己の運命を開拓したる成功者の、実験中より得たる、知恵の結晶というべきものなり》と解説しております
参考文献 論語と渋沢栄一 プレジデント社
【コメント】
何事につけても任務を遂行するためには、度量が広く包容力があって意志強固でなければ仁道の実践は出来ず、重責の道は遠くにあるのでないかと思うのです。人生を生き抜く羅針盤として読み継がれ、私共に誤りなき歩みの道をしめしてくれているこの章句は、「死ぬまで続く生涯教育だからこそこんなに遠い道はない」と結んでいるところに、一種の感慨深いものがあります。幸い長寿社会に生かされ、道徳教育の貴さを知り、心を広く、志を強くもって社会貢献に繋ぐための一助になることを願うものです。
経営コンサルタントとして企業を診断する場合に於いても遵守すべき事項を念頭におきながら、常に謙虚さを忘れず、自己責任で業務を遂行することと考えています。また思いやりを忘れずコミュニケーションよくタイムリーに報連相を実践して、プロのコンサルタントとしての資質の向上に努めなければいけません。クライアントからの信頼を得るためには創意工夫が必要ですが、倫理的思考・複々線思考による言動が求められます。
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