物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

「生きがい」をどう言い表すか

2015-04-17 11:59:05 | 日記
昨夜のドイツ語のクラスで R 氏の知っているドイツ人の教授であるが、教授になるときにいい論文を一つだけ書き、本も1冊出版したが、大学の在職中は博士論文を書くことを目指す学生を指導することもなく、自分は論文も著書も書かなかった教授がいたという話を R 氏がした。

私は「それでは生きがいがなかったのではないか」という考えを述べた。これは日本語で。なぜなら「生きがい」をドイツ語でどういうかわからなかったからである。

R氏は Lebensziel(?) と言われたが、どうも Lebensziel という訳には違和感がある。というのは Lebensziel をそのまま日本語に訳すると「人生の目的」という意味になりそうだからである。

人間というものは何年生きても「人生の目的」などわかるものではない。そう思う。そもそも人生に「目的」などあるとも思えない。

私は人生の目的を探すなどという人がいるとすれば、そういう風に考える人の頭を疑う。大体そんなことは金輪際わかるものではないのだから、そういう問題設定をする人は間違っていると思う。

だが、生きがいは違う。生きがいは人生の目的ではない。それは自分がどう生きるかということだけであって、極端にいえば、どのように生きると自己満足を感じられるかということである。

だから、「生きがい」を Lebenswert(人生の価値)とか言い換えてもぴったりこない。Lebenszufriedenheit(人生の満足)とでも表現したいところである。もっと適切でぴったりくるようなドイツ語がないか探したい。

洋数字と漢数字の使い分け

2015-04-17 11:48:14 | 日記
今朝の朝日新聞で「洋数字と漢数字の使い分け」をどうしているかという読者からの問い合わせに答えた記事が出ていてその使い分けの理由を知った。

それは数字が出るときには原則は洋数字だという。だが、その数値が変化しないなら、漢数字を用いるという。なるほどなるほど。ところが数字が変わる場合でも漢数字が使われる場合があるという。

これは囲碁や将棋の段位とか「四代目中村鴈治郎」とかの場合には漢数字を使うという。一つ、二つというような言い方の場合には「1つ、2つ」も認めたそうですが、やはり社内外から「違和感がある」との声があり、漢数字に統一したという。

なかなか数字と言っても難しいものである。

私も『数学・物理通信』等で編集者であるので、この指摘は役に立った。

compromising

2015-04-17 10:57:06 | 日記
2015.4.12の朝日新聞に載っていた、つぎの英文

Compromising images were made accessible to third parties through online postings.

(訳:個人の名誉を傷つける画像が、インターネットへの投稿を通じて第三者の目にさらされた。)

の中のcompromisingが「妥協するような」ではなく、「評判を落とすような、疑いを招くような」などという意味があるとは思わなかった。

だから、読んでも意味が分からなかった。もっとも新聞にとりあげられる英語の文章は誰でもわかるような文章ならとりあげられないであろう。

これはNHKの外国語講座(注)で取り上げられる文にはあまり私たちが知らない語句や慣用句が使われていることが多い。これは「おっと、学ぶところがあった」と聴視者に思ってもらわないとつぎの放送も見てもらえないという気持ちがあるからであろう。

私なども大学に在職中は講義の中でちょっと「はっとするような」視点を提供するように心掛けてきたといういきさつがあった。

(注)私は「語学」という語が好きではない。それで意識して「外国語」講座という表現を用いている。